忍者ブログ
2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
[414]  [415]  [416]  [417]  [418]  [419]  [420]  [421]  [422]  [423]  [424
カエ「・・・・・・・・」
シロ「・・・・・・・・・・カエンタケ」
カエ「うン?起きてたのか」
シロ「重くない?」
カエ「軽かぁねぇよ。背負えねえほどじゃあねえが」
シロ「ごめん」
カエ「フン」
シロ「・・・・・・・・・あのさ」
カエ「なんだ」
シロ「ベニナギナタタケ、カエンタケと一緒にいたいって言ってた」
カエ「・・・・・・・・・」
シロ「一緒に居れば人間達も見分けがつくようになって、誤食もなくなるって、言ってたよ」
カエ「・・・・・・・・・俺ぁ別にどうでもいいさ」
シロ「そんなことないだろ?だってカエンタケは」
カエ「ベニナギナタが何を言ったか知らんがな。俺は自分が毒だってことはとっくの昔に知ってたぜ。人間が俺を食って死ぬの生きるの、今さら騒ぐ気もしねえ」
シロ「知ってたの!?でもカエンタケが毒だってわかったのは最近だって!」
カエ「本草図譜にゃ毒だって書いてあるってのは聞かなかったかい。江戸時代からこの方敬遠されてるキノコなんざ少なくとも食のハズぁねえだろう。手前ぇのことは手前ぇが一番わかってらぁな。確かに毒札貼られたのは最近だがな、俺にとっちゃ昔も今も変わったことなんざねえよ」
シロ「・・・そうなの?」
カエ「おうよ」
シロ「だったら、だったらなんでベニナギナタタケは・・・」
カエ「あいつは俺に怯えてんのさ」
シロ「え?」
カエ「俺ぁ人間がキノコ食って死んでも気にも留めないキノコだ。食うか食わねえかは人間の勝手だろう。キノコがどうこうできるこっちゃあねえと、昔から俺ぁそう思ってたし、何も変わっちゃいねえ。だが俺が毒だとわかったことで、俺のそういうタチがベニナギナタの前に晒された。あいつにとっちゃ俺が変わったように見えたんだろうよ。まあ無理もないかねえ、あいつと暮らしてる間は俺も随分優しい男だった」
シロ「カエンタケ・・・・」
カエ「ベニナギナタが俺と一緒に居たいってのは妙な責任感じてるせいさ。俺の毒札はあいつとの誤食が原因みてえなもんだからな。馬鹿な女さ・・・・・まあ、あいつのこたぁ俺でケジメをつける。お前さんは手前ぇのことを何とかしな。ドクツルタケも今頃は傘青くしてお前ぇを探してるだろう」
シロ「そうかなぁ」
カエ「おい・・・・野郎ってのは損だねえ、女には大概信じてもらえねぇ」
シロ「ねえカエンタケ?」
カエ「んン?」
シロ「ベニナギナタタケのこと、好き?」
カエ「・・・そういう青臭ぇ感情、俺らにゃ縁の無い話だ」
シロ「ベニナギナタタケはカエンタケのこと好きだよきっと」
カエ「もう黙って寝ろ」
シロ「好きだから一緒に居たいんだよ。カエンタケもそう思わない?」
カエ「放り出されてぇか」
シロ「・・・・・・やっぱり恐いな、カエンタケは」
カエ「フン」



・・・・照れてるというより、なんかもう相手するのがめんどくさくなってきたカエンタケ。
PR
      

おねむのシロ。

シロフクロタケは可愛い。いや私の書いたのがどうこうじゃなくて、実写が!!
ぱっと見た目は細長くてつるんとした白いキノコなんですが、年頃になると傘の裏ヒダがピンク色にエロい!!なんてエロいキノコなんだ!!
シロの設定で傘裏がピンクだから目をピンクにしたが、やっぱ下着をピンクにすりゃよかっ(自粛)
いや、でも、脱がせたら見えないところも色々ぴ(自粛!)

八坂書房の「都会のキノコ図鑑」の写真なんか神がかってますよ、撮影者はこのエロスをわかっていたとしか思えない。
シロフクロタケを横倒しにして低アングルからピンクの傘の裏アップで激写!しかも前景に立ったままのシロフクロタケを置き、あえて障害物として一部を隠すことで恥じらいを演出!

多くの図鑑が週刊誌の顔写真みたいなキノコ写真を載せてる中、この一冊はもはや図鑑の域を超越してグラビア写真集と言っても過言では無い。
最高!
                                

■スーパーキノコ
実在しない架空のキノコだが世界的な知名度を誇り、「マリオワールドのキノコ」と言えば通常これで認識される。生息地だけで特定される稀有なキノコ。
傘は丸山型で赤く、柄は白か黄色。
白(または黄色)のイボがあることから幼菌の外皮膜は白(または黄色)かったと思われる。
主にレンガブロックの内部に発生し、ブロックを叩くと飛び出して一定速度で右方向へ移動する。
食用だが食べると巨大化する。

よく似た毒キノコが存在し、誤食すると死に至るか体が縮む。
     

■前回のあらすじ
ドクツルタケに毒キノコをやめるように言ったのは自分・・・・
キノコとして最低な行為をしてしまったと気づくシロフクロタケ。
押し寄せる後悔と酒の波は大粒の涙となって少女の傘を伝う。
どう慰めればいいのかわからないカラカサタケは部屋中のあらゆるものをかき集めたが、一人暮らしの独キノコの部屋に異性の喜びそうな物など何一つなかった。


カラ「・・・・シロちゃん、寝ちゃったね」
カエ「あれだけ泣きゃぁ疲れもするさ」
カラ「うん・・・遠くから歩いて来たみたいだしね。このまま寝かしといてあげよう」
カエ「やれやれ。もたれかかられちまって、重くないのかいお前さん」
カラ「平気だよ。俺だってそこまでヤワじゃないさ。ふふ、可愛いなあ、ヨダレ垂らしてる。・・・いい子だね、この子」
カエ「ハタ迷惑なガキだ」
カラ「そう言うなよ。ドクツルタケくんとケンカしたのがよっぽどショックだったんだ。カエンタケ、彼と知り合いなら仲直りさせてあげてくれよ?な?」
カエ「何で俺が。ほっといてもまたくっつくだろうよその二人は」
カラ「そうかい?・・・そうだね、シロちゃんの友達だもん、きっと良いキノコだろうな。俺も富士山行く前に会ってみたいけど」
カエ「おうおう、もう受かったつもりかい」
カラ「受かるさ。親に無理行って行かせてもらうんだ、そのくらいはちゃんとするよ」
カエ「立派だねぇ」
カラ「知らないことを知るのが好きなんだねきっと。それがどんなことでも知らないよりは知った方が前に進める気がするのさ。そりゃその分踏み越えなきゃならないことも増えるけど・・・そうする価値があるんじゃないかな、生きるって事には」
カエ「フン・・・」
カラ「スーパーキノコっていただろ昔。どこからともなく生えてきてピンチを救ってくれる奴。幼菌の頃なんかいじめられるたびにスーパーキノコが来てくれないかと思ったもんだけど、成長してわかってきた。シロちゃんみたいな一生懸命なキノコを見たら、誰だって助けてあげたいって思うんだ。本気で助けてって言えたら、誰かはきっと助けてくれるんだ。落とした財布拾ってくれたり、道わからなくて教えてもらったり、ショウジョウバエから助けてくれたり、さ。スーパーキノコなんて俺が思ったよりたくさんいて、ついでに俺も、たぶん誰かのそれになれるのさ。そんなこんなで俺は生きることが気に入ってるんだ」
カエ「シチめんどくせぇ話だ」
カラ「誰だってその気になれば誰かを幸せにすることもできるし、誰かに幸せにしてもらうこともできるってこと。俺の言ってる意味わかる?カエンタケ」
カエ「さあな」
カラ「ベニちゃん。このままじゃだめだろ。一度ちゃんと話し合うんだ。相手のためを思っていても、口に出さなきゃ伝わらないことがある。スーパーキノコだってレンガを叩かなきゃ生えてこない。生えてこないのをキノコのせいにするわけにいかないだろ?伝わらない手段をいつまでも繰り返すのは、本当のアホタケのすることだよ」
カエ「・・・・・・・・」
カラ「頼むよ、カエンタケ。このままじゃ俺、受かっても富士山行けないよ。二本のことが気になって、研究所でもなんかやらかしちゃうって」
カエ「・・・・・フ、違ぇねえ」
カラ「だろ?」
カエ「敵わねえなぁ」
カラ「じゃあ!」
カエ「まあやってみるさ。お前ぇの親に恨まれるのはゴメンだ。だが期待はするなよ?俺ぁこう見えて器用じゃねえんだ」
カラ「よく言うよ。女の子には君のほうがよっぽど長けてるくせに」
カエ「それも違ぇねえ」
カラ「ふふ」
カエ「さて、と。長居したな。そろそろ帰るぜ。シロフクロタケはここに泊めるんだろ?それじゃあな・・・・」
カラ「!!?ちょ、ちょっと待って!!」
カエ「!?」


カエ「このまま寝かせとけっつったのはお前ぇだろうが」
カラ「そういう意味じゃない!泊めるのはさすがにだめだ!女の子を朝帰りさせる気か!?」
カエ「この様子じゃ昼まで寝るだろうよ」
カラ「そういう問題じゃないだろ!!カエンタケ、シロちゃんち近くなんだろ?送ってくんだ!君が!」
カエ「近くかどうかなんか知るかぃ、何で俺がこいつの家を知ってんだ」
カラ「知らなければシロちゃんに聞け!とにかくこの子は家に帰すから!シロちゃん!起きるんだシロちゃん!このまま寝てたら危険だ!」
シロ「・・・・・んー・・・?」
カラ「いいかい、シロちゃん。カエンタケが送ってってくれるから君はおうちに帰るんだ。いいね?」
シロ「カエンタケ・・・・?」
カラ「そう!」
シロ「やだ・・・・カエンタケこわい・・・・」
カエ「だとさ」
カラ「大丈夫だシロちゃん!おんぶしていけば顔は見えないから!」
カエ「おんぶ・・・!?」
カラ「いいだろそのくらい。そもそもシロちゃんがここに来たのもこんなに酔っ払ったのも元をただせば君が原因じゃないか」
カエ「だからってなあ」
カラ「さ、シロちゃん立って。カエンタケは後ろ向いて!しゃがんで!」
カエ「・・・・・へいへい・・・・」


カエ「・・・・意外と重いぜこいつ。中実だ」
カラ「じゃあね、シロちゃん。また今度一緒に遊ぼうね」
シロ「うん・・・・ありがとう、カラカサタケ」
カラ「カエンタケ、頼んだよ。ベニちゃんのこともね」
カエ「しつけえぞ」
カラ「じゃあまたね。二本とも気をつけて」



・・・・・・・・失った絵の一枚は、自分にもたれて眠るシロをカラカサタケがあたたかく見守る図、でした。
カラカサタケはメガネを自分の服の裾で拭く。

もうヤケさああああ!!!ドラマの間のCMってことで一発ネタ!!
わかる人だけわかればいいさああああ!!!

昔、ヒステリックブルーっていうバンドがあって、「なぜ・・・」っていう歌がヒットしたんですよ。
「な~ぜ、見つめるほ~ど、す~れ~ちが~うの、二人の恋~♪」っていう奴。
あれの替え歌。


■なべ・・・

なべ 煮詰めるほど 美味くなるの 深みが出て

埃かぶってた とても古い忘れてた ガスコンロ 平土鍋
水をはってみた 最初に肉を入れていた 間違った コブだった

入れたい でも入れない
右の手にふたつの ちくわ
卵はもういいかな
味染みる 寸前

なべ 煮詰めるほど 熱くなるの 沸騰して
長ネギ まだ なくならない 
残ってるのは エノキとネギ

イヤに箸が早い 土鍋の夜ありふれた 鍋パーティー その中で
真面目な顔して ふとつまんだ一品が どうしても 気になって

ゆずるフリした豆腐 
肉だけ見ていたの 知ってた
渡さない 離さない
もうこれはゆずらない
具が少なすぎる

なべ あきれるほど 気にしちゃうの 残りの量
さらえばまだ 残ってるわ 底の方に 少しだけど

なべ 煮詰めるほど 乾いていくの 焦げていくの・・・・





・・・・腹へった・・・

[414]  [415]  [416]  [417]  [418]  [419]  [420]  [421]  [422]  [423]  [424

Copyright © 『日記』 All Rights Reserved

Template by ゆうじ

忍者ブログ [PR]