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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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オレンジレンジの「アスタリスク」。・・・いい歌だ・・・星矢でも幻水でもどっちでもいけるじゃないか・・・

しかしアスタリスクならまだいいんですが、嵐の「Love so sweet」で涙出てくるようになったのはいよいよ歳のせいでしょうか。別に彼氏はないし別に恋愛はしてないし別に花男も見てないし何一つシンクロ因子なんか無いはずなのになぜ・・・・・ああ、わかった。むしろ彼氏がいないから泣けるんだ。そうですね。そうでしたね。痛ぇぇぇぇぇぇぇぇ。

何が言いたかったかっていうと、アスタリスクがいい曲だね、っていうのと、最近なんだか妙に嵐のからっきしに明るい歌が好きになってきましたよ、ってことを言いたかったんです。
そして、幻想水滸伝のマッシュ・シルバーバーグ軍師は、そういう歌が微塵も似合わない人でした
(よーし、無理やりつなげた)

この人、カラオケとか行ったら何歌うんだろうなあ・・・何歌っても部下を引かせそうな人だなあ・・・・

そんなマッシュ軍師の最初の仕事。
それは解放軍のリーダーに抜擢されたはいいけれどもぶっちゃけ何をしていいのかまったくわかってない坊ちゃんに次なる指針を与えることでした。

「帝国軍と戦うには戦力がなくてはならない。私達はこれから、多くの仲間を集めなければなりません」

を、ををー・・・なんか、もう個人戦は過去の物になってきた感じです。マッシュは集団VS集団の戦い・・・すなわち戦争を視野に入れているのです。
さ、さすが軍師。伊達に苦労した顔してない

「しかし仲間を集めるには器が必要です。すなわち、拠点となる場所です」

拠点か。前のアジトは敵に知られちゃったし・・・

もっと大きな器が必要です

・・・・すみません。

「トラン湖の湖上に今は廃墟となった城があります。この城を手に入れるのが良いかと考えます。まずは湖のほとりの町、カクへ向かってはいかがでしょう」

城か。いきなり城ときたか。さすが元帝国のお抱え軍師。ガキの遊びにつきあってる暇はありませんぐらいの勢いで一気にスケール広げたぜ。すみませんちょっといいですか、どうしてオデッサに協力してあげなかったんですか。正直その具体的すぎる構想が今降って沸いた物だとは考えづらいんですが、ひょっとしてかなり前から虎視眈々と城の占拠狙ってたんじゃないですか。実は田舎教師で終わる気なんかサラサラ無かったんじゃないですか。どうなんですか軍師。ほんとのところ教えてください。

「・・・私は引越しの準備をしなければなりません。生徒達にも一年分の宿題を出しておきましょう」

逃げたな。
まあいい。真意はいずれ聞く機会もあろう。しかし確かなのはこの男、何気に一年でカタをつける気でいるということだ。オデッサ、君のお兄さんはとんでもなくやる気満々だったよオデッサ・・・・!

つい先ほどまで「自分の行いのせいで人が死んでいくところを見たくない・・・それが敵であれ、味方であれ・・・」などと呟いていた男のメタモルフォーゼっぷりに疑問を感じずにはいられない坊ちゃん。
新入りのリーダーと底知れない軍師。こんな幹部で本当に大丈夫か解放軍・・・・

しかしとにかく先に進むしかないのです。退路はマッシュに塞がれています。壮絶にそんな感じがします。
坊ちゃんは一路、カクへと・・・・・向かう前に、宿屋へ寄りました。

すみません、精神的に疲れたのでちょっと一休みさせ・・・・・・あ。
あああーっ!

「おや、まあ、セオじゃないの。無事だったのかい」

マリーさん!!
テッドと別れ、帝国兵に追われる身となったあの雨の夜、グレッグミンスターの街でたった一軒だけセオのためにドアをあけてくれた人・・・!
どうして、どうしてこんなところに!?

「あたし?あたしかい。いやーー、あんたをかくまってたのがバレちゃってね

え!?

「あ、大丈夫だよ。恨んでなんかないって。これも運命だよね」

マリーさん・・・・
彼女はそれ以上何も言いませんでした。帝国兵に追われた苦労も、ビクトールの食い逃げの件も、何も。
強い女性がここにもいる。

マリーさん!坊ちゃんは頑張ります!頑張って、マリーさんをグレッグミンスターに帰れるようにします!

かくして坊ちゃんは元気一杯宿屋で休み(矛盾)、いよいよカクを目指します。

その先に、マッシュの罠が待っていることなど彼はまだ何も知らなかったのでした・・・知ってたら、少しはレベルを上げていたと思うマジで。
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ええとindexに、その、前からちょこちょこ書いてた、その、なんていうか、お、おりじなる?をUPしてみました。・・・
・・・・
ぎゃ、ギャグじゃないんで!ギャグじゃないし、ベタなんで!だから全然あれなんですけど、お、おりじなるを公開するのが夢だったのでファンタジー大好きなのでがんばったすみませんすみません何でもねええええ!!!!!

幻想水滸伝だよ幻想水滸伝!!!!奥さん、幻想水滸伝が面白いよ!すごいよ!!ご主人もびっくりで夫婦生活も順風満帆だっつーのうらあああああ!!!!


クワバの城塞を抜けて、サイカの町にやってきた一行は、マッシュという男を探します。
通りすがりの生え際が後退しかけてるおっさんに「マッシュの家はどこですか?」と聞いてみたところ、一番奥だと言われます。
行ってみると、そこは寺子屋でした。
子供が3人。マッシュを先生と呼び、とても慕ってるようです。しかしマッシュ本人の姿は見えません。
はて・・・・
すみません、そこのチビスケ。マッシュ先生はどこかな?

「先生はお散歩に行ってるよ」

そうかー散歩かー。いつごろ帰ってくるのかな。待ってても帰ってきそうにないな。ちょっと探しに行ってみるか。
あ、さっきのおっさん!すみません、マッシュ先生見かけませんでしたかー・・・・

彼がマッシュでした。

ひいいいいいいいい!!!!ごめんなさいごめんなさい生え際が後退とか言ってまじですみませんでしたっつーかあんたも自分がマッシュだと最初に名乗れよ馬鹿野郎!!!!(逆切れ)

オデッサの死を伝え、グレミオがオデッサのイヤリングを渡そうとします。
しかしマッシュは受け取りません。それどころか、

「オデッサは死にましたか・・・・馬鹿な娘だ。あんなことに首を突っ込んで・・・」

おい●●!!!!!!
坊ちゃんダメだ!その言葉はいけない!!いくらむかっ腹が立ったからってそれを言ったらこっちが悪だ!!落ち着け!!ビクトールが代わりにメンチ切ってくれてるからまずは落ち着け!!

・・・結局、マッシュはイヤリングを受け取ってさえくれませんでした。
オデッサとは一切関わりあいたくない、そんな感じですらあります。

・・・・いや。彼は悲しんでいます。確かに悲しんでいるのですが・・・・なんというか、もうとっくに覚悟していたことが今現実になった、という感じの無気力さなのです。
そしてさっきのあの台詞。あれはオデッサを良く知っている人の物に他なりません。

もしかしてこの人・・・・オデッサの・・・・父親・・・・?

しかしこちらが問うより早く、彼は寺子屋に閉じこもってしまいました。
どうしてオデッサは彼にイヤリング渡せなんて言ったんだろう?憤りながら首をかしげる一同。
マッシュが出てきてくれないのでは話になりません。話も進みません

どうしようか。また宿に泊まったら何かイベント起きるかな
坊ちゃんが途方にくれた、その時でした。

タイミング良く帝国兵の大群が。

そうか!お前ら来てくれたら話し進むんだこの旅!
彼らは坊ちゃんsをはねとばし、一目散にマッシュの家へ。
兵士様!お願いします!あの人引きずり出して下さい!坊ちゃんも後を追います。

駆けつけると、寺子屋では帝国兵が子供を人質にマッシュに要求をつきつけていました。
なんと彼は帝国の元軍師で、しかも五大将軍のカシム・ハジルが今なおこうして「戻ってこいや!!」と脅迫の兵士を差し向けるほどの切れ者だというのです。
そしてフルネームはマッシュ・シルバーバーグ

シルバーバーグ・・・・って、じゃあやっぱり・・・・!

マッシュ!ひどいこと言ってごめんなさい!!娘が死んだなんて・・・それは、それは悲しかったよね!!苦しかったよね!!!すぐには受け入れられないよね・・・!!!
お詫びにとりあえずこの兵士は撃退します!子供?助けるに決まってる!え?お前ら何者かって?何でもいいだろ!通りすがりの正義の味方です!!

坊ちゃんたちは兵士をやっつけました。子供も解放。

マッシュ!今ようやくあんたのことがわかったよ!話を聞いてくれ、僕達は・・・・!!
振り向く坊ちゃんに注がれていたのはマッシュのものすごくショックを受けた視線でした。

「なんということを・・・・子供達の前で殺し合いをするとは・・・・」

殺ってたんだ自分・・・・
いや、そりゃさ、今まで燃やせとか殲滅とかなんとか色々言ったかもしれないけどさ、心のどこかで峰打ちだって思ってたんだ、実は。本当に殺してたんだ・・・そりゃお尋ね者にもなるよね
地味に衝撃だ・・・・

しかしマッシュはこの一件で自分の立場についての考えを改めます。

「あなたはセオ・マクドールでしょう。知っています」

ご存知でしたか・・・・。
そしてマッシュ。あなたは、オデッサのお父さ・・・・

「オデッサは私のでした」

あ、お兄様でしたか。
いやどうもどうもすみません、ほんと色々申し訳ありません、20くらい歳間違って読んでました。あんまりやつれた顔してらっしゃるのでてっきりもう一世代上かと思ってました。お兄さんでしたかー・・・・そうですかー・・・・苦労されたんでしょうねー・・・ええ・・・

「・・・オデッサは、私のことをなんと言っていましたか?」

え?ええと・・・・
セイカに住む、マッシュという男、と。

「そうですか・・・。やはり彼女は私を、兄としては認めてくれなかったようですね」

ばっ・・・・・!!!
そんなわけあるか!!!認めてない奴にイヤリング渡そうとなんかするわけないだろ!!!オデッサは瀕死の怪我なのに、最後の最後まで頑張ってこれをあんたに渡してくれって頼んできたんだ!!!痛いだろうに苦しいだろうにそう言ってきたんだ!!!認めてない奴のためにそんなことするはずないだろうが!!!

「オデッサは戦いに身を投じ、私は二度と戦いにかかわりたくはなかった。この町で静かに人生を送りたいと願っていた。・・・ですが私はもう世界から眼を背けることはできません」

あ・・・
『あなたはこの現実から目を背けることはできないのよ』
いつか、オデッサに言われた言葉だ・・・・

「セオ殿。共にオデッサの目指したものを目指しましょう」

・・・・うん。そうしよう。
坊ちゃんはついに心を決めます。
もはや自分の身をおくべきは帝国にあらず、オデッサの遺志のある、解放軍。とうの昔に・・・テッドが帝国兵士にボコられたあたりから既に決まっていたような気もしますが、今はっきりと道は示されたのです。

マッシュさん、僕頑張ります。
でもとりあえずイヤリングは貴方に返・・・・

「これは解放軍を継ぐ者が持たなければならない。それは私ではありません。私には人をまとめる力は無い。しかし貴方にはそれがある

何。

「オデッサだって本当はあなたに託したかったのです。私にはわかります

・・・いやちょっと待ってくれ。それは何か。解放軍のリーダーになれということか。そんなことをここで決めていいのか。フリックとかあの辺除いて決めていいんですか
グレミオ。ダメだよね。いくらなんでもいきなりリーダーはさすがにまずいよね。

「私はぼっちゃんの意思に従いますよ」

お前なんで今日だけ特別!?
今まで散々帝国に戻れなくなる戻れなくなるって言ってたじゃん!!いつの間にスタンス変わったの!?
ちょ・・・クレオ!お前は・・・

「いいね。いい加減、腐った帝国には嫌気がさしていたんだ」

やる気満々でした。

・・・わかりました、マッシュさん。僕やります。もう完全アウェーです。ビクトールは聞くまでも無い
オデッサ・・・なんか不満があったら夢枕にでも立ってくれ。できればマッシュの方の枕に

かくして解放軍のリーダーに大抜擢された坊ちゃん。
オデッサの遺志を継ぎ、人々の自由を取り戻す戦いが始まります!

・・・しかしこの時彼らはまだ知りませんでした。
軍師・マッシュが一体どういう人間かということを・・・・

寝てしまったあああああ!(こんな時間まで:13時)。時間が無い!30分で書けるとこまで書きます!

今から思えば、サラディの夜のいい雰囲気の一幕・・・・は、明らかに坊ちゃんの思い過ごしでした
オデッサは大人の女性。人との別れのたびにピヨピヨ泣いているこんなヒヨッコを相手にしてくれるわけもなかったのです。
けどもううちの坊っちゃんの初恋は間違いなくオデッサだったと思う・・・そういう感じでここまで来てしまった。いんだよ。男の年齢とツボにはまるキャッツアイ三姉妹の年齢は反比例するって言うじゃないか。坊ちゃんはまだ泪さんに憧れたい年頃なんだよ。そのうち瞳で地獄を見て愛ちゃんに癒しを求めるようになるんだよ。男って・・・・・いや、ほんとどうでもよかったそんなこと。

オデッサが思い出の人になってしまった、その翌朝。
宿のカウンター前に集合した坊ちゃん、グレミオ、クレオ、ビクトールは当然ながら元気がありません。2Dの画面なのに肩が丸まってるような気がします。眼、全員真っ赤なんだろうな・・・
重苦しい雰囲気の中、最初に言葉を発したのはグレミオでした。

「私達は・・・行かなければならないんでしょうね。セイカへ・・・・・」

あったりまえだろおおおおおおおおおおお!!!!!
この期に及んでなにぐずぐず言ってんだお前!!オデッサの最後の頼みを聞けないとでも言う気か!!もう既に一個聞けなかったけどね自分!!でもだからこそ、もう一つはなんとしても叶えてあげたいんだよ!!!わかってくれよグレミオ!!!!

「セイカに行くにはクワバの城塞を通らなきゃならんな・・・・ま、なんとかなるだろう」

ビクトールが何とかなるというならなんとかなるんでしょう。また賄賂とか渡すんだと思う。それで駄目だったら火をつけるんだと思う。こうして改めて書くとものすげえタチ悪いなこの人。

クワバの城塞はレナンカンプの南にありました。
万里の長城のごとく、大陸の東西を長々と遮っており、城塞を通らなければ一歩も先へ行けません。

ところがこの城塞を守っているアイン・ジードなる人物は、テオ・マクドールとも知己で、息子であるセオの顔をよく知っている人物だとクレオがいうのです。彼に見つかったら手配中の反逆者としてセオはひっとらえられてしまうだろう、と。

できるだけ敵に顔を見られないように通過してください、と無茶な要求をされる坊ちゃん。わずか4人のメンバーで、隠れられるところも隠せる物もありません。ちょっと待って皆。城塞についてからそういうこと言わないで。先走らないでなんかもっと準備してから来るべきだったんじゃないのここ。ビクトール、お前なんか考えあるんだろ?あるんだよね?

「とりあえず、偽名を使うか」

浅ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
底が水面上にあるくらい考えが浅ぇ!!!!!顔が問題だっつってんだろ!!!どこのバカがこの状況で「セオ・マクドールです」って名乗るんだよ!!!お前がポョニール3世、俺がダチョウの体ぐらいじゃないと誤魔化せねんだよこの場所はよ!!!

「じゃあ私はロイ、で」
「私はマリアとしておこうか」

乗ってんじゃねえよ!!反論して誰か!!

「俺はシュトルテハイム・ラインバッハ3世だ」

お。ポョニールと近いとこ来た!意外!そうか、謎のダチョウ売りになる覚悟ができたか!
じゃあ僕はダチョウの体で!

・・・・しかしそんなコマンドは出なかったので、仕方なくシュトルテハイム・ラインバッハ4世を名乗るセオ。
いや・・・・選んじゃうだろ、この選択肢・・・・普通はさ・・・・

かくしてビクトールと仮面親子になった坊ちゃんは城塞に挑みます。

入るなり兵士が出てきました。
「待て!」
はい、なんでしょう?こちとらぺーぺーの旅芸人で決して怪しい者では・・・・

「ん?そこの奴・・・手配中のセオ・マクドールに似ている気が・・・・」

一発でばれたよ。後ろ向いてたのに。
何気に超有名人になってるよ。いつの間にだよほんと。
しかもアイン・ジード出て来た。

「まずいな・・・彼に顔を見られたら・・・・」

ごめん、クレオ。もう見られてる。じいさんすごい勢いでガン見してきてる。内蔵まで透視されそう。
どうする?逃げる?それとも、火?
旅を始めてから続けざまに襲い来るピンチに、坊ちゃんは脱力気味です。

しかし、その時でした。

「この野郎!!!」

いきなりグレミオが殴りかかったのです。坊ちゃんに。

「もう我慢できないぞ!!お前はことあるごとに俺達の足を引っ張りやがって!!!!」

こ、これは・・・・勧進帳!!?

「お尋ね者に間違えられるぐらいなら、いっそこの場でお前を処断してやる!!!」

勧進帳だ!!!弁慶だ!弁慶がいる!!!
彼に殴り飛ばされ、城塞の壁に激突する坊ちゃん。
あまりの勢いにうろたえる兵士。

「ちょ・・・ちょっと待てお前・・・・」
「いいえ!反逆者に間違われるなど不名誉も甚だしい!今すぐこいつの首を斬って汚名を晴らして差し上げます!」
「そ、そこまでしなくても・・・・!」

「・・・・もう良い。いかせてやれ」

と、言ったのは、先ほどから無言で一行を眺めていたアイン・ジードでした。

「しかし!」
「いい。通してやれ」

じいさん・・・あんた・・・・

「・・・・・・父親を大切にな」

富樫左衛門様ーーー!!
あんた、あんた・・・・!!帝国はまだ死んでないよ!!敵にもいい人がいた!
ていうかむしろこっちが親父をよろしく!

僕はこの先どうなるかわかりません!

こうして一行は安宅関・・・もといクワバの城塞を抜けることができました。
無事に抜けられた瞬間、坊ちゃんに詫びるグレミオ。

「坊ちゃん・・・・申し訳ありませんでした。通るためとは言え、坊ちゃんにあんなことを・・・・!」

わかってるさグレミオ。お前が弁慶だってことは
ほんとは誰より僕のことを考えてくれてるんだ。ずっと昔からそばにいてくれたんだ。なんだかんだいって僕はお前が大好きなんだ。わからないわけ無いじゃないか。

・・・・ただ、あれだな。首斬るっていうのはリアルで怖かったかな。弁慶は杖だけど、お前の武器はだから。
パーンのこともあるし、万が一の瞬間がちょっと頭をよぎらなくもなかったな。でもわかってるよグレミオ。世界中の誰が裏切ってもお前だけは裏切らないって、ちゃんと知ってるよ。

セイカはもうすぐ、目の前でした。

日中、あまりの眠さにデータ加工をしながら舟をこぎまくって、100と3つの世界の川を巡り歩いた骨と皮~の男なるところでした。眠い。眠すぎる。こんなに眠いのは普通じゃない。PCの画面から睡眠電波が出てるとしか思えない。たとえドン・ガバチョが出てきても驚く気力すらない。ドン・ガバチョ?出てくんじゃね?Intel入ってんじゃね?もうなんかそんな感じでぐだぐだです。

しかしゲームの中では元気です。

火炎槍の設計図をカゲに渡した坊ちゃん一行は、用事が済んだのでレナンカンプに帰りました。
帰途で再び虎狼山を越えましたところ、今度は誰も休もうって言わなかった。あまりにもスルーすぎる空気に逆に気を使ってルドンに顔見せに行った。奴もノーリアクションだった。普通の宿屋のフリしてた。もういいよ、ちくしょう。さっさと帰ればいいんだろ!帰る帰る!こんなクソ寒い山もう二度と来ない!レナンカンプはいいところだね!けやき亭のご主人、坊が只今帰りましたよー・・・・・・

何で倒れてんですか床に。

宿の入り口をくぐったとたん目の前で昏倒している人イベントでした。これには坊ちゃんもさすがに度肝を抜かれました。
ちょっと!大丈夫!?生きてる!?

「て・・・帝国の奴らが・・・・」

またあいつらかよ!!正直うぜぇよ!!なんなのもう!用があるなら事前に連絡しろよ!連絡してくれたらこっちだって相応におとといきやがれって言ってやるんだよ!!それがプロミス大人のマナーだわかったか!!・・・・あ、オデッサ!馬鹿、一人で行くな!危ない!

アジトを心配したか新入りに付き合いきれなくなったか、奥へと駆け出して行ってしまったオデッサをあわてて追う坊ちゃん。
大時計を蹴倒し、地下へ飛び降ります。

そこには大量の帝国軍兵士がいて、どっからどう見ても現場は占拠されているようでした
フリックもサンチェスもハンフリーもいません。
飛び込んでいったオデッサも姿が見えません。

オデッサ!どこ!?まさかもう敵にとっつかまったんじゃなかろうな!どうしよう、この辺の兵士どつき倒せば出てくるか!?おらああああオデッサ返せこの野郎!!!・・・ん?クレオがなんか紋章使えるようになってるだと?かたつむりとの戦いでレベルアップしたせいか!よし、クレオ!その炎の紋章で、こいつら全員焼き尽くしてくれ!!

そこはかとなく荒ぶる解放軍としての底力を発揮しはじめる主人公。
帝国のジッパヒトカラゲどもなど物の数ではありません。ばったばったとなぎ倒し、適当に金を巻き上げ、さらにアジトの奥へと進もうとしたその時です。

「きゃあああああああーーーーーっ!!」

オデッサの悲鳴が響き渡ったのでした。



駆けつけた坊ちゃんの目の前で、オデッサは倒れていました。その前に二人の兵士。
全力で葬り去ります。邪魔
とっとと失せろ!二度と沸いてくるな!
オデッサ!無事か!?

駆け寄ると彼女はよろよろと半身を起こしました。
そして、

「さ、さあ・・・もう大丈夫よ。出てきなさい・・・」

・・・!

彼女の影には小さな子供が隠れていました。
どうやらオデッサは身を挺してその子を庇ったらしいのです。
早く逃げなさいといわれ、頷いてダッシュで逃げていく子供。
その姿が消えるのを見届けて、初めてオデッサは一声呻いてうずくまりました。

「オデッサさん!血が・・・!」

怪我を・・・してるの?オデッサ。

「オデッサ!なんでこんなことをした。おまえがいなくなったら解放軍は・・・・」

う、うるさいビクトール。解放軍なんか知ったこっちゃないよ。そんなもんなくたってオデッサはオデッサだ。早く怪我の治療を・・・!

「ご、ごめんなさい・・・・・私には・・・・あの子を見殺しにすることができなかったの・・・」

わかってるよ。そんなのわかってるよ。オデッサはそういう人だもん。

「リーダーとして失格ね・・・・とっさに一人の女としての判断を選んでしまうなんて・・・・」
「しゃべるんじゃないよオデッサ。傷口が開くだろ!」

クレオ。それじゃまるで彼女がとんでもない大怪我してるみたいじゃないか。やめてくれよ冗談だろそんな・・・・

「セオ・・・・こっちに・・・・来てくれる?」

何!?

「あ・・・・あなたに・・・お願いしたい・・・ことが・・二つあります・・・・」

声が小さくて・・・切れ切れで聞き取れないよオデッサ。
何だよ!二つだろうと三つだろうと何でも聞くよ!何だよ!

「一つは・・・・こ、これを・・・このイヤリングを・・・セイカの村に・・住む、マッシュという男に・・・渡して欲しいの」

わ、渡すけどさ。でも、でも自分で渡したほうがいいんじゃないのか!?できるだろ!?できるよね!?

「やめろオデッサ。最後の願いなんてバカなことを考えるな!」

誰が最後っつったあああああああ!!!!
誰も言ってねえだろおおおおおてめえが今言ったんだろその口でえええええ!!!ビクトォォォォォォォォル!!!!撤回しろおおおおおお!!!!!

「ビクトール・・・ありがとう・・・でも・・・もう・・・・無理なことは・・・自分でもわかるの・・・・」

何がだよ。何がわかるっていうんだよ!
嫌だよ、こんなイヤリング受け取れないよ!!!

『イヤリングを受け取った』 (チャララーン)

画面と心に1億2000万年の距離ぃぃぃぃぃぃ!!
受け取ってねえって!!!受け取れないって!!!!

「も・・・もうひとつの・・・わたしの願いは・・・・・」

なに!?今度こそほんとに何でも聞く!!

「わたしの・・・体を・・・その水の流れに・・・投げ込んで欲しいの・・・」

聞けねえ。
マジで無理です。勘弁してください。っていうか本当に本当にそれだけはやめてください!!!!
オデッサ!大丈夫だよ!自分旅に備えて「おくすり」めちゃくちゃ買いだめしてあるし!!足りなかったら走っていって買ってくる!!こんな怪我なんてすぐに治るよ!治るってば!!

「オデッサさん!なぜです?そんなひどいことを どうしてしなきゃいけないんですか?」

する方向で話進めてんじゃねえよグレミオ!!!!
お前ちょっと黙ってて!!つーか医者呼んできて誰か!!

「おねがいよ・・・・セオ・・・・」

そんなことできません!!!
この暗い水に君を流せってか!?できるわけないだろ!!できるわけないだろっ!!?

「わたしが死んだことがわかれば・・・・芽生えたばかりの・・・解放運動は・・・・・」

消滅!?だからなんだよ!そんなもんまた種撒いて水やって育てりゃ邪魔になるくらい生えるよ!!
君はいなくならない!死んだりなんかしない!!

「かすかに・・・・生まれた希望を、消すわけに・・・いかないのです・・・・」

どうして!?こんなになってまでどうして一人で全部背負うんだよ!!
せめて・・・・せめて自由になって行けよ!!
絶対嫌だ!ゲームが無限ループしても絶対断る!断固断る!!

「わかったオデッサ・・・・俺がやるよ」

びくとおおおおおおおおおる!!!!
やめろってこの馬鹿野郎!!お前戦闘時は一番スローアタッカーのくせになんでこんな時だけ行動早いの!?

「ねぇ・・・どこかでフリックに・・出会えたら・・・伝えてくれる?あなたの・・・やさしさは・・・いつも・・・いつでも・・・わたしを、なぐさめてくれた・・・と・・・・」

だから自分で伝えろって!人から伝えられてあの男が喜ぶわけねえだろ!!!?

「じゃあ・・・そろそろサヨナラみたい・・・セオ・・・・私の見ることのできなかった・・・自由な世界を・・・」

一緒に見ようよ!・・・・一緒に見ようよオデッサ・・・・っ!!
・・・・オデッサ?ねえ!ちょっと!!オデッサ!!嫌だ嫌だ嫌だ!!!!
嫌だ!!!!!!!!!!

・・・・・・・


・・・・・それからのことはあまりよく覚えていません。つか画面が暗転したのと怒涛の涙で何も見えなかった。それがせめてもの救いだった。オデッサが水に沈むところなんて見たらPSPから何もかも抜いてた

オデッサ・シルバーバーグ。
調べてみたら享年24歳とのことでした。画面ではもっと幼く見えました。

強い、美しい人でした。

レナンカンプに帰ってきました。
セオを見て喜ぶオデッサ。

「帰ってきたのね!良かった、これで問題が解決するわ!」

・・・???毎回話の見えない台詞を飛ばす子だねあんた。
バルカスとシドニアは助けたよ。今度はなんだい?・・・・設計図?

解放軍は帝国軍に対抗するため、「火炎槍」という強力な武器を持ちたいらしいのです。
その設計図を、山一つ越えたサラディの村に届けてほしい、とこういうことでした。
別にいいけどそのブツは大丈夫ですか。ついたとたんにいきなり光って村中を焼き払ったりしませんか。前に騙されたことがあるんですバロンていう国の王様に

「冗談じゃないですよ!」とは、グレミオの弁。これ以上深く関わっては本格的に坊ちゃんが解放軍化してしまいます。そうなったらグレッグミンスターに二度と戻れなくなるんですよ!

しかしオデッサはセオに語りかけます。
あなたも見たでしょう?帝国の現状を。人々がどんなめにあわされているかを。その現実から眼をそむけることは決してできないわ。そうでしょう?

・・・・そうだ。確かに見てきた。
腐敗した兵士、荒廃したロックランド、虐げられて帝国を憎悪する人々・・・・
僕は帝国将軍テオ・マクドールの息子で、本当なら将来を約束された身の上だ。
だが父は父、僕は僕だ。

オデッサ、行くよ。設計図を届けに。

坊ちゃんは目覚めました。箱入り息子が初めて自らの意思をもって世界に眼を向けた瞬間です。
彼を微笑んで見守るクレオが、「坊ちゃんが行くというならそれに従う。私の役目は坊ちゃんの身を守ることだ」と言ってくれました。グレミオはまだぶくぶく言っていますが、大丈夫、彼は結局ついてきますそれは間違いない
そしてビクトールと・・・・え?オデッサもついてくるだと!?

「なんだって!?」

こっちより先に抗議の声を上げたのは、解放軍のリーダー格の一人、フリックでした。
彼は若くてハンサムな青年です。が、初めてあったその時から坊ちゃんのことをがん睨みしてきてます。なんつーか、俺のオデッサに触れんじゃねえよオーラを感じます。
なんでえなんでえ惚れてんのかよ~お前さん。いや~熱いねぇ若いねぇ。大丈夫だって、二人の仲を裂くなんてそんな野暮なことこの坊ちゃんはしませんて。育ちがいいですから。ええ。

彼は「オデッサが行ってしまったらこの本拠地がカラになる!」と言い張ります。・・・ふっ、んなもん建前建前、本音は惚れた相手が心配なんだろ?わかるよ。
しかしその惚れた相手に、「だからあなたをここに残して行くんじゃないの。いい加減、リーダーとしての自覚を持ってね」と氷のようにクールな言葉を浴びせかけられ、結果何も言い返せず出立を認めることになりました

お・・・オデッサ・・・・悪気はなさそうだけどもうちょいこう、オブラートに包んだほうがいいと思うよ。あんた今、恋する男のガラスのハートを木っ端微塵にえぐったよ

「オデッサに何かあったら承知しないからな!」
・・・坊ちゃんを睨みつけながらも見送るフリックが気の毒でたまらない。若干涙目になってんじゃないかとすら思える。
あ、安心しろ。彼女は惚れられない程度に守ってくるから。

かくして一行は設計図を届けに北西へ。
サラディの村へ行くには虎狼山という山を越えなければなりません。それは険しい道のりでした。かたつむりが襲ってきました。胴体がにゅにゅっ!と伸びてタックルをかけてくるというこいつの攻撃は、見てる分には「あ、くらった」で済みますが、しかし実際くらう方はたまったもんじゃないと思う。だってあんた、人間の2倍くらいあるかたつむりが殻じゃなくてナメクジの部分でタックルかけてくるんですよ、グレミオとか泣くよ普通に。戦闘終わったらその場で坊ちゃんの服を洗濯しはじめたりすると思う。

山の中腹まで来たあたりで日が暮れてきました。
都合の良いことに宿屋があります。
亭主のルドンさんもいます。
休んでいきなさいよと声をかけてくれる彼の顔は、Lを葬った時の夜神月より悪でした。

やばいよ皆!!これ絶対やばいよ!!寝てる間に身ぐるみ剥がされるか大量の兵士を投入されるかどっちかだよ!やめといたほうがいいと思います!泊まっちゃだめだと思います!

「悪いけど、先を急いでいるので・・・・」

そのとおりだオデッサ!さすが解放軍リーダー!ルドンの怪しさ爆発に気づいたか!

「私は疲れたので休むのもいいかと」
「俺も賛成だ」
「野宿はごめんだな」

残り3人気づいてねえええええ!!!多数決で負けたよ!!かなり負けるはずのないところで負けたよ!!ビクトール、お前はオデッサを守る気があるのかと!クレオとグレミオも坊ちゃんを守る気があるのかと!!お前ら人を見る眼も無いのによくここまで来れたもんだ!
オデッサ!こいつら一発ガツンと言ってや・・・・・

「ふふ・・・実はね、私ももう足が疲れて歩けないところだったの」

・・・あ、そうだったんだ、オデッサ。そうだったんだ。そうか・・・・うん、じゃあ、うん、君がそういうなら・・・うん、休もうか。

おそらく出逢って初めて見たと思われるオデッサの微笑みに、坊ちゃんがちょっとどきどきしてしまったんでしょう。一行はそのクソ怪しい宿屋の中へ。

部屋は山小屋らしく素朴なつくりになっていました。
椅子にかけてくつろいでいる客のもとに、ルドンがお茶を運んできます。
オデッサがいいます。
「変わった匂いのお茶ね」

飲むなよお前ら。いいか、絶対に飲むなよ。
宿に入ったことは100歩譲って許すとしよう、しかし出されたものには手をつけるな。お茶はもちろん、夕食も、部屋に備え付けてある冷蔵庫の中身とかも駄目だ。まず間違いなく睡眠薬が混入している。そうでなくてもあれは有料でチェックアウト時に請求される仕組みだ。
いいか、とにかく怪しげなものには絶対手をつけないで、注意に注意を重ねてだな・・・

「ずいぶん苦いお茶ですね」

飲んでんじゃねえよグレミオ!!!!
注意しろって言ったそばからどういうつもりだこの馬鹿男!!!!お前のカウントで注意何枚重ねたらそのザマですか!!山田くんこいつの全部持ってってください!!!

「さ、お客さんもどうぞどうぞ」

アァ!?勧められても飲みません、そんな怪しいお茶!苦いのは嫌だ

「そんなこと言わないで飲んでくださいよぉ~」

怪しんだよルドン!!大体そのお茶なんて名前!?「ぬすっと茶」?飲むか馬鹿野郎!!苦いのは嫌です!!

しかしどんなに嫌だといってもルドンはしつこく勧めて、ついには台詞の無限ループで対抗してきました。
こうなると先に進めないので坊ちゃんはお茶を飲まざるをえません。
飲みました。

そうして全員が飲み始めると、とたんに効き始めるのがぬすっと茶です

ろれつが回らなくなり、まともに座ってることもできなくなる一同。
「これは・・・・!」と気づくも時すでに遅し。必死にお互いの名前を呼び合いながら、とうとう全員意識を失ってしまいました。

・・・・数分後。
静まり返った部屋の中ではルドン一人がヒッヒッヒと笑って客の荷物をあさっていました。
せっせと金目の物を抜き出しながら、やっぱりぬすっと茶はよく効く、これでこいつらは二度と眼を覚まさないとか言ってます。どうやら睡眠薬どころか即効性の毒薬だったようです。

ものすごく怖い犯罪だろこれ。

誰かが個人的に命を狙われてたとかいうわけじゃないよ、純粋な無差別強盗殺人だよ。カメラワークによっては完全にホラーの域だよ、だから入るなってあれほど言ったのによ!!

しかしここでルドンに新しい客が来ました。ケスラーという怪人物で、どうやらルドンにとっては目上の人物になるようです。
彼はオデッサを見るなり仰天。てめえこの御方になにしやがった!すぐに解毒剤用意しないと首を飛ばすぞ!!とルドンを怒鳴りつけ、その勢いにびびったルドンがあわてて一行を介抱し、どうやら坊ちゃんたちは一命をとりとめました。

元気になったオデッサに、まさか解放軍のリーダーだったとは露知らず!と平謝りのルドン。お詫びに一夜の宿を提供し、もうこれからはぬすっと茶もやめます、といいました。当たり前だ。最初からするな。

一晩ゆっくり休みました。
そして翌日、虎狼山を下りていよいよサラディへ。



サラディはこれまた小さな村でした。
火炎槍の設計図を受け渡す相手は、ここの宿屋で落ち合うことになっているそうです。
一行は宿に泊まります。

夜。
皆が寝静まった部屋の外のバルコニーに、オデッサが一人で佇んでいました。
どうしたの?眠れないの?

声をかけてみると、「話を聞いてくれる?」と、様子がいつもと違う感じです。

もちろん聞くよ。なんですか?

「私ね・・・・ときどき、何もかも投げ出してしまいたくなることがあるの」
みんなの期待に応えられるか不安で、逃げ出してしまいたくなることがあるの・・・

ロックランドのバルカスやシドニア、それに虎狼山のルドンやケスラーの様子を見ていて、坊ちゃんにもうすうすわかってきていました。人々のオデッサにかける期待の大きさというものが。
たとえフリックたちが傍らにいてくれるにしても、オデッサの肩にかかる解放軍リーダーとしての重圧がやわらぐことはありません。

しかしオデッサだって普通の女の子です。山道を歩けば疲れるし、一人で居るときは心細くだってなるのです。

「あなたはこれから先、どうするの?帝国に戻りたいんでしょう?」

それは・・・・戻りたい、っていうんじゃないんだ。今は。僕が取り戻したいのはそういうことじゃなくて・・・たぶん、グレミオとクレオと、パーンと、そしてテッドがいるあの頃と同じところに戻りたいんだきっと。

物言わぬ主人公の行間を妄想で埋めるプレイヤー。
ついでに胸にくすぶってる鬱憤もこぼしておきます。

・・・あのね、テッドって言う親友がいたんだけどさ、パーンっつう最悪なオヤジの罠にかかって帝国軍に捕まってさ・・・

「あなたならきっと考えて、そこから何かをつかみ取れるはず。選びなさい、あなたの道を」

・・・それ、魔術師の島でレックナート様にも言われたなぁ・・・・

「・・・セオは不思議な人ね」

え?僕?

「私、あなたみたいな目をした人は見たことが無いわ」

そ、そうかな。そんなに特徴のある眼でもないと思うけど・・・単なる眼だけど・・・・

「あなたには人をひきつける何かがあるのね。ねえ、もし私が・・・・」

ってちょっと待ったああああああ!!!なんかすみません、いい雰囲気になってしまってすみません、主にフリックに謝罪します!!オデッサ落ち着け、その先はちょっとまた次の機会にしよう!まだ君の事何も知らないに等しいし旅先では人間開放的になるっていうし夜には魔物も潜んでるしホラそこに人影もいるし!!

・・・その人影こそが設計図を渡すべき使者でした。

そうだ、うっかりしてたけど設計図渡しに来たんだったよ。いい雰囲気になってる場合じゃねえよ。

使者は頭の先から足の先まで忍者ファッションでした。またしても見るからに怪しい奴ですね。TPOをわきまえない姿形をした男の登場で、雰囲気なんかたちまち総崩れです。
代わりに緊迫した空気が漂います。

「あなたは・・・・」
「それがしはカゲと申す」

すごい浮いてるんですけどこの人。
何一つカゲってねえよ。ファッションから台詞までトータルで異彩を放ってるよ。一度見たら忘れられない印象なんですけど大丈夫!?「目立つ」って忍びとして致命的じゃね!?もう緊迫感のかけらもないですこの現場!!

オデッサはしかし、人に対して偏見を持たない性格なんでしょう。
軽くカゲを試す質問をした後、確かに使者だと断定します。

「ごめんなさいね、あなたを試したの」
「それがし、契約中の裏切りはいたさぬ」

そのうち敵にまわりそうな予感をさせる台詞をどうもありがとう。

カゲは火炎槍の設計図を受け取り、夜の闇に消えました。
さ、明日に備えてもう休みましょ!とオデッサはさっさと布団にもぐってしまいます。
その様子にはさきほどまでの弱音をはいていた女の子の面影はありません。

『ねえ、もし私が・・・』

さっきはあまりのいい雰囲気に愛の告白かと勘違いしかけた坊ちゃんでしたが、冷静に考えたらそれは普通に早すぎます。他に何か言いたいことがあったのかもしれません。

いつか聞かせてね、オデッサ。

彼女の眠りを確かめつつ、坊ちゃんもまた自分のベッドにもぐりこむのでした。
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