起きてたい理由が山ほどあるんだが・・・明日の朝早めに起きよう・・・家を出る10分前起床はもうやめよう。
おやすみなさい。
え?銀魂で一番好きなキャラ?局長!!!!かっこいいよーかっこいいよー彼が電柱にしがみついていた時からずっと好きだあああああ!!!
・・・・蟹のね・・・・せいだと思うんですよ・・・・こういう趣味になったのってね・・・・
私の中でほんとデスマスクは偉大な革命家ですよ・・・
銀魂は明日買うことにして、本日も幻想水滸伝です。マッシュです。
セイカでも思ったのですが、クワバの城塞からこっち側はなんとなくジャパニズムな文化のようです。家は木と紙でできています、裏は竹やぶです、そんな感じ。
カクもそういう街でした。
さて。城の情報を集めなければ。
とりあえず目に付いた女の子に声をかけてみます。
メグ「え?だれなのきみたちは?」
メグ・・・?
メグって確かロックランドのご夫婦に頼まれたあの女の子なんじゃ・・・確か冒険が私を呼んでるのって言って飛び出したまま行方が知れないという・・・
「解放軍?じゃあ帝国と戦って・・・あ、でもだめよ。私は今忙しいんだから。人探しをしてるんだもん」
こっちも取り込み中だ。不思議っ子にかまってる暇は無い。
「ねぇ、あなた知らないかなぁ。私のおじさんで、ジュッポっていうからくり師なんだけど・・・」
城の情報を聞くために声をかけた少女に、逆質される坊ちゃん。
知らないって!そんな人見たことも無いよ!お互い忙しい身の上なんだからしばらく距離を置こう!!見たらなんとかしときます!それじゃ!
・・・・ふう。まったく最近の若い子は積極的で困る・・・・あ、猫だ。
可愛い猫がちょろちょろしてるので、にゃーとか言ってくれるかなと思って追いかけたんですが、超速ぇ。触れることすらできなかった。一定の距離を保ってどこまでも逃げられた。
猫すら捕まえられない坊ちゃんに城の占拠なんてできるものだろうか。
カクについた早々戸惑うことが多すぎます。
しかし一番戸惑ったのは、普通の町人に声をかけた際、
「なに!?トランの城に舟を出せって!?冗談はよせよ」
「トランの城?ああ、霧のばけものが出るっていうあそこか。あんなところへ行く馬鹿はいないぜ」
と相手にしてもらえなかったことです。
マッシュ!化け物が出るって言われたんですけど!お前知らねぇの?ぐらいの勢いで罵倒されたんですけど!この流れだと化け物倒さなきゃ城に入れそうにないです!あんたもしかしてそれ知ってて僕をここに遣してませんか!?
読めない・・・自分の軍師の軍略がさっぱり読めない・・・
と、とにかく。なんとかできる人はいないのか。
そこのお兄さん!あんたはなんとかできませんか!
「かんべんしてくれよ。あんなところに舟出せるのは命知らずのタイ・ホーぐらいだぜ」
さて、タイ・ホーを探そうか。
旅と世の中の仕組みを知り始めた坊ちゃんは、第6感の赴くまま、タイ・ホーのいそうな建物へと足を向けるのでした。
そこは酒場でした。
カウンターには女戦士みたいな人と・・・オレンジ色の服を着たおじさん!
おお!いきなり見つかった!あなたがタイ・ホーか!?
セルゲイ「ねぇ、きいてくださいよ。あたしはいっかいの発明家なんです。苦労に苦労をかさねて、ドワーフにもまけないすごいのを発明したんですがね・・・・」
・・・・・・・。
・・・・わかったよ。聞くよ。全然目的の人じゃなかったけど、聞いてあげるよ。なんだよ。
「どこの城主もこいつのすごさをわかってくれないんですよ。え?何を発明したかですか。”えれべーたー”って言うんですがね」
それはすごい。だけど今は必要ない。
なんであんたこんなところにいるの!?究極に空気読めてないよ!!紛らわしい!
彼がタイ・ホーでなかったことと、無駄にすごいけれども本当に今は無駄というやり場の無い能力に脱力を通り越して怒りすら覚える坊ちゃん。
おっさんは放置して、女戦士の方に話しかけることにします。
もしかしてあなたがタイ・ホーさん?
カミーユ「タイ・ホー?ああ、あのおっさんなら・・・」
また違う人か・・・あ、でも今度はエレベーターじゃなく、ちゃんと本人を知ってそう。本人はやっぱりおっさんであることも間違いなさそう。良かった。これでエスカレーターがどうとか言われてたら殴ってた・・・
カミーユ「ああっ!!てめぇ!見つけたぞこのやろう!!」
殴られそうなのはこっちでした。
え!?なに!?どうしたの!?・・・って、グレミオ!?
なぜかものすごい勢いで、グレミオがカミーユに詰め寄られているのです。
どっからどう見ても初対面の女性ですが・・・な、なんだグレミオ。僕の知らないところでお前何やってた。
「な、なんですか???私が何をしたっていうんですか」
「何をしたかだって!?この借金取りの夜叉カミーユさまから逃げられると思ってんのかい!?」
借金!?
グレミオ、お前そういうキャラだったの!?借金!?ええ!?
「・・・なんだ?あいつはグレミオのこれか?」
「さあ、知らないね」
ビクトールにクレオ!そういう話を坊ちゃんの前でしない!ただでさえ親父が出発の前の晩に美人と何かやらかしてたらしい話が心の傷になってるんです!この上グレミオまで女に金を貢いでたなんてなったら、解放軍とか言ってる場合じゃないから!マッシュに怒られる!
「さあさあさあ!あんたが踏み倒した借金、今すぐこの場ではらいやがれ!2ヶ月もかけてあんたを探しだしたんだ!」
踏み倒してたんだ・・・・へー・・・グレミオ、お前そういうことしてたんだ・・・・へー・・・・・
あ、だからこっちの方あんまり来たくなかったんだね。グレッグミンスターから離れたくなかったわけね。
あーそう、そうだったんだー・・・・・
「冗談じゃないですよ!」
大慌てのグレミオ。しかしカミーユは証文まで出してきます。
「よく見な!」
「えーと・・・ああこれはテオさまとの宴会の代金ですね。私の飲み屋のツケもあるけど・・・え!え!このお金をいますぐ払えと!?」
払えよ。
やっぱりしてんじゃねえか借金!!2ヶ月溜めてたらそりゃ督促もされるわ!!ていうか親父!?親父の借金かこれ要するに!?あいつも所詮腐った帝国の一部か!?
「見せてみな。グレミオ」
ビクトールが証文をとりあげます。金額に眼を走らせ・・・
「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
やばそうだよ・・・
ビクトールが3回飛び上がったよ今・・・そんな金額ツケといたら追いかけられるのが当たり前だよ・・・つーかどんだけ豪勢に飲んでんだ親父!!とグレミオ!!!
「ちょ、ちょっといいか。俺達は追われている身でな。持ち合わせが無いんだ。あんたがタイ・ホーのことを知ってるならどこにいるか教えてくれないか。あいつに会ったら金の入るあてがある。金が入ったら借金をすぐさま返してやるよ」
相変わらず眩暈がするほどひどくて頼もしくてひどい男だビクトール・・・
まだ会ったことも無いタイ・ホーとのフラグが今ここで折れても、僕はちっとも驚かないね・・・・。
「あ、あんたら、あたしを騙す気だな!」
「そ、そんなことないですよーーーー」
黙ってろグレミオ。元はといえばお前のツケだろうが!
しかしなんだかんだで説得されてしまったのはカミーユの方でした。
「・・・ちっ、仕方ない。それでいいぞ」
いいのか。
「ただし!借金を払うまではついていくからな!」
あ、仲間になっちゃった。
「変な奴が仲間になっちまったね」
とクレオがぼやきましたが、それを言う資格はこちら側には無いと思いました。
は、早く借金返さなくては・・・・それにはとにかくタイ・ホーを!彼にあえたらビクトールがまたなんとかして金を巻き上げてくれるに違いない!
カミーユ。タイ・ホーはどこにいるかな?
下の賭博場?そうかそうか。いかにも金を巻き上げられそうな場所にいるじゃないか。
じゃ、おりようか、下に。
ようやく借金の話に一区切りをつけて、坊ちゃんは先に進みます。
酒場の急な階段をおりていくと・・・
・・・そこは小さな部屋でした。
部屋には畳が一畳。その上にサイコロとお椀。そして着流し姿の男が二人います。
渋茶色のおじさんが一人。
金髪の美形の兄さんが一人。
美形に声をかけますと、やる気のまったくない氷河みたいな顔をして彼は応えてくれました。
ヤム・クー「なんだい?アニキに何の用だい?トランに舟をだせ~~~~?アニキは気分屋だからなぁ」
タイ・ホーじゃなかった・・・・おっさんの方か。
ちょっとがっかりしつつ、もう一人に声をかけました。今度こそ、タイさんでした。
「トランの城に舟を出せだって!あんちゃん、おもしろいこと言うな」
命知らずという噂の彼は、頭にねじり鉢巻をしてあごひげを生やした海のアニキでした。
話を聞いていきなり身を乗り出したところを見ると、噂も伊達ではないようです。
「あそこは化け物でいっぱいだ。舟を出すこっちも命がけになる。あんたにもそれなりのものをかけてもらわんとワリにあわないね」
それなり・・・・って、あんたの命がかかってるなら、もしかしてこっちも命をかけろってことか?
「有り金全部かけてもらおう。どうだい?この勝負うけるかい?」
安いよあんたの命・・・
坊ちゃんは1000ポッチしか持ってませんがそれでもいいんでしょうか。いいようです。
じゃあ・・・受けて立とうかな。
「それじゃあいくぜ。泣きを見るなよ」
・・・彼の説明では次のようなことでした。
ここにあるサイコロとお椀を使って賭博を一勝負するのです。要するにチンチロリンです。
お椀の中にサイコロを振り込み、出た目を競って坊ちゃんが勝てば舟を出し、負ければ金を持っていかれる、とこういうわけなのでした。サイコロは1~6まで目がありますが、当然、数字は大きいほうが勝ちです。
大丈夫。任せろ。いくら賭博ったって、これはあくまでゲームだ。ストーリー展開に関わるこんな重要な場面で主人公が負けるなんてことはそうそう無いはずだ。
かつて某所で命がけのロシアン・グラスをやったことがあったが、あの時も主人公にだけは毒杯が血の色に見えるという8割がた反則な奇跡が起こって勝てたんだ。相手は亡くなった。
今度もきっと勝てる!坊ちゃんはなんつっても主人公なんだし、ビクトールだって金が手に入ると言ったじゃないか!
と、余裕で構えているプレイヤーの前でタイ・ホーがサイコロを振りました。
カラカラカラ。
「6だ!」
をををををををい!!!!!!
ちょ・・・待てお前!!いきなり情け容赦なくない!?坊ちゃん賭博ハジメテ!!ショシンシャよシャチョさん!!!
「さあ次はお前の番だ」って・・・・いやでもこれ振ったって・・・・・
カラカラカラ。カラ。
「2だな。金ためてもう一回勝負にきな」
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!
さあ行こうか皆!この辺の散歩に!!
こうして、坊ちゃんはその後しばらく、カクの町付近をモンスターを求めてうろつきまわることになるのでした。
誰だあああああタイ・ホーに会えたら金が入るっつった奴!!!入るどころか全力で出てったよ!!!財布カラだよ今!!そしてお前もモンスター退治につきあってんじゃねえよカミーユ!!!
・・・大人の世界は非情でした。
しかしアスタリスクならまだいいんですが、嵐の「Love so sweet」で涙出てくるようになったのはいよいよ歳のせいでしょうか。別に彼氏はないし別に恋愛はしてないし別に花男も見てないし何一つシンクロ因子なんか無いはずなのになぜ・・・・・ああ、わかった。むしろ彼氏がいないから泣けるんだ。そうですね。そうでしたね。痛ぇぇぇぇぇぇぇぇ。
何が言いたかったかっていうと、アスタリスクがいい曲だね、っていうのと、最近なんだか妙に嵐のからっきしに明るい歌が好きになってきましたよ、ってことを言いたかったんです。
そして、幻想水滸伝のマッシュ・シルバーバーグ軍師は、そういう歌が微塵も似合わない人でした。
(よーし、無理やりつなげた)
この人、カラオケとか行ったら何歌うんだろうなあ・・・何歌っても部下を引かせそうな人だなあ・・・・
そんなマッシュ軍師の最初の仕事。
それは解放軍のリーダーに抜擢されたはいいけれどもぶっちゃけ何をしていいのかまったくわかってない坊ちゃんに次なる指針を与えることでした。
「帝国軍と戦うには戦力がなくてはならない。私達はこれから、多くの仲間を集めなければなりません」
を、ををー・・・なんか、もう個人戦は過去の物になってきた感じです。マッシュは集団VS集団の戦い・・・すなわち戦争を視野に入れているのです。
さ、さすが軍師。伊達に苦労した顔してない。
「しかし仲間を集めるには器が必要です。すなわち、拠点となる場所です」
拠点か。前のアジトは敵に知られちゃったし・・・
「もっと大きな器が必要です」
・・・・すみません。
「トラン湖の湖上に今は廃墟となった城があります。この城を手に入れるのが良いかと考えます。まずは湖のほとりの町、カクへ向かってはいかがでしょう」
城か。いきなり城ときたか。さすが元帝国のお抱え軍師。ガキの遊びにつきあってる暇はありませんぐらいの勢いで一気にスケール広げたぜ。すみませんちょっといいですか、どうしてオデッサに協力してあげなかったんですか。正直その具体的すぎる構想が今降って沸いた物だとは考えづらいんですが、ひょっとしてかなり前から虎視眈々と城の占拠狙ってたんじゃないですか。実は田舎教師で終わる気なんかサラサラ無かったんじゃないですか。どうなんですか軍師。ほんとのところ教えてください。
「・・・私は引越しの準備をしなければなりません。生徒達にも一年分の宿題を出しておきましょう」
逃げたな。
まあいい。真意はいずれ聞く機会もあろう。しかし確かなのはこの男、何気に一年でカタをつける気でいるということだ。オデッサ、君のお兄さんはとんでもなくやる気満々だったよオデッサ・・・・!
つい先ほどまで「自分の行いのせいで人が死んでいくところを見たくない・・・それが敵であれ、味方であれ・・・」などと呟いていた男のメタモルフォーゼっぷりに疑問を感じずにはいられない坊ちゃん。
新入りのリーダーと底知れない軍師。こんな幹部で本当に大丈夫か解放軍・・・・
しかしとにかく先に進むしかないのです。退路はマッシュに塞がれています。壮絶にそんな感じがします。
坊ちゃんは一路、カクへと・・・・・向かう前に、宿屋へ寄りました。
すみません、精神的に疲れたのでちょっと一休みさせ・・・・・・あ。
あああーっ!
「おや、まあ、セオじゃないの。無事だったのかい」
マリーさん!!
テッドと別れ、帝国兵に追われる身となったあの雨の夜、グレッグミンスターの街でたった一軒だけセオのためにドアをあけてくれた人・・・!
どうして、どうしてこんなところに!?
「あたし?あたしかい。いやーー、あんたをかくまってたのがバレちゃってね」
え!?
「あ、大丈夫だよ。恨んでなんかないって。これも運命だよね」
マリーさん・・・・
彼女はそれ以上何も言いませんでした。帝国兵に追われた苦労も、ビクトールの食い逃げの件も、何も。
強い女性がここにもいる。
マリーさん!坊ちゃんは頑張ります!頑張って、マリーさんをグレッグミンスターに帰れるようにします!
かくして坊ちゃんは元気一杯宿屋で休み(矛盾)、いよいよカクを目指します。
その先に、マッシュの罠が待っていることなど彼はまだ何も知らなかったのでした・・・知ってたら、少しはレベルを上げていたと思うマジで。
ええとindexに、その、前からちょこちょこ書いてた、その、なんていうか、お、おりじなる?をUPしてみました。・・・
・・・・
ぎゃ、ギャグじゃないんで!ギャグじゃないし、ベタなんで!だから全然あれなんですけど、お、おりじなるを公開するのが夢だったのでファンタジー大好きなのでがんばったすみませんすみません何でもねええええ!!!!!
幻想水滸伝だよ幻想水滸伝!!!!奥さん、幻想水滸伝が面白いよ!すごいよ!!ご主人もびっくりで夫婦生活も順風満帆だっつーのうらあああああ!!!!
クワバの城塞を抜けて、サイカの町にやってきた一行は、マッシュという男を探します。
通りすがりの生え際が後退しかけてるおっさんに「マッシュの家はどこですか?」と聞いてみたところ、一番奥だと言われます。
行ってみると、そこは寺子屋でした。
子供が3人。マッシュを先生と呼び、とても慕ってるようです。しかしマッシュ本人の姿は見えません。
はて・・・・
すみません、そこのチビスケ。マッシュ先生はどこかな?
「先生はお散歩に行ってるよ」
そうかー散歩かー。いつごろ帰ってくるのかな。待ってても帰ってきそうにないな。ちょっと探しに行ってみるか。
あ、さっきのおっさん!すみません、マッシュ先生見かけませんでしたかー・・・・
彼がマッシュでした。
ひいいいいいいいい!!!!ごめんなさいごめんなさい生え際が後退とか言ってまじですみませんでしたっつーかあんたも自分がマッシュだと最初に名乗れよ馬鹿野郎!!!!(逆切れ)
オデッサの死を伝え、グレミオがオデッサのイヤリングを渡そうとします。
しかしマッシュは受け取りません。それどころか、
「オデッサは死にましたか・・・・馬鹿な娘だ。あんなことに首を突っ込んで・・・」
おい●●!!!!!!
坊ちゃんダメだ!その言葉はいけない!!いくらむかっ腹が立ったからってそれを言ったらこっちが悪だ!!落ち着け!!ビクトールが代わりにメンチ切ってくれてるからまずは落ち着け!!
・・・結局、マッシュはイヤリングを受け取ってさえくれませんでした。
オデッサとは一切関わりあいたくない、そんな感じですらあります。
・・・・いや。彼は悲しんでいます。確かに悲しんでいるのですが・・・・なんというか、もうとっくに覚悟していたことが今現実になった、という感じの無気力さなのです。
そしてさっきのあの台詞。あれはオデッサを良く知っている人の物に他なりません。
もしかしてこの人・・・・オデッサの・・・・父親・・・・?
しかしこちらが問うより早く、彼は寺子屋に閉じこもってしまいました。
どうしてオデッサは彼にイヤリング渡せなんて言ったんだろう?憤りながら首をかしげる一同。
マッシュが出てきてくれないのでは話になりません。話も進みません。
どうしようか。また宿に泊まったら何かイベント起きるかな。
坊ちゃんが途方にくれた、その時でした。
タイミング良く帝国兵の大群が。
そうか!お前ら来てくれたら話し進むんだこの旅!
彼らは坊ちゃんsをはねとばし、一目散にマッシュの家へ。
兵士様!お願いします!あの人引きずり出して下さい!坊ちゃんも後を追います。
駆けつけると、寺子屋では帝国兵が子供を人質にマッシュに要求をつきつけていました。
なんと彼は帝国の元軍師で、しかも五大将軍のカシム・ハジルが今なおこうして「戻ってこいや!!」と脅迫の兵士を差し向けるほどの切れ者だというのです。
そしてフルネームはマッシュ・シルバーバーグ。
シルバーバーグ・・・・って、じゃあやっぱり・・・・!
マッシュ!ひどいこと言ってごめんなさい!!娘が死んだなんて・・・それは、それは悲しかったよね!!苦しかったよね!!!すぐには受け入れられないよね・・・!!!
お詫びにとりあえずこの兵士は撃退します!子供?助けるに決まってる!え?お前ら何者かって?何でもいいだろ!通りすがりの正義の味方です!!
坊ちゃんたちは兵士をやっつけました。子供も解放。
マッシュ!今ようやくあんたのことがわかったよ!話を聞いてくれ、僕達は・・・・!!
振り向く坊ちゃんに注がれていたのはマッシュのものすごくショックを受けた視線でした。
「なんということを・・・・子供達の前で殺し合いをするとは・・・・」
殺ってたんだ自分・・・・
いや、そりゃさ、今まで燃やせとか殲滅とかなんとか色々言ったかもしれないけどさ、心のどこかで峰打ちだって思ってたんだ、実は。本当に殺してたんだ・・・そりゃお尋ね者にもなるよね。
地味に衝撃だ・・・・
しかしマッシュはこの一件で自分の立場についての考えを改めます。
「あなたはセオ・マクドールでしょう。知っています」
ご存知でしたか・・・・。
そしてマッシュ。あなたは、オデッサのお父さ・・・・
「オデッサは私の妹でした」
あ、お兄様でしたか。
いやどうもどうもすみません、ほんと色々申し訳ありません、20くらい歳間違って読んでました。あんまりやつれた顔してらっしゃるのでてっきりもう一世代上かと思ってました。お兄さんでしたかー・・・・そうですかー・・・・苦労されたんでしょうねー・・・ええ・・・
「・・・オデッサは、私のことをなんと言っていましたか?」
え?ええと・・・・
セイカに住む、マッシュという男、と。
「そうですか・・・。やはり彼女は私を、兄としては認めてくれなかったようですね」
ばっ・・・・・!!!
そんなわけあるか!!!認めてない奴にイヤリング渡そうとなんかするわけないだろ!!!オデッサは瀕死の怪我なのに、最後の最後まで頑張ってこれをあんたに渡してくれって頼んできたんだ!!!痛いだろうに苦しいだろうにそう言ってきたんだ!!!認めてない奴のためにそんなことするはずないだろうが!!!
「オデッサは戦いに身を投じ、私は二度と戦いにかかわりたくはなかった。この町で静かに人生を送りたいと願っていた。・・・ですが私はもう世界から眼を背けることはできません」
あ・・・
『あなたはこの現実から目を背けることはできないのよ』
いつか、オデッサに言われた言葉だ・・・・
「セオ殿。共にオデッサの目指したものを目指しましょう」
・・・・うん。そうしよう。
坊ちゃんはついに心を決めます。
もはや自分の身をおくべきは帝国にあらず、オデッサの遺志のある、解放軍。とうの昔に・・・テッドが帝国兵士にボコられたあたりから既に決まっていたような気もしますが、今はっきりと道は示されたのです。
マッシュさん、僕頑張ります。
でもとりあえずイヤリングは貴方に返・・・・
「これは解放軍を継ぐ者が持たなければならない。それは私ではありません。私には人をまとめる力は無い。しかし貴方にはそれがある」
何。
「オデッサだって本当はあなたに託したかったのです。私にはわかります」
・・・いやちょっと待ってくれ。それは何か。解放軍のリーダーになれということか。そんなことをここで決めていいのか。フリックとかあの辺除いて決めていいんですか。
グレミオ。ダメだよね。いくらなんでもいきなりリーダーはさすがにまずいよね。
「私はぼっちゃんの意思に従いますよ」
お前なんで今日だけ特別!?
今まで散々帝国に戻れなくなる戻れなくなるって言ってたじゃん!!いつの間にスタンス変わったの!?
ちょ・・・クレオ!お前は・・・
「いいね。いい加減、腐った帝国には嫌気がさしていたんだ」
やる気満々でした。
・・・わかりました、マッシュさん。僕やります。もう完全アウェーです。ビクトールは聞くまでも無い。
オデッサ・・・なんか不満があったら夢枕にでも立ってくれ。できればマッシュの方の枕に。
かくして解放軍のリーダーに大抜擢された坊ちゃん。
オデッサの遺志を継ぎ、人々の自由を取り戻す戦いが始まります!
・・・しかしこの時彼らはまだ知りませんでした。
軍師・マッシュが一体どういう人間かということを・・・・
今から思えば、サラディの夜のいい雰囲気の一幕・・・・は、明らかに坊ちゃんの思い過ごしでした。
オデッサは大人の女性。人との別れのたびにピヨピヨ泣いているこんなヒヨッコを相手にしてくれるわけもなかったのです。
けどもううちの坊っちゃんの初恋は間違いなくオデッサだったと思う・・・そういう感じでここまで来てしまった。いんだよ。男の年齢とツボにはまるキャッツアイ三姉妹の年齢は反比例するって言うじゃないか。坊ちゃんはまだ泪さんに憧れたい年頃なんだよ。そのうち瞳で地獄を見て愛ちゃんに癒しを求めるようになるんだよ。男って・・・・・いや、ほんとどうでもよかったそんなこと。
オデッサが思い出の人になってしまった、その翌朝。
宿のカウンター前に集合した坊ちゃん、グレミオ、クレオ、ビクトールは当然ながら元気がありません。2Dの画面なのに肩が丸まってるような気がします。眼、全員真っ赤なんだろうな・・・
重苦しい雰囲気の中、最初に言葉を発したのはグレミオでした。
「私達は・・・行かなければならないんでしょうね。セイカへ・・・・・」
あったりまえだろおおおおおおおおおおお!!!!!
この期に及んでなにぐずぐず言ってんだお前!!オデッサの最後の頼みを聞けないとでも言う気か!!もう既に一個聞けなかったけどね自分!!でもだからこそ、もう一つはなんとしても叶えてあげたいんだよ!!!わかってくれよグレミオ!!!!
「セイカに行くにはクワバの城塞を通らなきゃならんな・・・・ま、なんとかなるだろう」
ビクトールが何とかなるというならなんとかなるんでしょう。また賄賂とか渡すんだと思う。それで駄目だったら火をつけるんだと思う。こうして改めて書くとものすげえタチ悪いなこの人。
クワバの城塞はレナンカンプの南にありました。
万里の長城のごとく、大陸の東西を長々と遮っており、城塞を通らなければ一歩も先へ行けません。
ところがこの城塞を守っているアイン・ジードなる人物は、テオ・マクドールとも知己で、息子であるセオの顔をよく知っている人物だとクレオがいうのです。彼に見つかったら手配中の反逆者としてセオはひっとらえられてしまうだろう、と。
できるだけ敵に顔を見られないように通過してください、と無茶な要求をされる坊ちゃん。わずか4人のメンバーで、隠れられるところも隠せる物もありません。ちょっと待って皆。城塞についてからそういうこと言わないで。先走らないでなんかもっと準備してから来るべきだったんじゃないのここ。ビクトール、お前なんか考えあるんだろ?あるんだよね?
「とりあえず、偽名を使うか」
浅ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
底が水面上にあるくらい考えが浅ぇ!!!!!顔が問題だっつってんだろ!!!どこのバカがこの状況で「セオ・マクドールです」って名乗るんだよ!!!お前がポョニール3世、俺がダチョウの体ぐらいじゃないと誤魔化せねんだよこの場所はよ!!!
「じゃあ私はロイ、で」
「私はマリアとしておこうか」
乗ってんじゃねえよ!!反論して誰か!!
「俺はシュトルテハイム・ラインバッハ3世だ」
お。ポョニールと近いとこ来た!意外!そうか、謎のダチョウ売りになる覚悟ができたか!
じゃあ僕はダチョウの体で!
・・・・しかしそんなコマンドは出なかったので、仕方なくシュトルテハイム・ラインバッハ4世を名乗るセオ。
いや・・・・選んじゃうだろ、この選択肢・・・・普通はさ・・・・
かくしてビクトールと仮面親子になった坊ちゃんは城塞に挑みます。
入るなり兵士が出てきました。
「待て!」
はい、なんでしょう?こちとらぺーぺーの旅芸人で決して怪しい者では・・・・
「ん?そこの奴・・・手配中のセオ・マクドールに似ている気が・・・・」
一発でばれたよ。後ろ向いてたのに。
何気に超有名人になってるよ。いつの間にだよほんと。
しかもアイン・ジード出て来た。
「まずいな・・・彼に顔を見られたら・・・・」
ごめん、クレオ。もう見られてる。じいさんすごい勢いでガン見してきてる。内蔵まで透視されそう。
どうする?逃げる?それとも、火?
旅を始めてから続けざまに襲い来るピンチに、坊ちゃんは脱力気味です。
しかし、その時でした。
「この野郎!!!」
いきなりグレミオが殴りかかったのです。坊ちゃんに。
「もう我慢できないぞ!!お前はことあるごとに俺達の足を引っ張りやがって!!!!」
こ、これは・・・・勧進帳!!?
「お尋ね者に間違えられるぐらいなら、いっそこの場でお前を処断してやる!!!」
勧進帳だ!!!弁慶だ!弁慶がいる!!!
彼に殴り飛ばされ、城塞の壁に激突する坊ちゃん。
あまりの勢いにうろたえる兵士。
「ちょ・・・ちょっと待てお前・・・・」
「いいえ!反逆者に間違われるなど不名誉も甚だしい!今すぐこいつの首を斬って汚名を晴らして差し上げます!」
「そ、そこまでしなくても・・・・!」
「・・・・もう良い。いかせてやれ」
と、言ったのは、先ほどから無言で一行を眺めていたアイン・ジードでした。
「しかし!」
「いい。通してやれ」
じいさん・・・あんた・・・・
「・・・・・・父親を大切にな」
富樫左衛門様ーーー!!
あんた、あんた・・・・!!帝国はまだ死んでないよ!!敵にもいい人がいた!
ていうかむしろこっちが親父をよろしく!
僕はこの先どうなるかわかりません!
こうして一行は安宅関・・・もといクワバの城塞を抜けることができました。
無事に抜けられた瞬間、坊ちゃんに詫びるグレミオ。
「坊ちゃん・・・・申し訳ありませんでした。通るためとは言え、坊ちゃんにあんなことを・・・・!」
わかってるさグレミオ。お前が弁慶だってことは。
ほんとは誰より僕のことを考えてくれてるんだ。ずっと昔からそばにいてくれたんだ。なんだかんだいって僕はお前が大好きなんだ。わからないわけ無いじゃないか。
・・・・ただ、あれだな。首斬るっていうのはリアルで怖かったかな。弁慶は杖だけど、お前の武器は斧だから。
パーンのこともあるし、万が一の瞬間がちょっと頭をよぎらなくもなかったな。でもわかってるよグレミオ。世界中の誰が裏切ってもお前だけは裏切らないって、ちゃんと知ってるよ。
セイカはもうすぐ、目の前でした。