サトリの法の奥深さよ。
考えれば考えるほど、これは面白い技ですよ。
漠然としたイメージで、心の声が聞こえるものだと思っていたんですが、読み直すと「読む」って言ってるから聞こえるわけではなさそうで。
聴覚じゃなくて視覚が物を言う技なのかなと思いました。
また、興味深いのは原作で魔鈴を逆さに吊った後のアステリオンのこの台詞。
「以前うわさできいたことがある。日本人でありながら、魔鈴がおさない頃ギリシアまできたわけは(後略)」
読めよ。と思うじゃないですか。
お前さっきまで5ページもかけてサトリの法やってたのに噂で聞いたってなんだよと。
つまり、サトリの法は今この瞬間の考えを読むだけで、記憶まで引き出して読むようなものではないと。そういうことなのか?
そうすると、魔鈴は心を無にすることでアステリオンに勝ちましたが、もしかして浜辺に一冊エロ本置いて雑念で心を満たしたら、割と同じくらい勝てるんじゃないかとも思うわけです。
さらに、遡って青銅4人と誤認したまま暗黒聖闘士たちの墓を並べたシーン。
「富士からテレポーティションしたのはこの四人だけ」という魔鈴に、ミスティが「フッ、どうかな」と返します。
この時真っ先に「なに!?」と驚いているのが他でもないアステリオンなので、彼はたぶん、普段はやたら心読んだりする人では無いんだろうという気がしました。
サトリの法というのは、要するに相手を物凄く観察して心を推察する、メンタリズムのすんごい奴みたいな感じなんではないでしょうか。
人の心が勝手に見えるというものでもなく、自分がその気にならないとそれほど読めないみたいな。
ということで、サトリの法とはいっても、信頼関係さえあればその使い手とは警戒せずにつきあえるのでしょうし、事実つきあってきたのが魔鈴なのかなと思います。
(次回に続く)
さあアステリオン語りだ。
彼は今作で白銀聖闘士のマイベストに永遠に決定したと思います。
しかしそもそもは、牛の話をまず書き始めたんですね。今までほんと、うちのサイトで出番少なかったからね牛。
それに、ホテルの神父やるなら牛かなって思ったし。
そしたらですね、ホテルにアルデバランが到着したあたりで気づいたんですよ、ああこの話持たないなって。牛は自ら迫力あるボケをかましていくタイプではなかった。一般人と絡ませたら牛まで一般人になって終わる。そんな気が猛烈にした。
それでもう一人誰かいないかなあと思って、丁度今アルデバランをパスして連れてくホテルマン、こいつが誰かだったらなあと思って、アルデバランと面識無い奴だよねえと思って、振り向いたらアステリオンだったと。
そういうわけです。
白銀聖闘士、書こう書こう思ってどう扱っていいか掴めず今まで書けなかったのが、こんなにさらっと登場してくるとは・・・
アステリオンと言えばサトリの法ですよね。
でも、逆に言うと、それ以外の記憶があんまり無かったんですよね。まじすまん。
文庫でアステリオンのシーンを読み返しました。
すぐに思いました。
人の心を読むというヘビーな技を持つ割に随分しゃべる奴だなお前と。
仕方ない!仕方ないけど!それまで解説してたムウが直前に帰っちゃって、魔鈴の説明とモーゼスのナビを一人でやらなきゃ行けなかったから仕方ないけど!
でも、普通漫画のキャラで心読める奴ったら、もうちょっと自重しませんかね。
少なくともあんなでかい声では喋るまい。
いや、でもほんとにそうか?
漫画の世界はともかく、現実を想像してみよう、16歳で他人の心が読めたら超しゃべるわ。確かに。
聖闘士星矢ってこういうところがリアルよ。
しかし。しかし!
私はやっぱり聖闘士には信念があると思いたい。ただの高一男子ではない。
しゃべるからには彼なりの矜持があってしゃべっているに違いない。
よく考えろ。個々の聖闘士は己の能力を最大限操れるはずではないか。
もし「読める」という能力を最大限使おうと思ったら、やっぱり「しゃべる」を抜かすわけにはいかない。取得した情報も、使わなければ意味が無い。
問題はいつ、誰に、それをしゃべるかだ。
その一点が聖闘士と凡人を分けるのだ。たぶん。
アテナの聖闘士なんだから本来はアテナに喋るはずの能力だったはず・・・だが。
16歳のアステリオン。13年前は3歳。たぶんまだ聖闘士になって無い。
ということは、おそらく彼は、サガしか知らない。
・・・闇が見えた気がした。
同時に、牛話でさらっと出て来たのも、なんかわかった気がしました。
他の黄金聖闘士だったら、出てこなかったんだろうな。と。
そしてどんどん、アステリオンの世界にはまって行ったわけです。
(次回へ続く)
楽しんでいただけているコメントがとても嬉しく、何より、良かった今でも笑ってもらえてと安堵しております。
・・・ギャグはね。怖いよねそれ。
でもとにかく思うのは、やっぱ聖闘士星矢は凄いわ。
なんでしょうね、ぜんっぜん辻褄合わせる気が無さそうに見えて合わせようと思ったら合うのが凄えよ。
普通合いませんよ、合わせる気も無く頭の中で考えたって。偉大な作家は大宇宙からの電波を受けてる説はマジかもしれん。
コメントで、フォント変え無しのPixiv版と有りのサイト版を両方読まれた方に、Pixiv版の方がシリアス度が増して感じられる、と感想をいただきました。
わかる。
私も、シリアスパートはPixiv版の方がより迫る気がする。そして、やはりギャグパートはサイト版の方が面白いんじゃないかと思う。視覚効果は強いですね。
今回はサイト版で1、2個読点増やしたぐらいしか文章自体に違いは無いのですが、もっとドッタンバッタンなコメディを書くときは、Pixiv版とサイト版で文章ちょっと変えるかもしれません。
よし。次の書くぞー。
そして明日から語ります。
新作の主役はアルデバランです。牛です。いいですか、牛ですよ、絶対牛ですよ。
よろしく。