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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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ノートルダムの炎上、とんでもない悲劇だと思いましたが、しかし報道からその近年の状況を察するに、むしろ塞翁が馬というか、結果的に良かったことになる気がしないでもありません。

各国が深い喪失感の記事を出す中で、随一の世界遺産大国イタリアの日刊紙は「国が修復の金をケチるから天罰が下るんだバーカ!」ぐらいの、容赦なく腹に膝を入れるような記事を出していたようです。イタリアお前・・・しかし、これは確かに正鵠を射ています。

近年、ヨーロッパの名画が日本で展示される事が増えています。今一番有名な名画が見られるのは日本ではないかというぐらい集中しているのですが、その理由はヨーロッパの美術館が資金難に直面しているからだと言われています。
文化財は持ってるだけでその維持にコストがかかります。しかし貸し出してしまえば、賃料が入ってくる上にその期間は維持費もいらない。自国に展示して観光客を待っていたら赤字に終わるところ、貸したら利益が出るわけです。

日本でも、ブリヂストン美術館が改修工事を終えてなお休館を続けていた理由が、開館すればするほど赤字になるからだと聞いています。あそこは本当に良いコレクションを持っているのですが、常設展ではやっていけないというのです。
個人的には、今まで見たモネの「睡蓮」では、ブリヂストンの持ってる1907年の物が一番好きです。あれはもう本当、絵具で描いたとはとても思えない瑞々しさと光でした。

上野の西洋美術館でも、色々企画展は行われますが、常設展示の松方コレクションを超える企画は滅多にないです。
しかし企画展に長蛇の列ができても常設展は閑散としています。企画展のチケットでついでに無料で見られるというにも関わらず、ロダンもドラクロワもモネもルノワールもゴッホもミロもピカソも日本人によく知られた作家全てあるにも関わらず、誰もついでに見に行かない。悲しい事です。
西洋美術館、ついに業をにやして6月から「松方コレクション展」始めます。今現在500円で見れるモネの「舟遊び」も、この期間は1600円に
みんな、常設展をもっと見よう。

それはともかく、ノートルダムも米国の研究家がその劣化具合と放置されっぷりに心を痛めて修復資金の寄附を募るぐらいだったようです。
今回こうして炎上し大ニュースになったことで、早くも富豪数人から数百億が出されることが決定しましたし、これからも寄附は集まるでしょう。

長い目で見れば今回の火災、ノートルダム的にはむしろ救われるのかもしれません。
それも何か荒廃した人の心を映すようで、天罰とはなるほどこういう物なのかもしれないなあと、少し思ってしまいました。
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