左手で持った缶を左手で開ける

前回からの続き。
左手で持った缶を左手で開けるには、つまりこういう感じでないといけないわけだ。
次のコマで香が「サンキュー」と言って受け取ってるのだから、缶を持ってる方が獠、プルトップ開けてる方が香。

たぶんね、缶が固くて開かなかったんだと思うんですよ。
それで香が獠にこれ開けてよって頼むじゃん。で獠がそのくらい一人で開けろよおまーはぁとか俺もう右手塞がってんの！とか言って、缶を持つだけはしてやったんです。きっと。
そんなことしたら腕ぐらぐらして逆に開けづらいと思いがちですが、いやいやいや冴羽獠の左腕ですよ、この程度でぐらつくわけがない。飛行機の外に取りついてる状態でコルト・パイソンぶっぱなしてもぶれない左腕だからな。

それに、手榴弾のピンが固くて抜けないから本体を相手に持たせてピンを引っこ抜くという技を既に香は披露済みだ。その要領だろ、この開け方。
ていうかむしろ、普段からこういう開け方してるから手榴弾のあの発想が沸いたんじゃなかろうか。

・・・と、まあここまでは無理なく説明がつく左手缶の左手開けなんですが・・・
「サンキュー」で受け取ってる香のコマにでかいハードルがある。開いた缶を彼女に渡してる手が右手なんですよ。
おかしい。獠が左手で缶を持ってたなら、そのまま左手で渡すはず。なぜ右手に持ち替えたのか。いや持ち変えようにも右手は獠も自分の缶で塞がってるはずだ。どういうことなんだ。
薄々思ってはいたがやっぱ作者が描き間違っただけなのか・・・？
いや！違う！きっと何かまだ見えてないものがある！考えろ私！考えるんだ！

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・・・もしかしたら、獠が下らないいたずらをしかけたのではないか？
あいつ香からかうの大好きだし。

左手に缶を持って香に開けさせる。香がそれを受けとろうとする。と、獠がその缶をさっさと自分で飲んでしまう。
香が、あ！獠ぉ！みたいになるので、そこでフッと笑って右手に持ってたまだ手つかずの自分の缶を渡す。
結果として、獠は香の缶を開けてやり、香は獠の缶を開けてやったことになり、つまり二人で缶の開けっこしたわけだ。
漫画に映らないところでどんだけ仲良しだよお前ら。
香の｢サンキュー」が普っ通なので、日常的にこういうのちょいちょいやってると見たね私は。

ていうか、単に作者が描き間違ったにしても、自販機で買ったコーラ渡す前に開けてやるってそれだけで獠十分やさしくね！？
漫画になってない普通の日々はこの人何気にすごい香に優しいんだと思うわ。考えてみれば香は別に何かのきっかけなくいつのまにか獠に惚れてたし、こういう日常の細かい優しさで自然に惚れたんじゃないのか。それでうっかり甘え過ぎになるから、依頼があった時だけ獠が厳しめになるんじゃないのか。
そうじゃないのかお前ら！

・・・・と、そんなことを考え続けて土曜日は潰れたんですがね。
いやー左手だけで色々考えさせられますわほんと。