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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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見てきましたレ・ミゼラブル映画版!
みなさん、これはマジお勧めです!ミュージカルのファンほどお勧めです!
以下、ミュージカルを既に見て映画どうしようか迷ってる方向けに感想。どんな感じだったかを役別に。
ネタバレもありますが、基本的にミュージカルをほぼ忠実に踏んでいるので、ダメージは無いと思います。

1、ジャン・バルジャンについて。
もう、この役はあれでしょう、24601号はこの役者でなければ嫌だ、という方が多いでしょう。
しかし、映画版のヒュー・ジャックマンは非常に良かったです。見事でした。
ミュージカルの役者と比較するのは、「影武者」の信玄が仲代達矢だったことについて嘆くのと同じで、言ってもしょうがないし勝新さえ存在してなかったら仲代達矢で何の問題もなかったはずなのにというレベルの話なので、するだけ詮無き事かと思います。
また、監督が「人間」に重点を置いて撮りたかったのか、引きのシーンが見たけりゃミュージカルに行けぐらいの開き直りでほぼ顔面アップしか映して無いため、舞台役者のように全身ではなく、ともかく顔で演技が出来る人でなければ成り立たない構成となっています。
ヒュー・ジャックマンは素晴らしかったです。

2、ファンテーヌ
アン・ハサウェイ。素晴らしかった!本当に!
これは、容姿はおそらくミュージカルとイメージ全然違うと思います。ただ、それでも、このファンテーヌは素晴らしいと思う。
「夢やぶれて」の歌い方は映画でしかできないですね。こんなはずでは無かった惨めな人生に、嗚咽をこらえきれないまま歌うファンテーヌには、胸が締め付けられました。
泣きながら歌う、と書くと陳腐に見えて嫌なのですが、このシーンはぜひ見て欲しいです。凄かった。

3、ジャベール
ラッセル・苦労。自然にでてきた誤変換が、まるで誤変換では無いかのようだ。
この人はね、もう舞台のイメージ通りだと思います。うん、ほんと、かなり理想のジャベールと言って良い。憎たらしいけど憎めない。最期はやっぱり、ぐっと来ますね。
ただ、そこまで高いところから飛ばなくても良いのではないか、とは一瞬思った。
絵としては理想的な最期でしたが。
ちょっと高い・・・けど低くても絵にならないから、よし!

4、コゼット
まず、ロリコゼットですが。めちゃくちゃ可愛い。しかもあのレミゼのポスター絵から抜け出してきたのかというほどそのまんまだ。ポスターをオマージュしているカットが絶妙に差し込まれていて、はっとします。ファンには嬉しい細工です。
成長したコゼットは美しいです。アマンダ・セイフライド。後述しますがエポニーヌが魅力を押さえ気味に仕上がっているせいもあり、マリウスが彼女に惚れることが舞台よりリアリティを持っています。

5、エポニーヌ
ここですね。ジャン・バルジャン以上にファンのイメージが固まってる役だと思いますが、はっきり言えば、エポニーヌ自体の魅力は舞台の方が上です。
髪型、服装などは忠実にミュージカルに沿っています。歌唱力も問題無いし、魅力もある。
ただ、いかんせんミュージカルではこの役がファンテーヌと並ぶ双璧ヒロインなので、舞台の方がもっと歌唱力もあるし魅力もある、と思ってしまいます。
しかし、コゼットとのバランスを考えると、映画ではこの人は抑えめにせざるを得ないと思います。
舞台見てから私はずっと思っていたよ、なんでマリウスはこの子に見向きもせずコゼットに走ったのかとな。舞台のコゼットが空気気味なだけにな。
映画ではそこの匙加減が絶妙です。非常に健気でマリウスに一途であるところは変わらず、ただやっぱりマリウスの身としてはコゼットを好きになるだろう、というバランスがリアルです。

6、マリウス
そしてここでこいつについて語りたい。
みなさん、私は断言します、マリウスは舞台より映画の方がものすごく良い
演技力とかそういう問題じゃない、キャスティングが絶妙過ぎる。
舞台見てから私はずっと思っていたよ、なんでエポニーヌもコゼットもこいつに走ったのかとな。しかしその謎がついに解けた。
なんかね・・・・好きになるよ。ほっとけない。若さとかっこよさと頼りなさと可愛さと無鉄砲さがあいまって、なんか好きになっちゃう。けど好きになっちゃうとはまってしまって抜け出せず、危なっかしくて心配してやらずにいられない。その結果彼をかばって銃弾に倒れる、ということになるんだと思います。ならざるを得ないわ。エポニーヌ・・・好きになっちゃったんだね。わかるよ、初めてあんたの気持ちがよくわかったよ。
しかもなんか、元気だけど根がお坊ちゃんなんで相手の気持ちまったく察さないところも凄い伝わってくる。何でお前はあれだけだだ漏れなエポニーヌの気持ちに気づかないんだよと常々思ってきたが、ああこいつは気づかないわ。気づかないままコゼットに一目惚れして、エポニーヌに恋の橋渡しを頼むタイプの馬鹿野郎だわ。そして最期の最期でそれに気づいて、エポニーヌの為に泣いてくれちゃうタイプの大馬鹿野郎だよ。くっそ、映画のマリウス魅力的すぎる。
本当、こいつ見るためだけでもこの一本を見る価値あると思います。

7、宿の亭主テナルディエとその女房
みんな、聞いてくれ。あの宿の亭主がイケメンだった。何を言っているのかわからないと思うが私も何をされているのかわからな(略)。
ただ、安心して欲しい。クズっぷりは健在だ。
宿の亭主ファンとしては、結構ときめきました。思いがけずイケメンだがクズはクズ、というこの無情っぷりにね。
ミュージカルではソロがあって、それがこの役の深みを増しているんですが、映画ではその歌がカットされ、彼は単純なマヌケ系クズと化しています。彼を掘り下げると映画の尺がいくらあっても足りないと思うので、これは致し方無いでしょう。
なお、マダム・テナルディエはヘレナ・ボナム・カーター。美人な上、当たり前に上手いです。
ただ、安心して欲しい、クズっぷりは(以下略)
同監督の前作品「英国王のスピーチ」に続き、今回の彼女の亭主もまた尻に敷かれ気味です。

8、アンジョルラス
なんかやたらイケメンだった。ていうか、マリウス含めて革命軍のイケメン率が高かった
それはもう、革命軍でスピンオフ作品を作って欲しいほどに。
彼の最期のシーンもミュージカル知ってる人にはたまらないカットになってます。

こんな感じでしょうか。
全体的に、ミュージカルと同じく台詞はほとんどなく、9割が歌で構成されています。
音楽は文句無しです。合唱の迫力も完全に再現されています。
ソロは歌を聴かせるというより台詞として聞かせる方に傾いていて、これは映画ならではです。
ラストシーンは、舞台ではファンテーヌとエポニーヌの二重唱ですが、映画ではファンテーヌのみ。これはそうせざるを得ないだろうと思います。エポニーヌはジャン・バルジャンと接点が無いので。
ここを二重唱にできるのは物と人との区別を曖昧にできる舞台の強みだと思います。
ジャン・バルジャンの死とそこからの大合唱へ繋ぐ部分は、そう来たかー!という感じです。このシーンどう表現するんだろうと思ってたら、そう来たかと。

とにかくとても良い作品になっていたと思います。
良いよ!マリウス見てマリウス!ほんと、くっそ!って思うから!初めてあいつがアンジョルラスに勝てるジャンルを見いだした感があるから!
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