2007年1月8日設置
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カエンタケとベニナギナタタケの馴れ初め。
迷子のベニと通りすがりのカエンタケの目が合ったところから始まった。
目ってどこだ。
「!・・・っう」
「・・・怪我してんのか」
「わ、わたくしに構わないで下さいまし」
「菌糸か。見せてみろ」
「い、いやですっ」
「お前さん、この辺のキノコじゃねえな。どっから来た」
「・・・」
「聞いてんだ。答えろ」
「・・・・・・八神原」
「八神原?また随分西じゃねえか。なんだってこんなところに・・・まあそりゃどうでもいい。掴まれ。知り合いに医者がいるから連れてってやる」
「え・・・?」
「こんなところにいたら変形菌に食われるぜ。イタモジホコリより俺が怖いってんなら余計な世話ぁ焼かねえが。歩けるか」
「は、はい。・・・あ、痛っ!」
「・・・。抱くぜ」
「!?きゃっ!」
「お前さん、名は」
「!ベニ、ベニナギナタタケと、申します」
「俺ぁカエンタケだ。・・・まあ、忘れていい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
十年前から待っていて下さった方は、この二菌の結末どうなったんだという方々ではないでしょうか。
私もそれが十年気になっていた。ならさっさと書けよ。
イタモジホコリというのは変形菌(粘菌)の一種です。
変形菌はキノコのようでキノコとは違う生き物で、子実体を作って胞子を飛ばすというのはキノコと類似していますが、その前に本当に自分で移動します。移動能力を駆使してイグノーベル賞を二度も獲っているほど。
一体彼らは植物なのか動物なのか、長年議論になっていたそうですが、ついに近年「変形菌は、変形菌である!」という衝撃的な発見で決着し、変形菌は変形菌として分類されることになりました。これは直感ですが、菌類の学界って絶対どっかおかしい。
ただ、ハマる魅力はわかります。
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