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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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一つの考え方なんですが。

日大選手の会見を見ていて私が思ったのは、監督とコーチは「相手の選手を負傷させたい」ためにタックルをさせたわけではなかったのかなと。
彼らがやりたかったのは、「宮川選手に悪質な反則をさせる」こと自体だったのではと思ったのです。

宮川選手は日本代表に選出されるような優秀な選手でしたが、アメフトに対するモチベーションが落ちていました。これは会見での言葉の端から、内田監督の指導についていけなかった事が原因だと推察されます。

日大アメフト部は、2016年~2017年の間に19名の退部者を出しています。
内田監督が再任したのは2017年なので、全てが監督のせいかどうかはわかりません。ただ、当時はチームの成績も悪かった(だからこそ内田監督が再任した)ようなので、少なくとも部の雰囲気が良いとは言えない状況だったと、これも推察します。

再任後の内田監督はスパルタ指導で短期間のうちに部を甲子園ボウル優勝に導きます。
この「短期間のうちに」というのが問題で、おそらく彼の指導は部にとってカンフル剤的な役目は果たしたのでしょうが、長期的に培われた滋養のあるやり方ではありませんでした。
しかし、それで最高の結果が出てしまった。
内田監督はこれが正しいやり方だと思いこみ、自分が優れた指導者であると錯覚した可能性があります。

一方、宮川選手のモチベーションは上がりません。
内田監督にとってそれが困る理由は3つあります。
まず、自分の指導方法が間違っているとは思いたくない。
次に、これ以上退部者を出してアメフト部の評判を落としたくない。
そして、主力選手の退部による戦力ダウンもさせたくない。
19人の退部が監督にとってどれくらいのショックだったかはわからないのですが、仮にこれが仮にプライドを著しく傷つけていた場合、甲子園ボウルでの優勝は自尊心を持ち直し、自己改革しないですむ口実になっていたと考えられます。
王座からの陥落や試合に負けると言う事は、彼にとっては結果以上に痛いことだったと思います。

井上コーチには、また別の事情が考えられます。
内田監督は日大アメフト部の成績低迷を受けて再任しています。チームは監督を変えるという手段は打ったのですから、それでも成績が振るわなければ次はコーチ人事に影響します。大量退部が2016年から起こったのであれば、その責任は2017年に再任した監督よりコーチにあったとも考えられます。
さらに、彼にとって宮川選手は高校時代から導いてきた自慢の教え子であり、「ほとんど話したことのない」内田監督よりもに宮川選手に対する執着は強かったろうと思います。

彼らは宮川選手のモチベーションをあげるため、まずは罰を与えます。試合から外しました。
そんなことされたら普通はモチベーション下がるんだということを彼らはわかっていない。宮川選手がなにくそ!と奮起する事を期待したのでしょう。しかしそうはならなかった。

自分達の指導が悪いはずがないと考える監督とコーチは、原因を他に求めます。
彼らが至った結論は、あくまで推測ですが、「宮川はU-19等の代表に参加したから他の大学の選手と仲良くなって、闘志がなくなった」というものだったのではないでしょうか。
あるいは、選手が代表チームの指導者をリスペクトしており、自分達の影響力が及ばなくなっていると感じたのかもしれません。

代表に参加させるとあいつは弱くなる。自分たちの言う事もきかない。
だから日本代表を辞退させます。

さらにそれだけでは足りず、他校の選手は敵だと刷り込もうとします。
その結果が「QBを潰せ」という指示につながります。
彼らは宮川選手に対する自分たちの影響力を実証し満足したかった。だから、普通ではないレベルの指示をし、それをやらせようとしたのではないでしょうか。
宮川選手がいかに自分たちの指示通りに反則するか、そのことに目がくらんでいるので、タックルの悪質さや外からどう見えるかは一切気がつきません。ただ、必死にそれをやらせようとし、実行した後は喜んで褒めるだけです。

試合後は罪悪感にさいなまれる宮川選手に対し、「関学大との試合がなくなっても構わない」「相手のQBが怪我をしていたら秋の試合で得だろう」など、お前も俺達と同じように考えればいいんだよと促します。
ついでに、「何か聞かれたら俺に言われたと言えばいい」と口先だけ格好をつけて見せる事で、自分こそが頼りがいのある味方なのだと思いこませようとしました。

彼らが当初問題を軽く扱っていたのは、彼らにとってはこの件はあくまで「宮川選手と自分たちの問題」であり、他人がどう思うかなど想像もしてなかった為です。

もし監督やコーチが本当に「相手の選手の破壊」を目的としていたら、他人の目をもう少し気にしていたと思います。
また、トップクラスの選手を使う事も無く、もっと未熟な選手を使い、なんとでも言い訳が立つようにしたと思います。
彼らは「宮川選手に」やらせたかったんです。

その結果、関学大に「あの宮川君がこんなことをするわけない」と異常を悟られたのは、皮肉というかマヌケと言うか。
本当に、周りが見えなくなるほど支配すること自体に酔っていたんだろうなあと思います。

彼らが「誤解だ」と言うのは理解します。彼らは「相手選手に危害を加える」意図でなく、あくまで指導として行った。それはそうです。
しかし、その指導の目的は、相手選手に危害を加えることよりもさらに悪い。

支配すること自体が目的になった人間が上にいる。これは何の益も無いどころか、時として箍の外れたような陰惨な事件を起こす構図です。

私は、昨日の会見を見て以上のように感じました。

大学は真剣に問題と向き合うべきだと思います。
また、自分の愚かさをいい加減自覚した方がいい。
「指導と選手の受け取り方に乖離があったというのが本質だと認識している」「聞き取りがまだ終わっていない」この二文を一つの回答の中で発表しておかしいと思わない人間は、物事の対処に当たれるレベルに達していません。
本件の初期に出された中間回答ですが、「聞き取りが終わって無いのに本質を認識している異常性」は、まともな人間なら読んだ瞬間気づきます。
あの時は何言ってんだろうと思いましたが、まさかそのスタンスのまま変わらず今に至るとは。

昨日の記者会見後に広報が発表した文も、目を覆いたくなるほど酷いです。
何が「気持ちを察するに、心痛む思い」ですか。馬鹿もいい加減にしろといいたい。
彼らがすべきは学生に代わって頭を下げることです。なのになぜ彼らは学生の会見の感想なんか言ってるんですか。他人事みたいに「申し訳ない」って、その言葉に何の意味がありますか。
挙句のはて、学生の言葉から都合の良い部分だけピックアップして「自分の主張は間違っていませんでした」ということの証明に使おうとする。愚劣にもほどがあります。
いつになったら物事の本質を理解するのか。

どうしようもないですね。こんなに馬鹿な組織、見たこと無いです。
少しは恥を知って欲しいです。本当に。


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