2007年1月8日設置
サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
アイザックと氷河でプリンに挑む。
ある日、アイザックが冷蔵庫を開けたら、プリンが1個ありました。
アイザックは冷蔵庫を閉めます。これはきっとカミュ先生が買って来てくれたんだ。晩御飯が終わったら皆で一緒に食べるように。だからとっておこう。彼はそう考えたのです。
1時間後、彼が再び冷蔵庫を開けると、プリンは跡形も無く消えていました。
アイザック「・・・・」
・・・たぶん、氷河は、冷蔵庫開けてプリンあったら何の疑問も抱かず先読みもせず食うと思うんですよ。うん。
食いっぱぐれるアイザック。
でもしょうがないか。自分の方が年上だし、我慢しなきゃな・・・
彼は健気にもそう考え、我慢しました。
数日後、アイザックが冷蔵庫を開けたら、今度はプリンが2個ありました。
アイザックはやはり冷蔵庫を閉めました。
この家には自分と氷河とカミュ先生の3人がいるのです。1個足りない。自分が食べてしまったら、誰かが食べられなくなってしまう。そう考えると手が出せなかったのです。
食べて良かったらきっとカミュ先生がそう言うだろう。それまで待とう。彼はそう考えました。
1時間後、彼が再び冷蔵庫を開けると、プリンはまたしても全て消えていました。
アイザック「・・・・氷河。プリン食ったか?」
氷河「うん」
うんじゃねえよ。
食うのは良い。だがなぜ二つ食ったのか。アイザックには理解できません。
・・・たぶん、氷河は、冷蔵庫開けてプリンあったら何の疑問も抱かず先読みもせず食うじゃないですか。で、食べ終わって、もう一回冷蔵庫をあけたらまだプリンがあったんですよ。それで、何の疑問も抱かず先読みもせずまた食ったんです。
アイザック「・・・・」
しかし無くなってしまった物は仕方ありません。ここでなにやかや面倒を起こす方がきっとカミュ先生も困るでしょう。
アイザックはなんとかそう考えて、この日も耐えました。
そしてさらに数日後。
アイザックが冷蔵庫を開けたら、今度はプリンが3個あったのです。
アイザック「・・・・」
みたび冷蔵庫を閉めるアイザック。3人の家に3個プリンがあったということは、こんどこそ、晩御飯の後に皆で食べるということでしょう。今一人で勝手に食べてはいけない。氷河とカミュ先生の帰りを待って食べるんだ。彼はそう考えたのです。だが。
1時間後、彼が再び冷蔵庫を開けると、プリンは1個になっていました。
アイザック「・・・・氷河。プリン二つ食ったか?」
氷河「うん」
なぜそんなことができるのか。
アイザックには全く理解できません。3人の家に3個プリンがあってそのうち2個を一人で食うお前は一体何なんだと首根っこ捕まえて問い詰めたいところです。
ただ、氷河も今回は氷河なりに我慢しました。1個は残した。頑張った。
そこへ、カミュが帰ってきました。
アイザック「カミュ先生・・・!」
カミュ「?どうした」
アイザック「プリンが・・・」
カミュ「プリン?ああ、食べなさい。3つあっただろう」
アイザック「それが・・・氷河が2つ食べちゃったんで、残りは1個で・・・先生、半分こしましょう?」
カミュ「ん?いや、それなら私はいい。お前が食べなさい、アイザック」
アイザック「でも・・・先生食べてないのに俺だけなんて」
カミュ「いや私は本当にいいのだ。お前達の為に買って来たのだから。・・・どうした。一人で食べるのは嫌か?そうか。それなら、氷河と半分に分けなさい。それならいいだろう。氷河もまだ食べたそうだしな」
氷河「はい」
おかしいだろこれ。
理不尽過ぎてもう理解どころではないアイザック。
どうしてそうなる。2つも食べておきながら、この期に及んで横から最後のプリンをうらやましそうに凝視できる氷河はマジで一体何なのか。
納得行きません。全然納得いきません。
しかし。
アイザック「・・・・じゃあ、半分食うか?氷河」
氷河「うん!」
結局、分ける事になるのでした。
・・・氷河はこういう、無邪気な無遠慮がある気がします。そしてそれが許されてしまう乳臭さもある気がする。
氷河だけ聖衣もらうのが遅れたのは、たぶんそういうところじゃないでしょうか。
あんな育ち切ってない子供に聖衣を与えて大丈夫だろうか。カミュはギリギリまで葛藤したんだと思います。時間が許せばもう数年は修行させたかったに違いない。
氷河はなんか、そんな感じがします。
PR