彼は、「ジェフの演技は完璧だった」と言った上で、「でも四回転を跳んでいないのは残念だ」といい、「今の採点方法では四回転に対してつける点数が低すぎると思う」と言っているそうで、要するに彼はもっと四回転ジャンプを評価する採点基準を作って欲しいと言いたかったようです。
それは、自分を評価してほしいっていうことより、彼がフィギュアスケートの四回転ジャンプをこの上なく大切に考えているからなんでしょう。
彼の世界王者のイメージはたぶんヤグディンであり、四回転が跳べて、表現力があって、そういう人にこそ世界王者になって欲しいという気持ちがものすごくあるんだと思う。いや、皆本当はそう思ってるさ。
ブライアンはジェフが世界王者に相応しくないといいたかったんじゃなくて、ジェフにも四回転跳んでもらいたかったんですね単純に。そしてスケーター達の高みへの挑戦を阻んでいるのが現行の採点方式だと言いたかった、だがその微妙なところが母国語フランス語の彼の英語では伝えきれなかった、それだけのことだったんですよ。ほんとにもう色んな意味で表現力が課題の選手だなあんた。
彼は自分の意見を率直に言っただけでした。場所だって相応しくないとは思いませんよ。負けて悔しかった戦いの感想を聞かれたから自分を偽らず思ったことをきちんと答えた、それがブライアン・ジュベールなわけですよ。
しかしその直後に記者がジェフに対して「何か言い返すことはありますか?」なんつー質問をしたからブライアンの発言が中傷だったってことになっちゃったんですよ。マスコミィィィィィィィィィィ!!!!!!
これ、一番びっくりしてたのはもしかしてブライアンだったんじゃないのか!?
「俺別にバトルが悪かったとは言ってない!」とか実は心で反論してたんじゃあないのか!?でも彼は自分で認めてるほどのシャイ野郎なんで、マイクが遠ざかったらきっともう何もいえなくなったんだね・・・・ブライアン・・・・・生きにくい子だよ本当に・・・・・
ところがですね、マスコミがブライアンの言葉を大いに誤解して問題発言にしようとした時、正しく彼の言いたいことを受け止めた人間が少なくとも一人はいたんです。
なのでその理解した人間、すなわち、何か言い返すことはと聞かれた当のジェフリー・バトル本人はきっぱり答えました。
言い返しはしません、と。
ブライアンには自分の意見を言う権利があります、と。
彼はきっとフィギュアスケートのスポーツとしての側面を魅力に感じているからそう言ったんです、と。
もうほとんど心の通訳してる状態ですね、ブライアンの。
そして続けて、「ただ僕はフィギュアスケートのエレメンツよりプログラムに魅力を感じる、だからそれを表現したいし、表現できたことを誇りに思う。4分40秒に起こることの全てがフィギュアスケートです」と答えたそうです。
現場にいた記者達から拍手が沸いたそうで・・・・なんていうか、四回転とか表現とかいうのと別の次元で、ジェフリー・バトルは世界王者に相応しい品格を持った人ですよ。彼が世界中のフィギュアファンから愛されてる理由がよくわかりますよ。
でもって彼が人格者で素晴らしいスピーチをしたが故に、ブライアンの分がますます悪くなったんでしょうね。
本当に・・・・フランス人て世界一可愛い人種なんじゃないかと思うときがある・・・・
もう、これはあれだ。無理だ。誰か一人応援するなんて無理無理。
皆頑張って欲しい。ジェフの美しいプログラムも見たいし、ブライアンの完成された四回転も見たいし、もう幻になってしまうランビエールのフラメンコがそれでもいつか完成しないかと思ってしまうし、高橋には2年後もヒップホップやって欲しいと思ってしまう。それが好きというものですよ。
あああああバンクーバー五輪楽しみ!
今戦っている選手達が全員怪我無く病気無くカナダのリンクに立ってくれることを願っています。
ようやっと四大陸選手権の伝説に残る高橋選手の演技を見ることができました。
そして思いました。
お前なんで世界王者になれなかったーーーーー!!!!?;
どうしてだよ!!!どうして世界選手権・・・・どうしてええええええ!?!?!?
四大陸でここまで完璧に滑れたのに、こ、ここまで凄まじい点数叩き出してぶっちぎり優勝したっつーのに、どうして世界選手権であんなに崩れたああああああ!!!!!?;;
本当に跳べてんじゃないか四回転2回!!しかもコンビネーションで!!!!相変わらずステップは物凄いしスピンだって綺麗だよ!!なんで!?どうして!?なぜえええええ!?;
もう世界選手権会場に何かが巣食ってたとしか思えないです。神様がジェフ優勝させたくて何かしたとしか。そうじゃないと理屈に合わない。
おいおいおいおい、バンクーバーで金メダル取るの本当に日本かも知れないよこれ!;
毎回オリンピックの時って必ず、世界中が優勝を望む特別な選手っていると思うんです。
この選手こそが優勝して当然だっていう選手には、やっぱり国境に関係なく皆が勝って欲しいんですよね。
スピードスケートのダン・ジャンセンなんか、皆何年待ったと思ってんだ。彼が最後の最後で金取った時には世界中が喜んだっつーか安心したんだ。この世に神はまだいたと。
フィギュアスケートだと、ストイコやヤグディン、プルシェンコ。そして誰よりスルツカヤ。
取れた選手もいるし、そうでなかった選手もいます。場所がソルトレークでさえなければとか、不思議とオリンピックに愛されない選手もいます。
自国の選手の事だといまいち実感みたいなものが沸いて来ないんですが、もしかして高橋大輔という人も世界中が勝利を望む特別な選手になっているのかも知れない。あとはもうオリンピックに微笑んでもらえるかどうかという世界の人なのでは。
・・・っていうか、私の周りの日本国民(特に母)はフィギュアというと真央ちゃんの話しかしないですが、いや高橋がすげええええええから!!!特に今期SP「ヒップホップ白鳥の湖」ってタイトルはギャグみたいだけど、これ傑作だから!!!!ヤグディンのWinter以来の傑作って本当だから!!!!アップテンポの曲でここまで完璧に踊った奴初めて見たわ!!そして私はつい今しがた、ジャパンオープンのチケット予約しました!!
わーい、初生フィギュア!楽しみ!楽しみ!
私は元来、料理関係の番組が好きではなく(だって見てるだけで食べらんないからね)、あれをまともに見たのはわずかに数回だけだったと思います。
で、その数回のうちで最も印象に残っているのが、番組史上唯一の「鉄人・挑戦者とも不出来のため再試合」という結果の回です。
はっきり覚えてますよ。テーマ食材はジャガイモでした。
審査員が皆、食べながらすごく不満そうでね。
しかし私がこの回をはっきり覚えているのは別に微妙な空気につつまれた会場の様子のせいではなく、鉄人と挑戦者の料理がどちらも不出来だったということについて母が次のように言ったからでした。
「あたりまえじゃないの、イモなんてフルコースにするようなもんじゃないわ」
・・・・確かにさ、確かに冷静に考えて全皿イモ入ってたら喉につまりそうだけど、でもなにもそんなに突き放さないでも。
とにかくこのイモの回の結末は母の冷めた一言と共に私の心に刻まれています。
世界選手権の話からどうしてイモの記憶が蘇ってしまったのかは謎です。
しつこくジェフリー・バトルの魅力を語ります。
演技の美しさはもう語るだけ語りましたが、その美しさの最大のポイントは音楽との相性の良さです。
相性がいいって言うか、彼が音楽ですというぐらいにはまる。
音楽の内容に合わせて舞台的な演出をしたり、音楽を背景に美しく滑る選手は数多くいますけども、あんな風に音に乗ってしまう選手は彼以外にちょっと見たことが無い。
彼の場合はステップどころか、ジャンプや、ジャンプまでの助走すら全て音に乗っています。滑走の音すら楽器の一つじゃないかっていうほど綺麗なんです。
そして何でそんな綺麗なのかって言うと、それはたぶん心が綺麗だからじゃないのだろうか。
ネット見てたら出てくるわ出てくるわ、彼のいい人すぎる発言の数々。
彼はトリノで銅メダル取る前に世界選手権で銀メダル取ってますが、そのトリノ五輪の感想が、
「プルシェンコがいなかった世界選手権の銀メダルよりも、彼がいるオリンピックの銅メダルの方がずっと嬉しいよ!」
であり、遡って2003年のNHK杯だったかでは優勝もしていますが、その大会では日本の本田選手が怪我で出場できなかったので、ホンダ欠場をどう思うかと聞かれて答えた彼の言葉が、
「たとえ僕が2位になってしまったとしても、本田君と一緒に出られたほうが嬉しかったよ」
であり、今回の世界選手権直後の記者会見で、ジュベールの「世界王者が四回転に挑戦しないのは残念だった」というバトル本人を前にしての爆弾発言に、続いてコメントを求められた彼の答えが、
「僕はジャンプ、スピン、ステップ、スケーティング、全てが総合されたものがフィギュアスケートだと思います。僕がスケートを始めたのはカート・ブラウニングやブライアン・オーサーの演技を見たからだし、僕が彼らを忘れることも無い。人が彼らを思い出すとき、どんなエレメンツをしたかで思い出すのではないでしょう?どんなプログラムを滑ったかを思い出すのでしょう?」
であり、さらに後日の雑誌インタビューでジュベールの発言を負け惜しみと思うかと聞かれて答えたのが、
「彼はがっかりしてたんだと思う。言い返したりはしないし、個人的なことだとも受け取らないよ。だってジュベールは僕には跳べないジャンプを跳んだんだ。でも他にも11個のジャンプがあって、それについては僕の方がたまたま高い点を出したんだよ」
であり、これらの彼の発言から私が思うのは、要するにバトルのこの性格の良さが四回転を跳べない最大の理由なんじゃないかということだ。
「うるせえよこのジャンプバカのフランス野郎が!!」 ぐらいのことが言える人であれば、四回転でも何でももっと早く跳べたんじゃなかろうか。
ジュベールはこの通りのキカンボウだし、ヤグディンだってプルシェンコだって凄まじい負けず嫌いだったじゃないか。
ジェフ、あなたももうちょっとこう、なんていうか、なんかしたらどうだろう、空手とか。
そりゃ確かに、顔が良くて性格が良くて頭が良くて(トロント大学生)英語とフランス語のバイリンガルで世界王者で少なくとも休日にパパと数独の早解き競争をする程度には家庭にも恵まれているという状況だったら、ファイティングスピリットなんかどこからも沸いてこないだろうとは思うけどさ。
カナダって良い国なんだろうなあ・・・・
彼の優勝で四回転論争がまた巻き起こったらしいですね。フィギュアスケートで大切なのは芸術か?ジャンプか?という。
まあとどのつまり、両方持ってる高橋選手が優勝すれば誰も文句はねえということです。
頑張れ日本。
スケートのフィギュア、と口に出すと誰もが皆、「ああ、真央ちゃん?」と返してくる。
男子フィギュア!!!男子フィギュアだっつーの!!!
うちの母に至っては「世界フィギュアの男子なんか、全員ボロボロだったじゃないの」とのたもうた。
ジェフは完璧だったっつーの!!!
つかボロボロとか言わないで!?あいつらはあいつらなりに色々あんだよ!女の子よりも傷つきやすいガラスのハートの20代なの!
それにしてもジェフリー・バトル。なんて可愛い選手だろうと見るたびに思う。
「好感度の高い国・カナダ」の権化というか何と言うか・・・・あの笑顔といいあの音楽と一体になった滑りといい、「僕はスケートが大好きなんだよ」っていうのがひしひしと伝わってきて、見てるこっちが幸せになるわ。
ジャンプがなくても彼がくるくるとステップを踏んでいるだけで十分見惚れちまいますよ。
カナダのフィギュアスケーターといえば、世界で初めて4回転のコンビネーションジャンプを成功させ、空中戦時代を切り開いた「ミスター四回転」ことエルビス・ストイコですが、二十歳そこそこにしてどっからどう見てもおっさんにしか見えなかったあのストイコ、フィギュア選手でありながら空手の有段者で絶望的にフリルが似合わなかったあのストイコの次に輩出されたのがこのバトルだと思うと、私はどうにもナイアガラの神秘を感じずにはいられないのです。
両極端過ぎなんだカナダ。もうちょい配分というものを考えたらどうなんだカナダ。ストイコは本当に、冬というよりむしろ夏の大会で砲丸を投げてそうな感じの男だったんだ。
一方、ジェフに敗れたフランスのブライアン・ジュベールですが。
こいつもほんと別の意味で可愛くて仕方ない。
記者会見で「バトルは四回転に挑戦しなかった。ずるい!」って言っちゃったそうで、自分も力を抑えた演技をしたのにそういうのを言っちゃうところが他選手のファンにウケの悪い人なんですが、でも彼は性格が悪いわけではないんですよ、ただ誰よりもフィギュアに対してクソ真面目なだけなんだと思います。
四回転だってちゃんとやんなきゃだめだと思います!みたいな。プライド高いけど不機嫌なのはダダ漏れます!みたいな。
一生懸命真面目に真面目に四回転練習してきたからこそ「ずるい!」となっちゃうんでしょうね。負けん気強いしね、イメージそのままのパリっ子って感じです、ほんと可愛い。
フランスのフィギュアスケーターといえば、甘いマスクに縮れた長髪、スケーティングよりも役者的なしぐさの一つ一つで観客を魅了し、特に日本女性にモテにモテて日本での演技終了後は花束の嵐、他国の選手をして「どうしてあいつは日本であんなモテんだよ!?」と伊藤みどりに詰め寄らせしめた伝説を持つ男・フィリップ・キャンデロロが有名ですが、3回転ジャンプ直前でも投げキッスをかましていたあのキャンデロロ、エキシビに至っては観客席に乱入して女性客に投げないキスをしていたあのキャンデロロ、おそらくはそうした細かいサービスのせいで後半疲労し最後のジャンプは大概失敗していたキャンデロロ、でもジャンプより衣装と演出で女の子がきゃあきゃあ言ってくれる方が大事だからという勢いで滑っていたあのキャンデロロの次に輩出されたのがこのブライアンだと思うと、私はエッフェル塔の毒電波を感じずにはいられないわけです。
両極端すぎるんだよフランス!せめてフィリップの100分の1でもいいからあの処世術をブライアンにも分けてやればいいだろうが!フランス人って何!?真面目なの!?ナンパなの!?・・・と思ったら、フランス人はフランス人でもキャンデロロはイタリア系フランス人でしたか、そうでしたか、超納得。半分イタリアンなだけでああなるんだなあ・・・
まあ、そんなこんなでね。
フィギュア男子は面白いですよ、ほんとキャラ濃くて。