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2007年1月8日設置
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引き続きイギリス料理。
イギリスの料理は不味い説を強烈に裏付けながら突っ走る本書において、第三章「紅茶とケーキ」は読者が著者にシンパシーを感じられる唯一の部分かもしれません。

小エビのペーストのサンドイッチ、薄切りのきゅうり、トマトとおろしたチーズをはさんだ四角な白いパン、ハム入りのロールパン。
ジャムや濃いクリームをかけたスコーン、チョコレートケーキ、モカケーキ、カフェライシードケーキ、ひき肉入りロールパン、ハムのサンドイッチ、薄く切ったポークパイ。

どうですか。すごく美味しそうじゃないですか。4時のお茶がこれで何で夕食がかたまりのハムになるのか。
もっとも、ここまでするのは特別の時だけで、普段は簡単に済ますそうです。いつでもどこでも簡単に済ますことができるよう、携帯用コンロと湯沸かしとティーポットを旅先(国外)に持ち込み、「お茶の時間になると道端で紅茶を入れて飲み始める」。

「土地の人は何事だろうと目を見張り、やっぱりイギリス人は風変わりな人種だという、ヨーロッパで何世紀も前からいわれてる悪口を思い出すのだ」


それは悪口じゃない。
ただの事実だろうが。いきなり道端で湯沸かして茶飲み出す外人見たら誰だって何事かと思うわ。あんたら何世紀もそんなことやってんですか。

ちなみに、「自国では誰も変な目で見ないからみんな気兼ねなくお茶を飲みにでかける」だそうで、だったらお前ら国内でやってろよというのが旅先にされる近隣諸国の心中なのではないでしょうか。そもそもいつお前が気兼ねしてたよみたいな。

このように、イギリス人は紅茶好きという固定観念を、覆すどころか耐震補強してくれる記述はまだまだあります。

例えば、カップに紅茶を先に入れるかミルクを先に入れるかの問題は、「かつてロンドンタイムズの読者寄稿欄で何ヵ月も議論が繰り広げられ、未だ決着がつかない」とあります。現在でも決着ついてないので少なくとも30年と数ヶ月は論争が続いていることになります。日本のきのこたけのこ論争程度は、イギリス様にとっては30年前の通過点に過ぎません。
ただ、両派で分かりあえる部分が無かったわけではないようです。

「ミルクは必ず冷たいものを使うという点だけは両派とも一致している。私はかつてフランスで熱いミルクを入れた紅茶を飲まされたことがあるが、これはひどいものだった」


かなりどうでもいい。
ミルク云々より、あんたどんだけフランス嫌いなんだ。


・・・このように、紅茶に関する部分は色々アレですが、先に述べたようにお茶菓子に関しての記述は本当に美味しそうです。
イギリスの子供にとってはママや近所のおばさんが焼いてくれるケーキがとっても嬉しいのです。
筆者も、小学生のころにラード入りケーキが大好きだったと書いています。
これはラードと小型のぶどうをたっぷり入れた白くて丸くて膨らんだケーキで、お腹をすかせた子供にはもってこいだったようです。
また、子供にとってはクリケットの試合はぜんぜん面白く無かったけど、試合後に出てくるエクレアやメレンゲが楽しみだったともあります。いいなあこういう感じ。

・・・と思ったら。

「しかし気にいらないごちそうもある。たとえばロック・ケーキはごつごつした堅い生地の中に干しぶどうがぱらぱら埋め込んであって、まるで禁欲主義者の食べ物だ。サフラン入りのパンも同じ部類に入る。イギリスの頑固な農民気質そっくりで、頑強な歯と心臓の持ち主でなければ歯が立たない」

・・・。
・・・パン食うのになんで心臓の丈夫さが求められて・・・

「ロック・ケーキはもともと武器として作られたのだと、こどもたちは本気で信じている」

っていうかあんたが言ってそう、子供に。
この人相当なユーモラスじじいなんだろうなあ・・・

第三章は、さらに、干しぶどう入りの砂糖衣をかけた甘いロールパン、アーモンド入りパイ、バス・バン、サリー・ラン・ケーキ等の紹介と、下に行くほど溶けたバターが染み込んでいるクランビットなどを述懐して、シドニー・スミスの言葉でしめています。

「お茶がなかったら、いったい世界はどうなってしまうのだろう」


イギリスすぎるだろこの本・・・
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