スケートのフィギュア、と口に出すと誰もが皆、「ああ、真央ちゃん?」と返してくる。
男子フィギュア!!!男子フィギュアだっつーの!!!
うちの母に至っては「世界フィギュアの男子なんか、全員ボロボロだったじゃないの」とのたもうた。
ジェフは完璧だったっつーの!!!
つかボロボロとか言わないで!?あいつらはあいつらなりに色々あんだよ!女の子よりも傷つきやすいガラスのハートの20代なの!
それにしてもジェフリー・バトル。なんて可愛い選手だろうと見るたびに思う。
「好感度の高い国・カナダ」の権化というか何と言うか・・・・あの笑顔といいあの音楽と一体になった滑りといい、「僕はスケートが大好きなんだよ」っていうのがひしひしと伝わってきて、見てるこっちが幸せになるわ。
ジャンプがなくても彼がくるくるとステップを踏んでいるだけで十分見惚れちまいますよ。
カナダのフィギュアスケーターといえば、世界で初めて4回転のコンビネーションジャンプを成功させ、空中戦時代を切り開いた「ミスター四回転」ことエルビス・ストイコですが、二十歳そこそこにしてどっからどう見てもおっさんにしか見えなかったあのストイコ、フィギュア選手でありながら空手の有段者で絶望的にフリルが似合わなかったあのストイコの次に輩出されたのがこのバトルだと思うと、私はどうにもナイアガラの神秘を感じずにはいられないのです。
両極端過ぎなんだカナダ。もうちょい配分というものを考えたらどうなんだカナダ。ストイコは本当に、冬というよりむしろ夏の大会で砲丸を投げてそうな感じの男だったんだ。
一方、ジェフに敗れたフランスのブライアン・ジュベールですが。
こいつもほんと別の意味で可愛くて仕方ない。
記者会見で「バトルは四回転に挑戦しなかった。ずるい!」って言っちゃったそうで、自分も力を抑えた演技をしたのにそういうのを言っちゃうところが他選手のファンにウケの悪い人なんですが、でも彼は性格が悪いわけではないんですよ、ただ誰よりもフィギュアに対してクソ真面目なだけなんだと思います。
四回転だってちゃんとやんなきゃだめだと思います!みたいな。プライド高いけど不機嫌なのはダダ漏れます!みたいな。
一生懸命真面目に真面目に四回転練習してきたからこそ「ずるい!」となっちゃうんでしょうね。負けん気強いしね、イメージそのままのパリっ子って感じです、ほんと可愛い。
フランスのフィギュアスケーターといえば、甘いマスクに縮れた長髪、スケーティングよりも役者的なしぐさの一つ一つで観客を魅了し、特に日本女性にモテにモテて日本での演技終了後は花束の嵐、他国の選手をして「どうしてあいつは日本であんなモテんだよ!?」と伊藤みどりに詰め寄らせしめた伝説を持つ男・フィリップ・キャンデロロが有名ですが、3回転ジャンプ直前でも投げキッスをかましていたあのキャンデロロ、エキシビに至っては観客席に乱入して女性客に投げないキスをしていたあのキャンデロロ、おそらくはそうした細かいサービスのせいで後半疲労し最後のジャンプは大概失敗していたキャンデロロ、でもジャンプより衣装と演出で女の子がきゃあきゃあ言ってくれる方が大事だからという勢いで滑っていたあのキャンデロロの次に輩出されたのがこのブライアンだと思うと、私はエッフェル塔の毒電波を感じずにはいられないわけです。
両極端すぎるんだよフランス!せめてフィリップの100分の1でもいいからあの処世術をブライアンにも分けてやればいいだろうが!フランス人って何!?真面目なの!?ナンパなの!?・・・と思ったら、フランス人はフランス人でもキャンデロロはイタリア系フランス人でしたか、そうでしたか、超納得。半分イタリアンなだけでああなるんだなあ・・・
まあ、そんなこんなでね。
フィギュア男子は面白いですよ、ほんとキャラ濃くて。