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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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      ドラリオン

うっかりしていたのですが、今日はシルクドソレイユの「ドラリオン」を見に行く日だったのでした。
なので篤姫は次の土曜日までお預けです。

で、このドラリオンなのですが・・・まあ聞いてください。そもそもの始まりはうちの親父の元に届いた一通のメールでした。
そのメールは親父の知り合いからの物で、ドラリオンの特別公演のチケットがあるので購入者がいたら教えて欲しい、という内容でした。
どの辺が特別かというと、ドラリオン公演と一緒にBerryz工房がライブを行うというのです。

・・・家族で唯一メールの底に秘めた内容を読み取れた私は思いました。
この人は送信先を間違ってるんじゃないかと
いいんですか○○さん。こんなとこに正規の値段で募集するより、もっと高値で売れる世界があるんじゃないでしょうか。いやそういうのは良くないからやらないにしても、喉から手が出るほど欲しがってる人がいるのは確実じゃないでしょうか
少なくともうちの親父はBerryz工房知らないですよ。江戸女、Berryz工房って何だ?って聞いてきますよ絶対。
父「江戸女」
そらきた。
父「ドラリオンって何だ?

そこからーーー!!!?;

おい○○さん!!あんた完全に送る相手間違ってるよ!!;

ドラリオンが何か説明を受けた親父は大変乗り気になりました。
面白そうだから家族で行こう。そうだ、親戚も誘おう。そういう流れになりました。
私もドラリオンは見たかったので、敢えて余計なことは言わずにおりました


そして当日。すなわち本日。
いきなり降った雪の影響で弟が来られなくなり、急遽氷雨に連絡を入れました

江戸「氷雨ー。今なにしてる?」
氷雨「雪降ったから引きこもってるよ
江戸「ドラリオンのチケットがあるんだが一緒に行かない?」
氷雨「おー。行く」

持つべきものはフットワークの軽い友です。
集まった親戚と彼女と、そして父母と共に、会場へと向かいました。

会場は、おそらく普段の客層とは違うであろう熱気に包まれていました。
入り口を探す私たちの耳に、係員の声が響きます。
係「チケットをお持ちの方はこちらへどうぞー!」
しかしその脇の看板には、「タッチ会場はこちら」と書かれています。

違う。何かが違う。そっちは確かに入り口のようだが、うちら用の入り口ではない気がする
逡巡する私。察しよく戸惑っている氷雨と親戚一同。そして何の疑問も感じずに突入していく父と母

まてぇぇぇぇぇぇぇうちの親ぁぁぁぁぁぁぁ!!!そっちは違う!!違うって!!夫婦で行くようなところじゃねんだよ!!

が、既に手の届かないところに行ってしまった二人を捨て置くわけにもいかず、仕方なく私たちも後を追います。
前方では係員が叫んでいます。

係「タッチは優しくお願いしまーす!!

やっぱり捨て置きたい。親父、少しは違和感を感じてくれ。ドラリオンにタッチは無い

進んでいくと、キラキラしたアイドルが一列に並び、「イェーイ!」みたいな感じで手を出していました。
つまりその手に端からタッチしていくのが「タッチ会」というわけです。アイドルと触れ合える貴重な機会です。
が、この状況を予想だにしていなかったこちらとしてはどういう顔をしていいのかわからず、ひきつりながら一応タッチ。・・・省みればこれは良くないことでした。アイドルは好きと言われてなんぼの仕事なんですから、引いてる客なんか見たら悲しいでしょう。Berryz工房の皆様、大変失礼いたしました。
しかし、このいただいた生写真をどうすればいいのか私は・・・・いや、もう何も言うまい。

ドラリオンの会場は大きなテントでした。私たちの座席は後方で、前方はそのスジの男性に席巻されていました。うん、やっぱりこのチケットはこういう人向けの物なんだよ。だって今日のこの時間帯、ドラリオンサイトには載ってなかったもの。ある意味黒魔術集会みたいなものなんだよ。ヒャッホーィ。

公演はまず、Berryz工房による注意事項説明から始まりました。
工房「携帯電話の電源はお切り下さいv」
男達『はーい!!』
工房「公演の間はペンライトや鳴り物は使用しないで下さいv」
男達『はーーい!!!』
工房「それでは本日の公演をお楽しみ下さいv」
男達『はーーーーい!!!!!!』

・・・いい客じゃないか。なまじっかな客層より尊守してくれそうだ。
ドラリオン公演が終わった後にBerryz工房のライブがあるということだが・・・いかん、何か楽しみになってきた。

さて、舞台が始まりました。
導入は三人の道化師による芝居。客席との絡み合いです。
アイドルに「お楽しみ下さいv」と言われた為でしょうか、道化師が「ホーゥ!」と呼びかけたら「ホォォォォーゥ!!!!」と返す熱い客席。会場は何だかノリノリです。
そうこうしているうち、前列の席から青い服の男性が一人、舞台に引っ張り上げられました。ずーだらな服に丸まった背中、360度どこから見てもアイドル命と書き込まれていそうな彼は、道化士達に言われて諸注意を読み上げます。
が、鼻をつままれたり横から飛び掛られたりくすぐられたりしてロクに読めません。彼の素人素人した所作に大いに沸いた会場が、そろそろ許してやったらどうかと思い始めた頃、ようやく読み終わりました。
とたんに奥に引っ込み始める道化師達。舞台に放置される男性
混乱し席に戻っていいのかと問う彼に、対する道化師の答えは注意事項の紙返せと幕の向こうから手を伸ばすことでした。
男性は慌てて紙を返すべく差し出す・・・・と、そのまま手首をひっつかまれ、一瞬にして舞台裏に引きずり込まれていきました
直後、ダーン!!!という効果音と共に暗転、光が舞い散って始まるドラリオン。

この導入部分が、犠牲になった男性には大変申し訳ないですが、人が悪夢に引き込まれていく瞬間を見るようでとても印象的でした。さっきまで散々ふざけていた道化師がふいに恐い存在のように思えました。

ドラリオンは中国雑技団と西洋芸術の融合だそうで、内容はアクロバットなサーカスというより人間の体の極限に迫る芸が中心です。
例えば最初は女性が支柱の上で片手一本で立ちながら様々な形でバランスを取るというものでしたが、このシンプルな芸が非常に美しい。上の絵は彼女がしてくれたポーズのほんの一部です。静かにゆっくりと足の位置を変え、変化しながら絶妙なバランスでそこに存在し続ける。
また、続くジャグリングも、くるくる回るボールに人の体が絡んで、ボールと人体が一緒に戯れあっているような不思議なものでした。
エアリアル、トランポリン、空中ブランコ、輪くぐり、どれも本当に一瞬一瞬の人の体が美しかったです。技ができて「すごい!」というのはもちろんなのですが、それ以上に重力を感じさせないあの人体のバランスがドラリオンの最大の魅力でした。
一番不思議感があったのはトランポリン。高い壁の上から飛び降りて、跳ね返って、また空中を歩くみたいにして壁の上に戻るんです。このビデオの逆再生を見ているような感じがとても奇妙でした。
でもって一番引きつけられたのは玉乗り。大きな球の上で側転したり宙返りしたり、ただ歩くだけでも足が吸い付いているようで、世界の上で踊る小人を見たと思いました。
トリックの無い無重力手品みたいでしたよ。本当に。

で、そうしたメインの出し物の間に道化師達の狂言回しが入るんですけども、その度に青い服の男性は客席から引っ張り出されていました。
靴を取り上げられたり、前屈できないのを馬鹿にされたり、ちょっとやりすぎなくらい道化師達から可愛がられまくっていました。その様子があんまりおかしいので申し訳ないけれども客席は彼が出るたび大爆笑の渦でした。素人ほど面白いものは無い。。。
しかし、「膝をついて、体を前に倒して、頭伏せて、腕もまっすぐ前にのばして」と指示されるがままやって、着ていたセーターをものの見事にすっぽ脱がされた彼は、舞台にも慣れたのか、ついに逆襲に出ました。
半裸のままダッシュで舞台中央へ突っ走り、そこに置いてあった道化師のコートを強奪
慌てて飛んできた道化師を蹴り倒し、自分で着込んでしまいます

すごいよあんた・・・;

こうなっては道化師も後には引けません。男性のセーターを着ます
男性としては、コートを人質に自分のセーターを返して欲しかったところでしょう。しかし相手はプロの道化師。ふざけきったまま彼に飛びついたり絡みついたり、お前なんか俺にとっちゃ棒と同じよぐらいの勢いで、およそ常人とは思えないアクロバットを披露します。男性もよく支えてます。えらいよあんた・・・

・・・と思ったら。

彼はいきなりコートを脱ぎ、舞台に叩きつけました
・・・・っておい・・・・・

男性「ふざけんなああああああっ!!!!」

切れたよ。切れちゃったよ。どうすんのこれちょっと。やりすぎたんだよ。やっぱやりすぎたんだよ。
びびる会場。あっけにとられる客一同。
舞台の上でにらみ合う男性と道化師。
そして。

いきなり揃って踊りだす二人!

男性の動きのキレが明らかに先ほどと違います。っていうか完全にプロのそれです。

こいつ関係者だったのか・・・!!!

客席が呆然とする前で、彼と道化師は服をまとめるなりあっというまに舞台裏に駆け去って行ったのでした。

・・・完全に騙されたよ・・・だってあれだもの、どっからどう見てもアイドルオタク以外の何物でもなかったもの。演技力過ごすぎるだろ彼

ドラリオンの最後は大縄でした。
縦横無尽に回転する縄に飛び込んでいく人の姿はやはり美しいものでした。
そして最後に全員が登場してフィナーレ。割れんばかりの拍手が会場を覆い、公演は終了したのでした。


・・・・さて。
会場が明るくなりますと、一般のお客さんはちらほらと帰り始めました。
一方で、おもむろに上着を脱ぎ始めるそのスジの客達。彼らの上着の下からは、Berryz工房のTシャツが現れます。客席のそこかしこから、雄叫びのようなものも聞こえ始めています
この後の展開に興味津々の私。同じくわくわくしてるらしい氷雨。付き合いきれないと一足先に帰る母と祖母。確かにそれが正解かもしれません・・・しかし。私の第六感は告げていました。ある意味ここからが本当のショータイムだと

一般客が出払った頃を見計らって、場内の照明が再び暗くなりました。
客席はいつのまにか一面のペンライト。提灯。なんか他の光るやつ。
一体どこに仕込んでいたんだろう・・・そんな疑問を持つ間もなく、ステージにアイドルの姿が現れます。

とたんに歓声を上げて立ち上がる男達!!

前が見えなくなったので私と氷雨と親父も立ち上がりました。
親戚一家はここで棄権しました

工房「みなさーん!今日は楽しんでいただけましたでしょうかー!」

うおおおおおおおおおっっっ!!!!!

凄まじい轟きがテントを揺るがします。

工房「ここから先は、ペンライト・鳴り物、どうぞご自由にお使い下さい!」

うおおおおおおおおおっっっ!!!!!

解禁されたよ・・・どうなるんだこの会場・・・・

工房「それでは聞いてくださいv『つきあってるのに片思い』!」

ダダン!!♪

客『ホォォォォウ!!!』

イェイイェイイェイイェイイェーイ!!!!!

なだれをうつペンライト。

鳴動する空気。


揺れるテント。

いや比喩じゃなくて本当に揺れてた。壊れる!ドラリオンが崩壊する!;
ひいいいいいいい!!ごめん!めちゃくちゃ楽しい!!!

・・・・Berryz工房は3曲歌ってくれましたが、とにかくもう物凄かったですね、客席が。ぶっちゃけ、迫力だけならドラリオンよりありました。そりゃもう格段に。
生ヲタ芸を見ちゃったよ。目の前で踊ってた!
私は決して嫌いじゃないですアイドルオタク。いいじゃないか、熱いよ。何の見返りも求めずあれだけ熱くなれるのはある意味純愛だよ。
このド迫力の風景に、氷雨と一緒に大喜びしていました。

いやぁ・・・楽しい一日でした。
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