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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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聖域の危機管理対応について、十二宮編を振り返って考えてみたいと思います。

■白羊宮:ムウ
アテナの命を助けたい被害者サイドアテナに死んでほしい加害者サイド。完全に間に立たされたムウですが、この時点での対応はベストと言えましょう。
被害者サイドがまだ加害者の真の姿を知らず、事態をいまいち把握できていない事を見越し、また自身には既に彼らからの信頼があるため、あえて最初から強い態度に出る事で会話の主導権を握りました。
さらに「聖衣を直す」という相手側にもメリットがある案を示すことで自分の得意分野に問題を引きこみ結果的に1時間の足止めに成功。
聖域のブランドを落とすことなく、自分の信頼に至ってはむしろ上げたぐらいでしたたかにノルマを達成しました。
聖域の顔と言える第一の宮にこんな優秀な人材を配置できる。聖域の危機管理能力の高さを伺わせます。

■金牛宮:アルデバラン
彼の優れたところは、自分からは攻撃しないというところを最初からポーズによってわかり易く示した点です。彼としてはセキュリティ上、相手を跳ね返すという行動を取らざるを得ないわけですが、積極的に戦う意思を示さなければ、見る人は少なくとも彼を悪人だとは思いません。
「被害者サイドからの過剰な攻撃によりやむを得ず反撃せざるを得なかった」という流れを作りあげたことは高く評価されるべきでしょう。自分が正義の人であると先手を取って打ち出した結果、被害者側の話を聞こうともしていないという本質的な問題が上手く隠れました。
また、相手から「角を折ってやる」という脅迫的文言を引き出した事、それに動じず逆に利用して「角を折ったら負けを認めてやる」実は聖域にとってどうでもいい条件を提示した事も特筆に値します。言った通り実行したことで、被害者サイドに根拠のない満足感を与え、自分を有言実行の良い人であると印象付けて聖域と黄金聖闘士のブランドを守る事に成功しました。
第二の宮として申し分のない危機管理対応であったと考えます。

■双児宮:教皇による遠隔操作
双子座の迷宮を作り出して言質を与えないままのらりくらりと時間を稼ぎ、最終的には異次元に飛ばして被害者勢力の存在自体を無に帰そうという極道か政治界だけが用いるタイプの危機管理対応を披露。自らは直接手を下しに行ってない事も含めてさすが教皇、色んな意味でレベルが違います。早い段階で無かった事にするというのは、実現できれば最強の危機管理ではありましょう。
しかし問題は、失敗したらダメージの跳ね返りが大きいと言うこと。
十二宮編ではものの見事に失敗したため、せっかく今まで落さずに保持されてきた聖域のブランドに疑いをもたれ、信頼を損なってしまいました。この程度で済んだのはむしろ幸運でした。
相手側にどんな能力者がいるのかよくよく調査する、外部からハッキングされるような通信インフラを使わないなど、事前にきちんとリスクマネジメントして必ず成功するという見込みが無い限り、使うべきではない手段だったと言えるでしょう。

■巨蟹宮:デスマスク
言いたかないが最悪です。危機管理を何だと思っているのか。
前任宮が失敗をして聖域の信頼を損なったのであれば、後任宮は少しでもそれを回復すべく、建前だけでも誠実な対応を心がけるべきです。
ところが彼は誠実どころかわざわざ死顔を見せつけ、「全て今までこのオレが殺したやつらよ」相手を挑発。「よくみるとおさない子供たちの顔もいっぱいまじってる」という指摘に対しても「しらんな。まあ敵をおいつめる際にまきぞえになったガキが結構いたかもしれんが」否定から入る居直りを決め込みました。
これは絶対にやってはいけない事です。危機管理において、子供と金と食い物の話は特に慎重に扱わなければなりません。そもそもここで相手を挑発する必要性が全くありません。
むしろ神妙に頭を下げ、「自分の未熟な腕では子供たちを避けきることができませんでした。謝って済む事ではございませんが、心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」と己の非を認め、一言詫びるべきだったでしょう。これだけで心象もキャラも全然違うものになったはずです。
さらに彼は、展開が自分に有利に運んでいるというのに、カンに触るという理由だけで被害者サイドの身内を滝壺に落としました。言語道断です。そんなことをする必要性がやはり全くありません。感情に任せた行動は厳に慎むべきでした。
こうした余計な挑発を繰り返した結果、彼は相手を激怒させ、亡者達にも怒りを拡散させてしまいます。聖闘士内の問題だったものを、不特定多数を巻き込む大騒動に発展させてしまったのです。
ここで平身低頭謝罪すればまだ何とかなったのかもしれませんが、彼はその後も亡者達に対して強硬姿勢を貫く愚を犯し、結局、資格剥奪処分という前代未聞の重い罰を受ける事になってしまいました。

デスマスクの失態によって聖域のブランドは地に落ちました。
被害者サイドの怒りはゆるぎないものとなり、どちらが正義でどちらが悪かという対外的イメージまで固まってしまったのです。

危機管理においては、それまでどんなに優れた対応を積み重ねていようと、1度の失敗で取り返しのつかないダメージを受ける事があります。
そのことを、本事例はよく表しているといえるでしょう。

(~聖域の危機管理対応2へ続く)
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