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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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ところで・・・・

ダッバーワーラーという職業は、「植民地時代のインド人が、職場で出されるイギリス飯に堪えかねて自宅から弁当を運ぶ人を雇った」のが始まりだそうで、イギリスが何を昼飯に出してたのかが気になります。
食材のタブーが複雑とか、カースト制度のために外食がままならない等の背景も色々考察されていますが、多分それ以前の問題があったんだろう。
塊のまま茹でたハムとか45分茹でた野菜が毎日出たんだきっと。


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昆虫食文化辞典。190ページかけて各国の昆虫料理から風味栄養、採取、養殖方法を語った後に、「Ⅷ.食品混入昆虫」の章が設けられています。
この本に「虫が食品に混入する」という概念があることにびびりました。
散々ミールワームのトルティーヤとか女王蜂幼虫のオムレツとか出しておきながら今さら何を。やっぱり料理じゃなくて混入だったのかあれは。

しかし読んでみるとやはりこの本はこの本でした。

まず、昆虫は種類も個体数も多いのであらゆる食品に混入している、純粋な食品など望めない、と逃げ道を断つところから話は始まります。しばらく、いかに昆虫が普段の食品に入っているかの力説が続き、よって我々は好む好まざるにかかわらず昆虫を食べているのだ、となって、世界にはそうした混入昆虫を気にせず食べている人もいる、という、あたかも人類が積極的に虫を食ってる風な方向へと導いていきます。おい待て。無茶をするな。

そしてこの章の本題に突入します。つまり、「食品に混入した昆虫を知らずに食べたため、具合が悪くなるということがあるであろうか」というところです。
虫が混入したからって何が悪い!食えよ!と言いたいのです。

『日本でも、食物混入昆虫を食べた時の身体に及ぼす影響が調べられている。チャタテムシ目のヒラタチャタテ成虫1,250匹という大量を小麦粉に混ぜて油で揚げたものを、1日1回、3日連続して8人の成人男性健常者に食べてもらい、医師による血液検査などを行った』

無茶をするなよ。

昆虫食を擁護するために大切な何かを見失ってないか。チャタテ虫千匹・・・うおぇ。
『測定値は何れも基準値の範囲内で(中略)したがってチャタテムシを摂取した場合の健康への影響は極めて低いと判断された』
チャタテ千匹はもうそういう問題じゃないんだよ。健康に問題ないから食えとかそういうことじゃないんだよ!

『昆虫自体、あるいはその一部が混入することを防ぐことは事実上不可能である。それではどうすれば良いかと言うと(中略)気にせず食べてしまうことである

ことである、じゃねえええええ気になるわ!めちゃくちゃ気になるわ!

『残留を気にしながら有毒な殺虫剤を使うより、多少とも栄養にプラスになる昆虫を食べるほうがベターであろう

栄養にプラスとか言い始めた!昆虫が混ざってる方が得だみたいな感じになってきた!

『日本では、昆虫などの異物が食品に混入することに異常といえるほど神経質になっていて、購入した食品から例えば、ゴキブリの死骸が見つかったりすると、そのメーカーはロットの全部を回収して処分したりすることになる。これは行き過ぎではないかと思う』

なんでいきなり最強の虫持ち出してきた。

言わんとすることはわかる!しかし!読者の同意を得たいならここはもっとほかのマイルドな虫から入るべきだったのではないか!
ゴキブリに対するハードルがあんたとこっちじゃ全然違うんだよ!気付いて!

著者がいいなあと思っているのはアメリカの混入基準だそうで、一定量に対し虫の痕跡がこれ以上なら欠陥品、それ以下なら許容、というのが食品ごとに決められているのだそうです。
例えばピーナツバターだと「100g中に平均30個以上の昆虫断片が存在する場合」は欠陥品となります。29個以下なら可です。多くね?

そうしたアメリカの、食品ごとの基準が4ページ半に渡りこれでもかとリストアップされているんですが、混入があったとしてそれがどういう欠陥にあたるのかが右端に記載されており、70数件全て「見付きを損なう(見た目が悪い)」になっています。
健康に悪いわけじゃないんだぞという執念の主張を感じます。

著者もとにかく「混入など気にするな」と言いたいだけの章だったのでしょう。「Ⅷ.食品混入昆虫」は、リストを除いて実質わずか3ページ半しかありませんでした。

やっぱりこの本に、「昆虫の食品混入」という概念は、無いわ。
昆虫食関係ないんですけど、虫の話ばっかり読んでると日常の色んな物が全て虫に誤認されていくようになるもんですね。

ミスチルの「タガタメ」が「タガメ」に見えたので、もう寝ようかと思います。
昆虫食辞典には、ゴキブリの食べ方も当然載っています。

『クロゴキブリの頭、翅、脚を採り、消化器を取り除いたものをポン酢で食べると、特有の臭気があるが、食べられないことは無い』

それはゴキじゃなくてポン酢なんじゃないのか大事なの。

『消化器を取り除いて腹部に塩を少量詰めて焼いたものはイナゴに似て、悪い味では無い』

この消化器を取り除く、っていうのが他の虫でも良く出てくるんですけど、イメージつかないんですよね。ちっさい虫なのにそんなのわかるものなんでしょうか。

『また、良質の油でサーっとから揚げにしたものはシバエビのから揚げに似ている』

なんでこんな徐々に誘導してく書き方なんだ。
最初まずそうな感じで始まってたのに3歩でシバエビにまで到達したよ。ゴキなのに。

あと、卵鞘を日本酒に入れておくと酒の味が良くなり、安ウイスキーに入れてしばらく寝かせるとまろやかになるそうです。
どんなにそれが真実だったとしても買った酒にゴキの卵が入っていたらヤフーニュースのトップを飾るだろうがな。
なんかこう、異物混入=料理というあってはならないはずの等式が時々ありますね。この本のレシピにはね。

ゴキに関しては食用よりも薬用に関する記述の方が熱いです。内出血に効くんだそうな。ほんとかよ。骨折の痛みも軽減してくれるらしい。ほんとにほんとかよ。
漢方で癌に効くとされているゴキの分類表もありました。

ワモンゴキブリ :腎臓癌
クロゴキブリ  :腎臓癌
コワモンゴキブリ:腎臓癌
コバネゴキブリ :腎臓癌
チャバネゴキブリ:腎臓癌

分ける必要あるかこれ。
ピボット間違えて組んだみたいになってるじゃん。癌を左に虫を右に持ってくれば1行で済んだんじゃないの。

『(ゴキは)飼育により生産することができる』

・・・いや、うん。できるだろうよそれは簡単に。ゴキだもの。

深まっていくゴキブリの世界。
薬効はあくまで文化として「そう看做されてきた」の話で、科学的根拠の記載は皆無ですが、興味深いことです。
あとは、朝鮮戦争で捕虜になった米兵が丸一ヶ月ゴキブリだけを食べて生き延びたという話があって、ガタイの良いアメリカンが一ヶ月生きられるならゴキ同士の共食いだけであいつらどこまでも生き続けるわと思いました。栄養豊富なのね。絶望したわ。

以上、ゴキの話でした。
昆虫食文化辞典を読んでいると、昆虫食に対するハードルが下がってくるのは確かです。
バッタフルーツケーキとか、虫を乾燥粉末にしているのは、なんか行ける気がしてきた。
あと、カミキリムシの幼虫は凄く美味しそうなので、最初の一口を超えれば結構その味に抵抗が負けるんじゃないかという気がしてきた。


・・・気がしてきたんですがね。


■ハエのラビオリ
中に詰める具として肉の代わりにハエ成虫を2匹ずつ入れて、ラビオリを作る。


これはだめだ。

料理っていうかただのとてつもない異物混入じゃない?嫌がらせ以外の何物でもなくない?
「こくのある赤ワインが良くあう」じゃねーよ、なにまともな料理みたいに書いてんだ。

やっぱハードル全然下がって無かった。越えようとしたら飛びあがって股間を強打してきた。
無理です。



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