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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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30年前の料理本(アメリカ編)から、カキのシチューを作ってみた。

汁ごと沸騰させたカキに生クリームと牛乳を投入し、塩と胡椒で味を調える。
味見。


・・・・・・・


これは駄目だ。


これはとても駄目だ。



シチューとかそういうレベルじゃない。生臭い塩味のホットミルク以外の何物でもない。
速攻で鍋に水を足してタマネギ人参ジャガイモとマギーブイヨン放りこみ、クラムチャウダーの間違った奴くらいには戻しましたが、危ないところだったぜ・・・

新しい料理を試して味見した瞬間に危険に気づくのって、霧が晴れたら足元に崖があったのと大体同じ気持ちだと思う。
危うく料理失敗しかけた春麗と聖衣の墓場の紫龍は、ほぼ同じ衝撃を受けたと思っていい。たぶん。
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昼まで寝た上にさらに昼寝とゴロ寝を重ね、私がタテになっていた時間は実に4時間程度しかない本日。
己のダメ人間さに呆然とするうちにその4時間もあらかた消費しました。

・・・辛うじて鍋だけは作った。これで数日は適当に食っていける。
料理に燃えていた時代が懐かしいぜ・・・

鍋と言えば、私は十勝鍋が好きです。鮭と豚肉で味噌。大量の白菜とキノコ、豆腐。
あとは白飯に漬物があればパラダイスよ。
いいねえ鍋。
いつまでもイギリスにツッコミ入れてる場合じゃないんです。既にフランスとアメリカまで読んでしまっている。手早く巻いて行きましょう。

魚の次は狩りです。私が荒読みで食材撃ってこいといわれてびびった、あの狩りの下りです。
1ページにでかでかと狩人の写真が出ています。太ったフル装備のおっさんが無造作にライフルを弄んでいる図という、料理本にあるまじき一枚です。
一緒に獲物とかうつってないからね。マジでおっさんのブロマイドですよ。むしろグラビアだよ。誰得だよ。

きっと凄い人なのでしょう。百戦錬磨の狩人みたいな。もしかしたらこう見えて貴族かもしれません。
写真の脇に、説明が添えてあります。

「彼は『ラフ・シュート(荒っぽい狩猟)』をする会の会員である。勢子たちも雇わず、きびしい規則にも従わない連中たちである」


ただの迷惑なオッサンじゃねえか!!!!


迷惑どころか婉曲に言ってるけどそれ要するに密猟なんじゃ無いのか!?
と思ったら開始13行で「この密猟者は私の友人である」ってカミングアウトしてた。
おいこらイギリス!
「当時私は10歳、彼は40歳くらい」って、どうでもいいわ、なんで微妙に初恋語りっぽいんだよ!!

・・・とりあえず、写真の密猟者と本文の密猟者(著者友人)は別人でした。そんなにごろごろいるのかよ密猟者!

巻けない・・・ネタ多すぎるイギリス・・・

ちなみに後半はちゃんとした狩りの話で、スーツにハンチングなんか被った紳士が雷鳥を撃ってます。
雷鳥40羽並べてライフル片手に一列に並んだ英国紳士の写真は、なかなかにマフィアにしか見えない出来です。怖ぇよ。

キジや白鳥のローストとか詰め物の話とか、料理の話も載ってるんですけどね・・・
写真のインパクトが強すぎて、それどころではない狩猟編でした。


・・・よくみたら密猟者のおっさんのずっと向こうに、こっちみて佇む人影がぼんやりうつってる。
怖ぇよ!
久々にイギリス料理です。
この話楽しみにして下さっている方、ありがとうございます。
本のタイトルは「世界の料理」でTIME LIFE BOOKS社から発刊されたものです。
「世界の料理 タイムライフブックス」で検索すると出て来ます。

さて、イギリスの魚料理ですが。
筆者は言います。

「イギリス人にとって懐かしい祖国の味といえば、それはローストビーフにヨークシャープディングである。アメリカ人ならハンバーガーにアップルパイ。フランス人はかえるの脚からかたつむりまでソースをかければなんでも食べる。ドイツ人は・・・」

おいもうここ第7章だぞ、いつまでフランス敵視してんだ。かえるからかたつむりって実は全く幅無いしな。要するに「そんなローストビーフと同じくらいフィッシュアンドチップスが好き」と言いたいだけなのに、なんでわざわざ遠回りしてフランスに腿パンくらわしてからじゃ無いと先に進めないんだ。

ともあれ、イギリスの魚料理といえばフィッシュアンドチップスです。
これが世界の勝手な思い込みイメージである可能性は、筆者の「1日おきに食べてる」という供述により完全に否定されました。むしろ思い込みが足りなかった。そこまで食ってるとは思わなかった。日本でその頻度が許されるのは夏場の素麺くらいだ。

フィッシュアンドチップスは揚げた白身魚とフライドポテトのことです。塩と酢を振って食べます。
ただ魚を揚げただけと思ってたんですが、意外と衣が凝ってました。小麦粉に卵黄と塩とビール、牛乳、泡立てた卵白を加えて作るそうです。
へぇー。

他にも色々な魚料理が出てます。
今回は料理と言ってよろしい、これまで塊のまま茹でたりなにもせずに焼いたりしてた肉について「もう少しなんとかしろよ」と思ってたものですが、こと魚に関しては言ってあげたい、「そんなに色々するなよ」と。

ゼリーにされたりレモン混ぜてパイにされたり小麦粉まぶして揚げたりされているウナギとか。
「もし私が釣ったとしたらレモンとタイムといっしょに【ゆっくり茹でて】からバターソースで食べる」宣言されてる鮭とか。
ダブリンの舌ビラメに至っては、白ワインで茹でた挙句に濃いクリームソースをぶっかけられ、「これだけ手をかければドーヴァーの舌ビラメと同じくらいおいしくなるかと思ったが、無駄だった。代用品は所詮代用品だ」などという、もうこの後ダブリンの舌ビラメが絶望したまま筆者に消されるか、或いは筆者の方が逆上したダブリンの舌ビラメに暗殺されてその地位を奪われるかどちらかの展開しか思いつかない台詞でもって見限られています。

日本人としてはダブリンの舌ビラメに、俺達と一緒に来いよと言ってやりたい。
俺たちは魚を茹でたりなんかしない、たとえ茹でることがあっても、それはダシを取るためで、汁を捨てたりなんか絶対にしない。お前が悪いんじゃ無い、ダブリンの舌ビラメ。ただ料理法が悪かっただけなんだ・・・

同じ島国なのにこの味覚の違いは何なのか。
色々考えてしまう魚編でした。
すみません、私はイギリス料理を舐めていました。
なんていうか、ツッコミ所ももう出切ったろういくらなんでも、と思ってました。

甘かったです。


ここまでパンとケーキと紅茶の話を熱烈に語ってきた本書。しかし第四章「牛肉を愛する人々」で筆者は言います。「牛肉こそ最もイギリス的な食べ物」だと。
何よりもロースト・ビーフが好きなのだと。
国民が最も大切にしているイギリス料理といえばロースト・ビーフであり、その王座は何百年もの間揺らいでいない、と。

・・・この本ね、文章中にこういう「何世紀も同じもの食べてる」的な記述が多いんだけど、それってどうなんだろう。太平洋諸島は植民地化されてたせいで色んな食文化が入ってきて混ざって美味しそうな料理になってました。イギリスがかたまりのままゆでたハムのまま夕食にしてしまうのは、誇らしく何世紀も同じ物を食ってるからなんじゃないでしょうか。
まあでも・・・確かにロースト・ビーフは一度完成されたらそうそう料理法変わるようなものではないか・・・


レシピ・ロースト・ビーフ
材料・・・牛の上ロース肉 2.7キロ。以上。



変えろ。料理法を。

マジで材料欄に肉しか書いてありません。塩も胡椒もありません。いくらなんでもそれは無いだろ、20行にわたる「作り方」の中に実はさりげなく入ってるんだろと思って読んだら20行フルで温度調節のことしか書いてねえーー!!かたまりのままゆでたハムは水があるだけマシだった!
何百年も変えてないとか嘘じゃん!石器時代から変って無いじゃん!
そうかロースト・ビーフがあるならイギリス料理も捨てたもんじゃ無いとか思った私が馬鹿だった!


「18世紀のイギリスは食べ物がおいしいことで有名だった」

うそつけええええ!!ここに来てまだ言うかお前!!

「が、イギリス人が焼き串の代わりにオーブンで肉を焼くようになってから味が落ちたと言われる。この意見は無視できない」

そこじゃねえええええ!!何カッコつけて「無視できない」とか言ってんの!?

「肉は炎で直火で焼くのが最も自然で最もおいしい。中世の金持ちには肉の金串を回す役目の少年が一人か二人はいた。それほど金持ちで無い家は、荷車の車輪くらいの大きさの丸い枠の中に犬を入れ、犬が走ると焼き串も回転する仕掛けを使った」


オーブンで焼け。

わんこを何に使ってんだ。つうかその仕掛けで本当に上手く肉が焼けたらイギリスですごいのは料理じゃなくて犬の方だ。


第四章は、「たとえ時代が変って人間の食事が栄養剤を食べるだけになっても、最後まで時流に逆らって肉を食べ続けるのはイギリス人だろう」と締めくくられています。

・・・微妙に的を射てるような30年前の文章がハラタツ。
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