2007年1月8日設置
サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
パラリンピックの不可解な解説。というか出来ごと。その2はゴールボールです。
視覚障害者のスポーツ、ゴールボール。
競技者はマスクをつけて完全に視界を遮断され、3対3でひたすら鈴の入ったボールを投げてはブロックし続ける・・・
中継で見ている分には非常に単純で地味な競技で、たまに顔面でブロックした選手のマスクが吹っ飛ぶのを見て実は球がバスケットボールの約2倍重く男子の速球は時速70kmに達したりすることを知るくらいのものです。
・・・そう、見ている分には。
この競技のキモはむしろ見えてない部分、音と気配で敵をいかに騙すかにあるといいます。
ということはつまり音と気配で敵にいかに騙されないかもキモだということなのですが、実際それがどういうことかというのをこれ以上ないほど教えてくれたのがゴールボール男子決勝戦でした。
決勝ーーブラジルVS中国戦。
様々な競技でガンガン結果を出しているパラリンピック大国同士による戦い。
前半は全然点が入らなかったところ、後半からは割と試合が動きましてブラジルが結構な点差をつけました。
ブラジルの得点の要因の一つに、中国に投球ミスが多く発生しPKを稼げたことがあげられます。
ゴールボールでは投球の際、指定の範囲内で2度バウンドするように投げなければいけませんが、2度目のバウンドが範囲を超えてしまうミスを中国は3度ほどやっちまいました。
反則となるのでやっちまうごとにPKです。
やっちまった選手が広いゴールを一人で守り、相手がそこに一球投げ込みます。
中継で見ている分には、通常三人で守ってるゴールを一人で守るので明らかにガラ空きなんですが、見えてない選手とくに投球側にはガラ空きという感覚はもしかしたら無いのかもしれません。とにかく、見えないけど空いてそうなところに投げるのです。
記憶に残る問題のシーンは、中国の食らった3回目のPKで発生しました。
守る中国選手はゴール中央にスタンバイ。相手がどっちサイドに投げ込んでも即座に反応しなければなりませんので当然です。
ところが、攻撃するブラジルの選手は中央でボールを持つと、そっと静かにコートの端まで移動してスタンバイしました。
中央から投げると思わせておいてガラ空きのサイドに直球をぶち込んでやろうというゴールボールならではの作戦です。目の見えない人をこんなに堂々と騙していい世界が他にあるだろうか。
えげつない。これがこの競技の醍醐味であるとはいえ、見てる分にはだいぶえげつない。
と、その時です。
守る中国の選手が、は!と何かに気づいて、彼もまた同じくコートの端まで移動しブラジル選手の正面にスタンバイしなおしたのです。
結果、ブラジルはボールをキーパーの正面に投げ込む形となり、ブロックされてPK失敗となりました。
実況「彼はなぜ・・・あそこに来るとわかったんでしょうか」
解説「そうですねー・・・・何か、音がしたんだと思います」
私は録画を5回リプレイしました。
してない。ブラジル選手は音させてない。
そもそも審判のピー!の笛とそれに続くなんやかやのアナウンスが響いてて、ブラジル選手の移動中はその音が聞こえるような静寂になってなかった。
静寂が落ちて、そこで中国側の選手が何かを察知して移動したのです。
何をどこから察知したんだ一体・・・
あまりに不可解であるため、私は咄嗟に疑いました。ズルを。
だって普通じゃないんだもん。コーチか誰かが選手にこっそり教えているのでは?
でもどうやって。
野球のサイン盗みだって、見えてナンボ聞こえてナンボのものですよ。
見えてもいないし音出してもいないのにズルをどこから伝えるというのか。
・・・振動?
ゴールの枠に振動を与えてサインを送るとか・・・
・・・でも中国の選手、察した時にはゴールに全く触れてない。これは無理だ。
振動を送るとしたら床しかないが、仮にそれで他者にバレないように伝達してたらズルにしてもレベルが高過ぎないだろうか。特に受信側。
大体、中国は既にブラジルに結構な点差をつけられて負けてる側です。PKも3度目です。2度決められているんです。ここでズルする必要性が全然ありません。やるならもっと早くやってないと意味ない。
あらゆる面でズルのはずがないではありませんか。
これはズルではない!
じゃあなんでだよ。
なんでわかった中国。ブラジルがあそこから投げると。なんで。
・・・そこでふと思い出されたのは、昔テレビでやっていたある少年についての実話です。
彼は生まれつき目が見えないのですが、舌を打って絶えず音を出しており、その音の反射を聞きとる事によって周りにある物や人を把握します。どのくらい把握するかというと友達と普通にバスケットボールできて自転車スイスイ乗れるくらい。
杖も使わず健常者と全く同じように生活していました。
ただし、反射物の無い広い公園などに行くと自分がどこにいるかわからなくなってしまうという弱点はあったのですが・・・
人間は音を直接聞くだけでなく、反射という形でも聞きとることができるのです。
中国の選手もそれではないでしょうか。
審判の笛の音がブラジル選手に反射する、その余韻と動きを聞きとって相手の移動を把握したのでは。他にもう考えられない。
この競技、目の見えない人のスポーツっていうより何か違う能力目覚めた人のスポーツになってませんかね。
ゴールボール。不思議なスポーツでした。
なんでわかったのか、誰かインタビューしてみてほしい・・・
視覚障害者のスポーツ、ゴールボール。
競技者はマスクをつけて完全に視界を遮断され、3対3でひたすら鈴の入ったボールを投げてはブロックし続ける・・・
中継で見ている分には非常に単純で地味な競技で、たまに顔面でブロックした選手のマスクが吹っ飛ぶのを見て実は球がバスケットボールの約2倍重く男子の速球は時速70kmに達したりすることを知るくらいのものです。
・・・そう、見ている分には。
この競技のキモはむしろ見えてない部分、音と気配で敵をいかに騙すかにあるといいます。
ということはつまり音と気配で敵にいかに騙されないかもキモだということなのですが、実際それがどういうことかというのをこれ以上ないほど教えてくれたのがゴールボール男子決勝戦でした。
決勝ーーブラジルVS中国戦。
様々な競技でガンガン結果を出しているパラリンピック大国同士による戦い。
前半は全然点が入らなかったところ、後半からは割と試合が動きましてブラジルが結構な点差をつけました。
ブラジルの得点の要因の一つに、中国に投球ミスが多く発生しPKを稼げたことがあげられます。
ゴールボールでは投球の際、指定の範囲内で2度バウンドするように投げなければいけませんが、2度目のバウンドが範囲を超えてしまうミスを中国は3度ほどやっちまいました。
反則となるのでやっちまうごとにPKです。
やっちまった選手が広いゴールを一人で守り、相手がそこに一球投げ込みます。
中継で見ている分には、通常三人で守ってるゴールを一人で守るので明らかにガラ空きなんですが、見えてない選手とくに投球側にはガラ空きという感覚はもしかしたら無いのかもしれません。とにかく、見えないけど空いてそうなところに投げるのです。
記憶に残る問題のシーンは、中国の食らった3回目のPKで発生しました。
守る中国選手はゴール中央にスタンバイ。相手がどっちサイドに投げ込んでも即座に反応しなければなりませんので当然です。
ところが、攻撃するブラジルの選手は中央でボールを持つと、そっと静かにコートの端まで移動してスタンバイしました。
中央から投げると思わせておいてガラ空きのサイドに直球をぶち込んでやろうというゴールボールならではの作戦です。目の見えない人をこんなに堂々と騙していい世界が他にあるだろうか。
えげつない。これがこの競技の醍醐味であるとはいえ、見てる分にはだいぶえげつない。
と、その時です。
守る中国の選手が、は!と何かに気づいて、彼もまた同じくコートの端まで移動しブラジル選手の正面にスタンバイしなおしたのです。
結果、ブラジルはボールをキーパーの正面に投げ込む形となり、ブロックされてPK失敗となりました。
実況「彼はなぜ・・・あそこに来るとわかったんでしょうか」
解説「そうですねー・・・・何か、音がしたんだと思います」
私は録画を5回リプレイしました。
してない。ブラジル選手は音させてない。
そもそも審判のピー!の笛とそれに続くなんやかやのアナウンスが響いてて、ブラジル選手の移動中はその音が聞こえるような静寂になってなかった。
静寂が落ちて、そこで中国側の選手が何かを察知して移動したのです。
何をどこから察知したんだ一体・・・
あまりに不可解であるため、私は咄嗟に疑いました。ズルを。
だって普通じゃないんだもん。コーチか誰かが選手にこっそり教えているのでは?
でもどうやって。
野球のサイン盗みだって、見えてナンボ聞こえてナンボのものですよ。
見えてもいないし音出してもいないのにズルをどこから伝えるというのか。
・・・振動?
ゴールの枠に振動を与えてサインを送るとか・・・
・・・でも中国の選手、察した時にはゴールに全く触れてない。これは無理だ。
振動を送るとしたら床しかないが、仮にそれで他者にバレないように伝達してたらズルにしてもレベルが高過ぎないだろうか。特に受信側。
大体、中国は既にブラジルに結構な点差をつけられて負けてる側です。PKも3度目です。2度決められているんです。ここでズルする必要性が全然ありません。やるならもっと早くやってないと意味ない。
あらゆる面でズルのはずがないではありませんか。
これはズルではない!
じゃあなんでだよ。
なんでわかった中国。ブラジルがあそこから投げると。なんで。
・・・そこでふと思い出されたのは、昔テレビでやっていたある少年についての実話です。
彼は生まれつき目が見えないのですが、舌を打って絶えず音を出しており、その音の反射を聞きとる事によって周りにある物や人を把握します。どのくらい把握するかというと友達と普通にバスケットボールできて自転車スイスイ乗れるくらい。
杖も使わず健常者と全く同じように生活していました。
ただし、反射物の無い広い公園などに行くと自分がどこにいるかわからなくなってしまうという弱点はあったのですが・・・
人間は音を直接聞くだけでなく、反射という形でも聞きとることができるのです。
中国の選手もそれではないでしょうか。
審判の笛の音がブラジル選手に反射する、その余韻と動きを聞きとって相手の移動を把握したのでは。他にもう考えられない。
この競技、目の見えない人のスポーツっていうより何か違う能力目覚めた人のスポーツになってませんかね。
ゴールボール。不思議なスポーツでした。
なんでわかったのか、誰かインタビューしてみてほしい・・・
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