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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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最近、また彼らにハマりつつあります。

ご記憶の方がおられるのか、今から10年前キノコにドはまっていた私がこのブログで連載していたキノコドラマのメインキャラ達
(左から順に、ドクツルタケ、シロフクロタケ、ベニナギナタタケ、カエンタケ)

クライマックスでネオロマの新作が出た為に私の興味がそっちへ逸れ、物凄く中途半端なところで保留されたドラマでありました。

でも冬休み入って図鑑見直して改めて思いましたよ。

シロフクロタケは可愛い。

当時の絵柄見ると死にたくなるので、あれはあれとして、リメイクするか・・・
2019年菌曜ドラマ。
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どがばたん!

シロ「ドクツルタケっ!!」
ドク「!な、なんだどうした!?」
シロ「スギヒラタケ来てる!!」
ドク「・・・は!?」
スギ「・・・・・・・・」
シロ「スギヒラタケ、中入っていいよ。ドクツルタケは全然なんともなかったんだ。起きてる」
ドク「・・・・・おい、そこまでなんともなくはねえよ」
スギ「・・・・ドクツルタケ」
ドク「!・・・・」
シロ「ドクツルタケ、さっき私が言ったこと覚えてるな?頼むね」
ドク「頼む?何を?」
シロ「ほら!スギヒラタケに、ほら!(好きだって!)」
ドク「・・・・・何その口パク」
シロ「わかっただろ?ね!よろしく!」
ドク「あ、おい・・・・!」

ぱたん。

ドク「・・・・・・・・・・~っ」
スギ「・・・・・・・ドクツルタケ」
ドク「・・・・・・・・」
スギ「・・・・ケガ、痛い?」
ドク「・・・・。あいつが言ってたろ。全然なんともない」
スギ「包帯、してるね。入院も、してるね」
ドク「・・・・まあ、手術したからな」
スギ「・・・・・じゃあやっぱり、痛いね」
ドク「・・・・・・・・・・」
スギ「・・・・・・・ごめんなさい」
ドク「スギ・・・・・」
スギ「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい!ドクツルタケ、ごめんね・・・・ごめんなさい・・・っ!」
ドク「泣くなよ。俺お前のこと責めてなんかいないだろ」
スギ「ごめんなさい・・・・ごめんなさい・・・・っ」
ドク「本当になんともねえし。むしろ大した事無いのに騒ぎ過ぎだってここの医者に怒られたぐらいなんだよ。顔上げろよ。俺大丈夫だって」
スギ「ごめんなさい・・・・・ごめんなさい・・・・・」
ドク「・・・・俺もさ、悪かったんだよな、スギ。食用から毒性に変わって、きっとお前自身が一番怯えてたはずなんだ。怖かったろ。自分が突然毒に変わるなんて」
スギ「・・・・・・・っく・・・・・・・うっく・・・・・」
ドク「そんなときに食用に変わる方法聞きに来たなんて言って、俺ほんと馬鹿だったよ。そんなこと言われたら普通誰だって怒るし殴りたくもなるだろ。今度のことは、俺の自業自得ってやつだ。な?」
スギ「・・・・・・・・・っく・・・」
ドク「傷だって浅かった。お前に本気でキノコ殺す気なんかなかったんだ。俺が意識なくしたのは・・・・なんつうか、前日からの疲れと精神的ショックみたいな・・・・とにかくお前にやられたせいじゃねえよ。どっちかっつうとシロのせ・・・・いやとにかくお前のせいじゃねえよ。わかった?」
スギ「・・・・・・・・・・」
ドク「スギ。聞いてるか?」
スギ「・・・・・・・・・うん」
ドク「お前まさか警察行ったんじゃないだろうな」
スギ「・・・・・まだ、行って無い。これから・・・行く」
ドク「やめろって!頼むからそれだけはやめて。頼むから」
スギ「・・・・なん、で・・・」
ドク「女の子に刺されて入院してました、なんて知れ渡ったら俺もう生えていけねえ。もの凄くかっこ悪い」
スギ「・・・・・・・・・・・・」
ドク「警察はお前のこと何にもしらねえし。そういうキノコにあんまりどうこう言われたくないだろ。俺はお前がもう二度とやらないって言ってくれれば、それ信じて終わりたいんだ」
スギ「・・・ドクツルタケ・・・・」
ドク「やらないよな?」
スギ「うん・・・・・・やらない。絶対絶対、絶対にもうやらないよ・・・・っ」
ドク「ならそれでいい。・・・・・スギ」
スギ「・・・・・うん・・?」
ドク「お前、よく頑張ったよ。俺がいなくなった後、腐生菌の仕事ずっとちゃんとやってたんだな」
スギ「・・・・・・・・・・」
ドク「もうガキなんて呼べないな。スギ、お前ほんとよく頑張った」
スギ「・・・・・・・・っ、く、う・・・・・っ・・・・」
ドク「泣くな」
スギ「・・・・・・・う・・・・スギね・・・・スギね・・・・っ」
ドク「うん」
スギ「頑張ったの・・・・・ずっと誰かに誉めて欲しかったんだ・・・・っ」
ドク「・・・・そうだよな。ごめんな、会ったときにすぐ言ってやらなくて」
スギ「ううん・・・・・ううん・・・・・っ」
ドク「百回でも千回でも、俺が誉めてやる。お前ほんとよく頑張ったよ、スギ」



ツチ「・・・・ううっ、いい話だ・・・・ぐすっ、よかった、よかったなあスギヒラタケ君っ」
シロ「うん、ほんとよかった・・・!おじさん、すみません、もう少し後ろに下がって・・・・」
ツチ「ぐすっ、ずびっ、ふぶしっ!」
シロ「いたたた・・・おじさん、押さないでってば、おじさ・・・・!」
ドク「・・・シロ。お前そこで何やってる」
シロ「!」
ドク「引っ込んでもムダだぞ。今までずっと覗いてたのか、おい。お前ちょっとこっち来い」
シロ「あ、あはは・・・・・だって心配で・・・・・ねっ?おじさんっ?」
ツチ「そ、そうなんだよ!心配で心配でおじさんも歳だからもう心配で!!」
ドク「・・・・・誰だあんた」
シロ「ツチグリさんだよう、やだなあドクツルタケ、知らないの?」
ドク「お前はこのおっさんの何をそんなに知ってんの?」
シロ「し、知ってるさあ。名前と、眼鏡と、大体の歳とか?」
ドク「50歳ちょいくらい、みたいな?俺だって知ってるなそれ。見りゃわかるからな」
ツチ「・・・・一応45歳なんだが・・・・」
シロ「それから、ツマミタケママのお店の常連さんだってことも知ってるよ!そうだよねおじさん!オカマスナック赤い籠のお客さんだよね!」
ツチ「お、お嬢ちゃん、そういうことはあまり大きな声で言わないで欲し・・・・」
ドク「あの店の常連?なんで?普通のキャバクラ行きゃあいいのに・・・・って、そうか、キャバ嬢にモテないんだなきっと」
ツチ「ドクツルタケ君・・・・本菌目の前にしてその推理はちょっと・・・・」
シロ「でも赤い籠ならキノコたち皆優しいからおじさんもモテるよね?」
ツチ「無垢な傘して言ってることひどすぎるよ君!!」
スギ「・・・・・・・・」
シロ「あ、そうだ。ドクツルタケ、言った?まだ言って無くない?」
ドク「何を」
シロ「だからほら!ほらあれ!」
ドク「・・・・・・。あー、あれ。あれな」
シロ「そう!あれ!」
ドク「スギヒラタケ。シロがお前のこと好きだって」
スギ「!?」
シロ「そうじゃないだろドクツルタケ!!」
ドク「そうだろ。違うの?」
シロ「ち・・・違ぅわないけど・・・・!」
ドク「スギ、こいつと友達になってやって。馬鹿だけどこいつ」
シロ「ドクツルタケ!」
スギ「・・・・・・スギと友達?・・・そんなわけないよね。スギ、シロフクロタケのこと嫌いって言っちゃったもん」
ドク「安心しろよ。こいつそういうの全く聞かないタチだから」
シロ「そんなこと言われたっけ??」
ドク「ほら」
スギ「・・・・・・。本当に友達になってくれるの?」
シロ「なるよ!なるよねえドクツルタケ!」
ドク「俺はもとから友達だし」
スギ「・・・・・・っ!」
シロ「あ!泣かないで、スギヒラタケ。どうしたの?ドクツルタケの言い方が冷たかった?そうだね?」
ドク「・・・・・ちげえだろ」
スギ「・・・・・・ごめんね、シロフクロタケ、ごめんね」
シロ「え!?なんで!?」
スギ「ひどいこと言ってごめんね。スギ・・・・スギ、友達できて嬉しいの。嬉しいから、泣くんだよ」
シロ「そ、そっか。うん、じゃあもういっぱい泣いちゃったほうがいいね」
スギ「うん・・・・・・・いっぱい泣いたら、ちょっとは毒が無くなるかな」
シロ「!そうだね。きっと毒、なくなるよ」
スギ「・・・ありがとう」
      



・・・・キノコは菌子で繁殖したり、胞子で繁殖したり、色んなやり方で増える。
本体は菌なので、試しにキノコを生やしてみて、土地が合わなかったら菌糸になって撤退、なんてことをするらしい。ってことは、キノコにしてみれば生やしたキノコが傷つけられても「あ、ちっきしょう、ここダメだ」ぐらいにしか思わないのかもしれない。
動物でも植物でもない第三の生物。それが菌物。



「ドクツルタケ!いなくなっちゃうって本当!?」
「ん?ああ。今準備してるとこ。菌糸にしようか胞子にしようか迷ったんだけど、菌糸延ばして移動するのも面倒だから胞子で飛んでくことにした。・・・・どの核持ってくかな・・・・」
「やだ!」
「!」
「やだよ!ドクツルタケ行っちゃうなんてやだ!」
「やだったって、もう決めた」
「やだやだ!スギ知ってるよ、スギのせいでしょ、スギが腐生菌で木枯らしちゃうからテングタケの皆怒ってるんでしょ、生きてる木が無くなっちゃったからドクツルタケここにいられなくなったんだよ!ドクツルタケは外生菌根菌だもん!」
「そんな風に考えるなよ。何でも自分のせいにするな、スギ。ナラタケじゃあるまいし、お前に木枯らす力なんかねえよ。お前は枯れた木か、もしくは枯れかかった木に生えるだけだ」
「同じことだよ!スギがいるってことは枯れるってことだもん!」
「馬鹿だな、お前が分解してやんなきゃなんの役にも立たない枯れ木がずっと転がってるってことなんだぞ。根元で待ってる次の若木が伸びられないだろ。腐生菌は有機物を食べて無機物に還す。植物はその無機物を食べて有機物を生む。そうやって自然は回るんだ。有機物を全部無機物に変えられるのは動物にも植物にもできない、菌物だけの力なんだ、お前は自分のしなきゃいけないことしてるだけだ」
「でも・・・・でも・・・・!」
「それに俺は木が無くなったから出てくわけじゃない。この辺がドクツルタケの群生地で人間が来なくなったからな、生えてるのもつまらなくなったんだ。もっと面白い場所に生えたいだけ」
「・・・・・なら、ならスギも一緒に行く」
「ダメ」
「なんで!」
「お前まだガキだから」
「!」
「人間の近くは厳しいんだよ。踏み潰されたり引っこ抜かれたりする。お前なんか有名な食用キノコなんだからあっという間に根こそぎ採られるぞ。街に行くのはちゃんと負けないだけの増殖力を身につけてから。な?」
「・・・・・・」
「じゃあな、スギ。元気でな」
「ドクツルタケ!いやだよう、行っちゃやだよう!」
「泣くなって。お前ほんとガキだ」


・・・・・・・・・・・・・・・・


ドク「・・・・・・・スギ」
シロ「え?」
ドク「・・・・・・・・・。寝てた?俺」
シロ「うん。ぐっすり」
ドク「・・・・・・・・・何か言ってた?」
シロ「スギって言ったよ今。スギヒラタケのこと?」
ドク「ほんと何でお前そういうとこだけ聞いてるわけ?」
シロ「聞いてちゃダメだった?」
ドク「・・・・・・今何時?」
シロ「もうすぐ夜になる」
ドク「・・・・もう帰れよ。昨日も帰ってないんだから」
シロ「うん・・・・・」
ドク「俺大丈夫だから」
シロ「・・・・・わかった。明日また来るね」
ドク「・・・・ああ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・

シロ「じゃあね、ドクツルタケ。おやすみー・・・・っ!?」
ツチ「ドクツルタケ君の病室はここかね」
シロ「あなたは・・・・」
ツチ「私はツチグリという者だ。この子の付き添いでね」
シロ「スギヒラタケ・・・・・!」
スギ「・・・・・・・・・」

スギ「・・・・・・うっ・・・・・うっ・・・・・」

しとしとしと・・・・

ツチ「・・・・お嬢ちゃん。どうしたのかね、そんなところで」
スギ「!・・・・・・」
ツチ「迷子かね?」
スギ「・・・・・・ううん」
ツチ「早くお家へお帰り。この辺は物騒だよ。人間の子供にむしられるよ」
スギ「・・・・・・・いいよ。スギの方が物騒だもん」
ツチ「?」
スギ「おじさんが早く帰った方がいいよ。でないとスギに殺されちゃうよ」
ツチ「スギって誰かね?」
スギ「スギはスギだよ。あたしのことだよ」
ツチ「・・・・・最近の若い子は自分のこと名前で呼ぶんだね。おじさん、理解できないな」
スギ「いいよ。誰もスギのこと理解なんてしてくれないよ。もういいよ、どうでもいいよ」
ツチ「・・・・・」
スギ「早くどっか行って。スギに構わないで。ほっといて。でないとスギ、本当におじさんのことも殺しちゃうかおしれないよ」
ツチ「・・・・・君は誰か殺したのかね」
スギ「・・・・・・・・・殺したよ」
ツチ「・・・。いつ?」
スギ「・・・・・今日の朝」
ツチ「新聞には出てなかったね。菌スポにも、毎茸の夕刊にも載ってなかったよ。本当にそんなことをしたのかい?」
スギ「・・・・・・・・・」
ツチ「話してみなさい。何があったか。本当だとしたら私は君を放っておくわけにいかないからね」
スギ「・・・・・・・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ツチ「・・・・・・・そんなことがあったんだね」
スギ「・・・・・・・・・・・・」
ツチ「警察に行こう。おじさんも一緒に行ってあげる」
スギ「・・・・・・・いや」
ツチ「嫌でも行かなきゃいけないよ」
スギ「いや。行かない。絶対行かない。どうしてスギばっかり悪いの。スギは悪くない、スギのせいじゃない」
ツチ「そんなことを言ってるとね、何も解決しないよ」
スギ「他のキノコが解決すればいいじゃない!なんでスギがしなくちゃいけないの!何でスギのせいなの!」
ツチ「もちろん他のキノコは他のキノコで解決するだろう。だけど誰も君のことは解決しないよ。君は自分のことは自分でしなくちゃいけない」
スギ「それ、誰もスギのことなんか考えてくれないってことだね」
ツチ「当然じゃないかね。君だって他のキノコの事を考えてあげてないだろう」
スギ「スギは考えてるよ!スギはドクツルタケのこと考えて・・・・!」
ツチ「だったらドクツルタケ君のために警察に行きなさい」
スギ「!スギが警察に行ってもドクツルタケが助かるわけじゃない・・・・!」
ツチ「それは言い訳だ。君は自分のことしか考えてないから警察に行くのが怖いんだ」
スギ「う、うるさいっ!あんたなんかにスギの何がわかるの!」
ツチ「聞きなさい」
スギ「うるさいうるさい!うるさいうるさいうるさ・・・・!!」
ツチ「いい加減にしなさいっ!!!」
スギ「!!」
ツチ「言っとくけどね!!おじさんが聞く限り完全に君が悪いよ!!殺菌なんかした方が悪いに決まってるだろう!!」
スギ「だ、だって!!」
ツチ「だってもさっても無いっ!!駄目なものは駄目だっ!!!」
スギ「!!・・・・っ!」
ツチ「睨みたきゃ睨みなさい!第一線から遠ざけられて数年このかた、上司と部下に挟まれながら職場のOLの陰口に耐えてきたおじさんにとって、君なんか怒ろうが怒鳴ろうが杉の枝振り回そうがちっとも怖くない!自分の菌生が上手く行かないからって何でも他菌のせいにして!そんなんで良いことがあると思うのかね!仕事でも何でも、自分の関わった物は全部自分に責任があると思いなさい!悪いこと全部周りのせいにしてたら君の周りにキノコがいなくなるのも当たり前じゃないかね!」
スギ「!・・・・」
ツチ「君はこれまで苦労をしてきたかもしれない。辛い目にもあってきたかもしれない。だけどね、そんなの大方のキノコには全く関係の無い話だ。皆それぞれ大変な思いをして生きてるんだ。誰かと比べて自分は惨めだとか、誰かと比べれば自分は恵まれてるとか、そんな卑しい見方をして何になる。誰かの菌生を知りたいと思うのは、その誰かが与えられた環境と時間の中で精一杯、一生懸命、魅力的な生き方をしているときだ。誰だってそういうキノコは素敵だと思うだろう。知りたいと思うだろう。君はそういう生き方をしてきたのかね。胸を張って私はこれだけのことをしてきましたと誇れる何かがあるのかね」
スギ「・・・・・・」
ツチ「君だって今まで生きてきたんだ。何も無いわけはないだろう」
スギ「・・・・・・」
ツチ「無いのかね」
スギ「・・・無いよ。スギ、ダメなキノコだもん」
ツチ「また馬鹿なことを言う!」
スギ「本当だよ。人間には採られるし、増える為に頑張って食べたら毒になるし、何やっても駄目だよ」
ツチ「今頑張ったと言ったじゃないかね」
スギ「・・・・・・・・・」
ツチ「頑張って食べて、色々な有機物を土へ還したんだろう」
スギ「・・・・・・・うん」
ツチ「腐生菌として立派に生きてきたんじゃないかね」
スギ「・・・・・・・・うん」
ツチ「頑張ったじゃないか」
スギ「・・・・・頑張った?」
ツチ「頑張ったよ」
スギ「・・・・・・そうだね。スギ、あの時は、頑張ったね・・・・」
ツチ「それが君の誇りじゃないか。それをちゃんと大事にしてれば、他菌を傷つけることも無かったんだ」
スギ「・・・・そうかな。でも、もう遅いね」
ツチ「どうして」
スギ「だって、ドクツルタケは死んじゃった・・・・」
ツチ「どうして。まだわからんじゃないか。死んでしまったとは限らない。ニュースになってないんだから、生きてるかも知れないじゃないか」
スギ「・・・・ほんとに?ほんとにそう思う?」
ツチ「思うとも」
スギ「・・・おじさん」
ツチ「なんだい?」
スギ「スギ、怖いよ。ドクツルタケがもし死んじゃってたらどうしよう。ドクツルタケがいなくなっちゃったらどうしよう。怖いよ、怖いよぉ・・・っ!」
ツチ「落ち着きなさい。大丈夫だよ」
スギ「助けてぇ・・っ!怖いよ、助けて、おじさん、助けて・・・助けて!助けてぇっ!」
ツチ「よしよし、助けてあげる。必ず、助けてあげるからね」
               


この子を救えるキノコは誰か、とても考えました。
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