キノコドラマを更新するために定時ダッシュで帰宅してさ!
そこから部屋に篭ってひたすらペンタブと格闘してさ!
「メガネ外したカラカサ」と「シロに優しいカエンタケ」の2枚を描いてさ!
さて保存しようとしたらSAIの使用期限が切れててな!
慌ててライセンス購入したんだけど慌てすぎてな!
データ全部消しちまったのさー!アッハッハッハー!!殺せよー!!!
わかってるよぉヘタレ字書きがペンタブなんか持つんじゃねえってんだろぉアッハッハー!!だからって消すことないだろー!!?これでも3年前よりマシになってんだよぉー!!(涙)
同じ絵は二度と描けないけどな!!
・・・さーて・・・・何描くかな・・・・・(涙)
■あらすじ
鍋ができました。
グツグツグツ。
シロ「ふぅーん。じゃあ二人はもうずっと昔から知り合いだったんだね」
カラ「そうだね。僕が高校生の時にショウジョウバエに絡まれてたのを助けてもらって以来のつきあいだから、何年になるかなあ。何年だろ、カエンタケ?」
カエ「数えてるかぃ、そんなもん」
カラ「こいつね、恐そうに見えるけど案外面倒見のいい奴なんだよ。山から来たベニちゃんの面倒見てあげてるのも彼だし、僕が受験中だっていうんで煮つまらないように時々こうして遊びに来てくれるし」
シロ「そうなんだ・・・意外だ」
カエ「俺ぁ別にそんなつもりはないがね。家にいづらくなったら転がり込んでるだけだ」
カラ「またベニちゃんとケンカしたんだろ。帰ったら謝っとけよカエンタケ」
カエ「フン」
シロ「カラカサタケは受験生なの?」
カラ「僕?僕は今院生なんだけどね。博士課程を修了したら、富士山に留学したいと思ってるんだ。だからその勉強中」
シロ「富士山!?凄い!何の勉強するの?」
カラ「菌俗学さ。色んな国のいろんな菌類の生活や歴史を研究するんだ。富士山には全国からたくさんのキノコが集まってるから、異文化に触れる機会も多いし、皆と一緒に勉強するのはとても楽しいことだと思うよ。できれば4合目か5合目を狙いたいんだけど、あの辺りは志望率高いから厳しいかなあ」
シロ「そんな!大丈夫だよ!カラカサタケならきっと受かるよ!」
カラ「そ、そうかい?そうかあ・・・・そうだね。シロちゃんに言われるとそんな気がしてくるね!よし、俺がんばるよ!お皿かして?マツボックリ取ってあげる。俺もがんばるから、シロちゃんもいっぱい食べるんだ!」
シロ「うん!」
カエ「・・・・・なんかめでてぇところが似てるなぁ、お前さんら」
二本『え?』
カエ「クッ・・・なんでもねえよ」
カラ「!そういえばシロちゃん!おうちの人に連絡しないと!」
シロ「へ?」
カラ「ご両親と何があったのかはわからないけど家出はよくない。まずは話し合わなきゃ!」
シロ「え、あ」
カラ「とりあえず電話電話ーっと・・・」
シロ「い、家出じゃないから!」
カラ「え?」
シロ「家出なんてしてない!ただちょっと、たまたまこっちの方に来ちゃっただけで!」
カラ「あれ?家出って言わなかったっけ?」
シロ「言ってない言ってない!」
カエ「どうせまたカラカサ、お前が早とちりして捕まえちまったんだろう。誘拐だねえこりゃ」
カラ「ひ、人聞きの悪いこと言うなよ!・・・けどシロちゃん。それなら何で君、一人であんな泣きそうな顔して歩いてたんだい?」
シロ「!・・・・・・・・」
カラ「シロちゃん?」
シロ「・・・・・・・・」
カラ「あれ?シロちゃん?え、あ、落ち込んじゃった?うそ、僕なんかまたひどい事言った?か、カエンタケ、俺またなんかやった!?俺やっちゃった!?」
カエ「やっちまったかねえ。おいシロいの。お前ぇドクツルタケとケンカでもしたか」
シロ「!!」
カエ「図星か。わかり易いキノコだ」
カラ「え!?シロちゃんも誰かとケンカしたの!?」
シロ「・・・・・だって。ドクツルタケが悪いんだ」
カラ「だめだよ仲良くしなきゃあ」
カエ「黙ってろカラカサ。まあ飲め、シロいの。何があったんだ?ん?」
カラ「カエンタケ!こんな時間に女の子にお酒飲ますなんて・・・!」
カエ「かてぇこと言うな。ちっとだけだ。お前も飲めほら」
カラ「受験中は禁酒!シロちゃんも無理しちゃだめだよ?ほら、ケヤキジュースもあるからこっち飲・・・あ!」
シロ「っ!」
カエ「おー、イケる口じゃねえか。そらもう一杯」
カラ「カエンタケ!」
カエ「・・・・ほぉードクツルタケがねえ」
シロ「それで、それで、スギヒラタケはドクツルタケが私を毒にしようとしてるんだって言って、それで」
カラ「シロちゃんを毒にだなんて・・・・」
シロ「そんなの嘘だって思って・・・だけどドクツルタケは全然慌てたりしてなくて!きっと本当に私のこと毒になればいいと思ってるんだ!ドクツルタケの馬鹿キノコ!」
カエ「なるほどねぇ。まさか本当に行くたぁねえ」
シロ「?」
カエ「面白ぇ野郎だな、奴ぁ」
カラ「・・・どういうことだ?カエンタケ。あ!まさか君!」
カエ「クッ、いやぁあの無表情な野郎が珍しくしかめっ面なんざして歩いてるからちょいとからかってみたんだがな。誤食が嫌ならシロフクロタケを毒に変えちまえって」
シロ「・・・なんだって?」
カエ「方法ならスギヒラタケが知ってるだろうって、まあそんなところさ。本当に行くとは思わなかったがなぁ」
シロ「ひどい・・・!」
カラ「おい、ひどすぎるぞカエンタケ!!食用キノコを毒にしようだなんて、キノコを何だと思ってるんだ!!」
カエ「お前も食用だったなそういえば」
カラ「ああ、俺は幼菌をフリッターにすると美味いらしい・・・・じゃない!可哀想だろシロちゃんが!毒キノコになれなんて言われたら俺だって怒るし傷つく!君だってそうだろ?毒キノコやめろなんて言われたら嫌だと思うだろ!?キノコを否定するなんて最低だぞ!」
シロ「!」
カラ「キノコは毒も食もよくわからないのも色々いるからキノコなんだ!毒キノコには毒キノコの、食キノコには食キノコの尊重すべき菌格ってものがある!それは一つ一つ全部が美しいんだ!是も非も無い!そんなこともわからないなら、君も菌俗学を勉強して富士山5合目を目指せ!」
シロ「・・・・・・」
カラ「まったく!シロちゃん?カエンタケの言ったことなんて気にする必要ないよ。そのドクツルタケくんにだって僕から言ってあげる。ね?シロちゃん」
シロ「・・・・・う、ふぇ・・・」
カラ「ん?どうしたのシロちゃん?」
シロ「うえぇぇぇ・・・っ!」
カラ「!!え!?なに!?どうしたの!?なんで泣くの!?」
シロ「うぇぇぇっ!うわああああんっ!!」
カラ「あ、ちょ、これ『鬼柳』一升空いてない!?いつのまにこんなに飲んだのシロちゃん!」
カエ「おー、どおりで減るのが早ぇと思った」
シロ「うわああああん!うわああああんっ!」
カエ「ど、どうしよう、女の子泣かしちゃった!どう慰めたらいいんだカエンタケ!あ、そうだ飴あるよシロちゃん、クヌギ樹液飴!実家から送ってきたんだけど美味いよー食べる?だめ?じゃあええとええと、そうだキンテンドーDSやる!?今充電するからほら!」
カエ「受験生が何買ってんだ」
カラ「いや『カビ語漬け』やりたかったから・・・・そ、そうだあシロちゃん!DVD見よう!名作あるぞぉ『13日の菌曜日』!!」
カエ「んなもん見せたら余計なくわな。しょうがねえな・・・おい、シロフクロタケ。うるせえから泣き止め」
シロ「う、うえっ、ふえええっ」
カエ「泣いてちゃわかんねえだろうよ、カラカサはアホだ。何で泣いてンのかちゃんと口で言えや。幼菌じゃあるめえしよ」
カラ「カ、カエンタケ・・・」
シロ「・・・・・・いっ、いっちゃった・・・」
カラ「え?なに?シロちゃん、なに?」
シロ「ドク、ツルタケ、に、毒、キノコ、やめろ、て、言っちゃ、た・・・・」
カラ「え!?」
シロ「わた、私のほうが、先に、言ったんだ・・・・だから、ドクツルタケ、きっと、怒って、あんな、こと・・・・うぇ、うえぇぇぇぇんっ!」
カエ「・・・・・・・・・・・」
カラ「そ、そうだったんだ・・・・。でも、でもさ、シロちゃんには全然悪気はなかったんだろ?そうだろ?」
カエ「キノコを否定するなんざあ最低だなあ」
カラ「カエンタケーっ!!」
カエ「お前ぇが言ったんじゃねえか」
カラ「そういう意味で言ったんじゃない!!」
カエ「ならどういう意味だ」
カラ「シロちゃん!ドクツルタケくんだってわかってくれる!きっともう怒ってない!ね?ほら、よく考えてみれば君らおあいこってことじゃん!仲が良いほどケンカする!雨降って地固まってキノコ生えるってことだよ!カエンタケとベニちゃんだってそうだろ!?そうだね!?」
カエ「俺らぁ違う」
カラ「カエンタケーっ!!」
カエ「うるせえなあほんとお前・・・鍋煮詰まるから火ぃ消すぜ」
カラ「鍋なんかどうだっていいだろ!シロちゃん、ごめんねごめんね、俺ほんっっっとデリカシー無くて!」
カエ「お前ぇに無ぇのは落ち着きだよアホカサ。ほっとけほっとけ、酒の涙なんざそのうち乾く」
カラ「カエンタケーっ!!」
カエ「うるせぇー・・・・」
・・・・居心地良さそうだなあカラカサの家・・・・
■カラカサタケ
長身。髪は暗褐色。目は淡褐色。(大型。傘は暗褐色で傘の裏は淡褐色)
痩せ型で見た目より軽い。(細くて中空)
メガネキャラ。(リング状のツバがある)
食用。
カラ「風邪引くよ?どうしたのこんなところで」
シロ「あなたは・・・」
カラ「僕はカラカサタケ。君、どこの子?ここから家、近いのかい?」
シロ「いや、そんなに近く無いんですけど、ちょっと色々あって・・・」
カラ「あ!もしかして、家出!?」
シロ「えっ?」
カラ「だめだよー、おうちの人心配するよ。お父さんとケンカでもしたの?今頃きっと探してるよ?」
シロ「いや・・・」
カラ「帰ろ。僕送ってくから。大丈夫、色々あっても親子ってのはちゃんと分かり合えるもんだよ。それに君、家出ったって何にも荷物持ってきてないじゃない?」
シロ「え?あ、いや、だから・・・」
カラ「あー、さてはケンカの勢いに任せてそのまま飛び出したな?だめだめそんなの。ほら、帰ろ。家はどっち・・・・」
ぐぅ~。
シロ「!・・・・・」
カラ「・・・・・もしかして、お腹空いてる?」
シロ「う・・・・」
カラ「財布も持たないで出てきたんだな?なってないなあ、もっかいイチから家出を勉強しなおさないとね!今日はほとんど何にも食べてないんだろ。この雨じゃ菌糸に毒だよ」
シロ「いや、その・・・」
カラ「僕んちに来る?すぐそこの竹林。今ちょうど友達来てて、これから鍋やるんだ。材料買出しに行ってたんだよね、ほら、腐葉土にチップに樫クズ、松もあるよ。どう?」
シロ「・・・・。い、いいの?」
カラ「いいさぁ!大丈夫たくさん買ってあるから。鍋は人数多いほうが楽しいしね!さ、いこ。風邪引いちゃう。あ、ご両親にはうちから連絡しようね。もう暗いから迎えに来てもらおうね」
シロ「・・・えっと・・・家出じゃないんだけどな・・・」
カラ「ただいまー」
シロ「お、おじゃまします」
カエ「遅ぇぞカラカサあ。酒の用意はもうとっくに出来て・・・って、お?」
シロ「!!!!か、か、か、・・・・」
カエ「シロフクロタケじゃねえか」
シロ「カエンタケーーー!!!?」
カラ「あれ?知り合い?」
カエ「親しかねえがな。お前ぇも色気のねえの引っ掛けて来やがったなカラカサ」
カラ「またそういうこと・・・。女の子だったらこんな時間に家に連れて来れるわけないだろ。ねえ?」
シロ「!?」
カラ「君、シロフクロタケっていうんだね。シロくんって呼んでいいかな」
シロ「・・・・・・・」
カエ「・・・・・・あらら」
カラ「ん?どうかした?」
カラ「え、ええええーっ!?し、シロく・・・いや、シロちゃんって女の子だったの!?」
カエ「そこまで驚いちゃあ失礼だろ。なあシロフクロタケ」
カラ「ごっ、ごめ・・・!!」
シロ「・・・いいんです。慣れてますから。・・・知り合いの男ともよく間違われますから」
カラ「ごめんね、俺ね、ほんっっとそういうの気づかなくて、ほんっっと鈍感で、ほんとっ!!ねえ!?カエンタケ!?」
カエ「あー、女には疎いわ、柄の外がついてこれねえくらい成長しまくってひび割れるわ、外皮膜ちゃんと落とさねえで傘の上フケだらけになるわ、お前はよくよく鈍い男だよ」
カラ「そ、そこまで言うなよぉ女の子の前で」
カエ「今さら何言ってんだ」
カラ「参ったな、こんな時間に男の家連れて来ちゃったらほんとご両親心配させちゃうよ。シロちゃん、お家どこ?送ってくからすぐ帰ろう!」
カエ「落ち着けって阿呆が。こいつだって子供じゃねえんだ、自分のことぐらい自分で面倒見れらぁな。なあシロいの」
シロ「・・・シロフクロタケ、だ」
カエ「いつまでも不貞腐れてんじゃねえよ。お前の柄が寸胴なのが悪ぃんだろう」
シロ「!!」
カラ「カエンタケ!!君はなんでそう口が悪いんだ、そんなだからベニちゃんとケンカするんだぞ!」
カエ「そいつとこいつは関係ねえだろ。おい、鍋やるならさっさと作れよ。俺ぁ先に始めてるぜ。酒が茹っちまう」
カラ「あ、ちょ、ちょっと待てよ今材料用意するから・・・!」
シロ「・・・・手伝います」
カラ「え!?あ、そうかい?手伝ってくれる?あは、やっぱり女の子だなあシロちゃん!」
シロ「・・・・・・・・・」
カラ「うんうん、包丁持つ手つきもいいし!慣れてるって感じがするよ、やっぱ女の子・・・」
シロ「あたっ!」
カラ「!!・・・・・・・」
シロ「・・・・いった~・・・・」
カラ「・・・・ほ、包丁、手に合わなかったのかなぁ!・・・なんて・・・その・・・・大丈夫?」
カエ「お前ぇもう黙った方がいいんじゃねえかカラカサ」
・・・・・・・・カラカサタケの髪型は、「都会のキノコ図鑑」に載ってるカラカサタケの幼菌の傘がまさにこういう形をしていたために、上図のような丸い感じなったわけなんですが、これでメガネかけて人の良さそうな顔してると、すまん、私にはもう成長したのび太にしか見えない。
大学院生のお兄さん、みたいな感じです、カラカサ。
キノコドラマに熱い拍手を下さる方々、静かに継続視聴してくださる方々、ありがとうございます。
いただいたコメントを読んでおりますと、「○○タケに幸せになって欲しいです!」というものが多くて、本当にうちにいらっしゃる方々は皆良い人だなあと思います。
しかし仮にキノコ人気を計って見た場合、ほぼ間違いなくドクツルタケ・カエンタケ・スギヒラタケのオール毒キノコで3トップを占め、何も知らない人が見たら何をたくらんでる集団だろうときっと思う。
キノコが苦手でどうすりゃいいかわからないという方もいらっしゃいましたが、あるがままにキノコを愛すればいんじゃないでしょうか。食べなくてもいい、そこに生えているだけで愛しい、道には彼らの菌糸が、空には彼らの胞子が、雨の日はキノコ雨、晴れの日はキノコ日和、そしてこの世界は輪廻を紡ぐ、そう、キノコの傘の下で・・・・!
なんかそんな感じでキノコと共に生きる喜びをですね(以下割愛)
「アフターキノコ」という言葉を知った時に、一日がキノコとその後に分かれるなんてと思いましたが、分かれましたね私も。私の場合は夜がキノコタイムなので、キノコとその前、すなわち仕事してる時間なんかは全て「ビフォーキノコ」です。
社食で人の食ってるラーメン見ても、上に乗ってるキクラゲが気になって仕方ない。
電車で汗の臭いの人を見て「コバヤシアセタケだな(塩素臭がある)」と思う。
かつて無いほど早く家に帰りたいもんだから仕事もはかどるはかどる、下半期までの目標を今月でクリア。
これも全てキノコのおかげですよ。マジで。
さて・・・キノコタイムを楽しむとするか・・・・ふふふふ・・・・
ドク「オニフスベ!」
オニ「!な、なんでごわすか?」
ドク「こっちにシロフクロタケのやつが来なかったか!?」
オニ「シロフクロタケ?さ、さあ~、おいどんは知らんでごわす。全然知らんでごわす」
ドク「・・・・本当か?」
オニ「ほ、本当でごわす!おいどんの目を見るでごわす!」
ドク「・・・・・・」
オニ「・・・・う・・・・」
ドク「逸らしたぞ」
オニ「こ、これは違うでごわす!ドクツルタケの目はがっつい恐いで、思わず逸らしただけでごわすど!」
ドク「・・・・・恐いって・・・・まあいい。あいつを見かけたら教えてくれ。ったく、どこ行きやがったんだか・・・!」
・・・・・・・・・・・・
シロ「・・・・・行った?」
オニ「行ったでごわすよ」
シロ「そっか・・・・ふぅ。ありがとう、オニフスベ、かくまってくれて」
オニ「ひやひやしたでごわす!もう少しで胞子を噴出すところだったでごわすよ!」
シロ「あは、ごめんごめん。オニフスベの胞子は私の一万倍あるんだからそんなことになったら大変だよね。大丈夫、もう行くから」
オニ「じゃっどん、本当に良いでごわすか?ドクツルタケとはしち話会った方が・・・」
シロ「嫌だ!」
オニ「シロフクロタケ・・・」
シロ「話しただろう?あいつは私を毒性にしようとしてるんだ!そんな奴だと思わなかった!もうドクツルタケなんか傘も見たくないっ」
オニ「それはどっか誤解があって・・・・」
シロ「とにかく!私はもうドクツルタケに助けてなんかもらわない。毒キノコになるくらいなら、乱獲されるほうがよっぽどマシだ!じゃあね、オニフスベ。ドクツルタケがまた来ても、私のことは言っちゃダメだぞ!」
オニ「あ、ああ」
シロ「あ。それと」
オニ「うん?」
シロ「ベニナギナタタケのこと・・・・ごめん。力になれなくて」
オニ「・・・・・・いいんでごわす。やっぱりベニナギナタタケさんは、おいどんには過ぎたキノコでごわすよ」
シロ「・・・・・・ごめん」
オニ「夜道に気ぃつけて。雨も降りそうだから、早めに家に帰るでごわすど」
シロ「うん。ありがとう、オニフスベ」
・・・・・・・・・・・・・・
シロ「ドクツルタケなんか・・・・ドクツルタケなんか・・・・・」
・・・・・ぽつ。
シロ「どうして、どうして私のことを毒にしようとなんか・・・こっそりスギヒラタケに会いに行くぐらいなら、面と向かってはっきり言えばいいじゃないか。毒になれって。そりゃもちろんその場で張り倒すけど・・・でもあんなこそこそすることないじゃないか!ドクツルタケの馬鹿!馬鹿きのこ!」
ぽつぽつ。
シロ「そんなに私の代わりに誤食されるのが嫌か!私も嫌だけど!二本揃って毒キノコになればそりゃあ人間達は採らなくなるさ。でもそんなのおかしい!食用なのに毒になるなんて、変だし、第一危険だ!気がつく前に人間達は絶対食べちゃうじゃないか!」
ぽつぽつぽつぽつ・・・・・サァァァァァ。
シロ「私だって、私だって好きであんな奴に似てるわけじゃないし、守ってくれなんて頼んでないし、それに、それに・・・・ああもう鬱陶しいな雨!・・・・・雨?」
ザァァァァァ。
シロ「わ!雨!わ、わ、どんどん激しくなってきた。ど、どこか雨宿りできるとこ・・・!」
??「・・・君、もしかして迷子?」
シロ「!?」
いつのまにやらずぶ濡れになっていたシロフクロタケの上に、そっと傘が差しかけられた・・・・
限りないキノコの可能性を、ベッタベタな展開に載せてお送りする、それがキノコドラマ。
・・・・雨降ってきたんで、ドクツルタケはますます必死にシロを探していると思います。