シロ「うん・・・・でも手術したんだから、やっぱりそのくらいは病院にいないといけないんだよきっと。ドクツルタケ、痛い?大丈夫?」
ドク「・・・・・別に。体は平気・・・・だけど」
シロ「けど?けどどこか具合わるいのか?」
ドク「・・・・・・・・・・・・心が・・・・・」
シロ「え?」
ドク「・・・・・・・・なんでもない。眠い」
シロ「そっか・・・うん、ゆっくり眠って。そばにいていい?」
ドク「・・・・・・・ああ」
シロ「じゃあここにいるね」
カエ「・・・さて、と。俺ぁ帰るぜ。ツマミタケも、お前ぇは店があんじゃねえのかい」
ツマ「あ、そうね、そうだったわーぁ!お料理の仕込みしなきゃぁ!じゃ、アタシ帰るから、シロちゃん、ドクツルちゃんのことヨロシク頼むわね!ゆっくりしてってあげなさいね!」
シロ「うん。ありがとう、ママ。カエンタケも、本当にありがとう」
カエ「もう面倒起こすんじゃねえぞ。じゃあな・・・・・」
シロ「!カエンタケ!?」
カエ「あ?」
シロ「手!怪我してるじゃないか!」
カエ「ケガ?ああこいつぁ、スギヒラタケから得物取り上げたときにちっと刺しちまっただけ・・・・」
シロ「ちょっとじゃないよ!汁が滲んでるじゃないか!ちゃんと手当てしなきゃ。銀先生のとこ行こう」
カエ「よせ。こんなもんケガのうちに入りゃしねえよ。俺ぁ帰・・・・」
シロ「だめっ!ケガなんかして帰ったらベニナギナタタケが心配する!早く先生のとこ行こう!早く!」
カエ「・・・お前ぇドクツルタケについてるって言ったろう。俺を引っ張ってる場合じゃねえはずだ」
シロ「ドクツルタケのそばにいるのは後でもできる!」
ドク「・・・・・あとでも、って・・・・・」
シロ「とにかく銀先生に手当てしてもらおう。ね!」
銀爺「呼んだかの。いつまでもうるさくしとると病室から叩き出すぞ」
シロ「銀先生!先生、あのね、カエンタケが怪我してるんだ!」
カエ「してねえ・・・・」
シロ「してる!ほら、手!見て先生」
銀爺「んん?・・・カエンタケ、お前はまた何かやらかしたのか。こんなケンカ傷作って」
カエ「これぁ成り行きだ。ケンカってわけでもねえ」
シロ「先生、手当てしてあげて?痛そうだよ」
銀爺「痛そうだと。お前も心配されるようなキノコになったわけだの、カエンタケ」
カエ「・・・・・銀爺、場所移すぜ。ここで昔話はごめんだ」
銀爺「フッフッ、まあ消毒ぐらいはしてやろう。今日は雨のせいか迷惑な患者は一人で暇なようじゃ。シロフクロタケのお嬢ちゃん、そばに居てやってもいいが、静かにしてドクツルタケは寝かせといてやるんじゃぞ」
シロ「うん。静かにしてる」
ドク「・・・・・・・・無理だろ・・・・」
シロ「無理じゃない」
ドク「・・・・・・・。こういうのだけ聞こえるんだな・・・・」
ツマ「お大事にね、ドクツルちゃん。・・・・頑張るのよ!」
ドク「・・・・・・俺は頑張ってるけどな」
シロ「何か言った?」
ドク「・・・・・・別に」
1つはあれですね、父の日のプレゼントです。
私はほとんど趣味のように人へのプレゼントとか土産物を選ぶのが好きなタチです。
会社の土産ーとかだとあんまり気合入らないんだけど、記念日とかね。旅行先で友人の土産を選ぶとかね。そういうの大好きです。
母の日はわかり易かった。母はバッグが大好きなんですが、電車の中で良く見かける流行ってるあのバッグ、絶対欲しいと思ってるだろうなーと思ってたので、店をみつけたついでに購入。どうも母の友人の方々がみんな1つは持ってたらしく羨ましかったようで、大層喜んでもらえました。
祖母の誕生日は画集にしようと思って本屋へ行ったものの、どうもあんまりぴんとくるのがなくて、うろうろしてたらロバート・サブダの仕掛け絵本見つけました。これだあああああ!!!と思いましたね。ネットで見たときから興味のある作家さんだったのですが、実物はどういうものか見たことがなく、いや絶対面白い、絶対これはいい物だ、むしろ私が中を見たい、って持ってって一緒に開けてみたらあれまじすげえええええ!!!!動物のやつ!!すげえええええ!!欲しいいいいいい!!!!ロバート・サブダ最高!!
で、父の日ですよ。これが一番難しい。でも、私が数年前にあげたマネークリップに苦労を強いられているのを見てそろそろ解放してあげようと思った。なので札入れにしました。
それでですね、ここからが本題なのですがね。
私はそれを小田急百貨店で買ったんですよ。小田急好きです。伊勢丹の次くらいに好きです。気取らないし店員さんいい人でね。うん。けどでもそんな大好きな小田急ですが、これだけは敢えて言わせて欲しい、ラッピングがダセぇぇぇぇ!!!;
びっくりしたよ!いや、普通の時は決してダサくない。偉そうぶらず親しみ易い包装紙で温かく包んでくれる、そんな百貨店だあそこは。
しかしだ!!バーバリーの札入れの包みに紙のヒマワリ飾るのはどうなのか!!
明るい水色の包装紙に鮮やかな黄色の紙ヒマワリ。確かに父の日らしさは全力でかもし出している。それは認める。けどでも・・・・!!
・・・・いやわかったオーケー、百歩譲って水色の包装紙でくるむ、そしてヒマワリを飾る、そこまでは良しとしよう。だがそれをバーバリーの紙袋に入れるなよ!!!カオス!超カオス!外と中が完全に別世界!
まあこれが本日の1つめのプレゼント購入でした。
そしてもう1つが私が超悩みに悩んで全力で取り組んだプロジェクト、友人の子供の1歳の誕生日プレゼント!
オモチャであることは絶対です。そこは譲れん。だけども1歳の子供にとってどんなオモチャが嬉しいのだろう。もうちょっと大きくなったら絶対にレゴブロックあげるんだが。あれは最高のオモチャだ。けど1歳の子は食べちゃったりするからな・・・・
とりあえず、アンパンマンが好きだというので会社の近所のオモチャ専門店で探してみました。
色々ありました。アンパンマンと一緒に飛び跳ねてみよう!みたいなオモチャとか、アンパンマンの上で飛び跳ねようとか、アンパンマンとカラオケとか、アンパンマンに字を教えてもらおうとか、全部三歳以上対象。
1歳ってマジで難しいな・・・ちっちゃい子向けのオモチャもあるにはあるんですが、どうもぴんと来ません。なんていうか、手にくっつけるとか、ベビーカーにぶら下げるとか・・・・はーいよちよちいいこでちゅねー、みたいな・・・・遊ぶというよりあやす感じのばかりだ。ばかな。そんなはずが無い。1歳児には1歳児の創造性があるはずだ!アンパンマンがぷーと鳴ったぐらいで本当に彼らは楽しいのか!?友人宅には生きた犬が二匹いるんだぞ、今さら人工のぷーぐらいで新たな魅力を感じられるわけがあるまい!
そこで友人に子供の近況を確認するメールを打ったところ、何と既にレゴで遊ぶという回答が。
ただし作るほうではなく、ママの作ったのを壊す方に喜びを感じている段階らしい。口には入れるけど見張っていれば大丈夫、か・・・・危険だな。
あと、今はアンパンマンが好きだがこの先はトーマスが好きになるのだそうだ。そうか、トーマスのほうが対象年齢上なのか。
そんなことを思いながらふと見れば、そこにはトーマスのレール一式を内臓したレゴブロックの大箱がありました。
これだああああああ!!!レゴ!レゴ!
・・・・・・しかし、1歳児のプレゼントにしたいんですがどうでしょう、と店員さんに聞いてみたところ、危険だからやめるようにと言われました。
やっぱりそうか。そうだよな・・・なんかあってからじゃ遅いもんな・・・・
よし、ここはもっと根源的な問題から考えていこう。
近況を聞いてまず面白いのは破壊衝動から出てるということだ。子供ってそうなんだなあ。そういえば散らかし放題散らかすオモチャとかも昔あったしな。破壊なくして創造はありえないということか・・・・
この時期に物を壊す興味を満たしておくことが大事なのだろう。物を壊すのに飽きてやがて作るほうへといくのだろう。
だとすると、ひろ坊(仮名)の破壊衝動を満たしながらひろ坊の成長を見守り、その成長と共に創造の喜びを満たし、おそらくはじっちゃんばっちゃん叔父さんおばさんから雨のように降り注いだであろうアンパンマングッズの架け橋となって全てを内包し、万一他人と被ってもがっかりしない、むしろ被れば被るだけ世界が広がり楽しくなるようなオモチャを探すべきだ。
それにはこれしかない。
積み木!
というわけで、アンパンマンともトーマスとも何の関係も無い至ってオーソドックスな木製積み木一箱を買ったわけですが。
積み木ってのは考えれば考えるほどすごいオモチャですね。壊すことができ、作ることができ、他のオモチャを交えて遊ぶことができ、ダブってもパーツが増えるだけ面白くなる。
私が子供の頃は3箱ありました。全部絵が禿げるまで遊んだもんです。
今は有名な会社のすごく綺麗で複雑な形のできる積み木なんかもありまして、来年はこれにしようかな・・・
いやーオモチャ見るのは楽しいなー。
ハマシメジ、僕はもう疲れたよ・・・・とっても眠いんだ・・・
話まったくわっかんねえー!!;
わっかんねーけどなんかすげー!!;;
■あの茸は今
カエンとベニの別れ話もスギの事件も何も知らない平和なカラカサ。
シロちゃんは家に帰れたかしら、心配だからカエンタケに聞きに行ってみようかな、そうだせっかくだからベニちゃんにお土産でも買っていこうそうしよう。
何の憂いも無い晴れやかな笑顔で買い物をする彼の頭には、
「女の子→甘いもの→ショートケーキ」
というエリンギを割ったようなまっすぐな構図しか無かった。
・・・吉野家と女は同じ世界に存在しないと思っている夢見る男の一人である。
・・・・・
ベニ「・・・そうですか。ドクツルタケさん・・・良かった!」
カラ「こんにちはあ」
ベニ「あ、どなたかいらっしゃったみたい・・・はい、お大事にとお伝え下さい。失礼いたします・・・」
チン。
カラ「カエンタケえ、いるかい?シロちゃんあのあと無事に・・・・あ。」
ベニ「こんにちは。カラカサタケさんでしたか」
カラ「!ベニちゃんごめ・・・!電話中だった!?よね!?」
ベニ「い、いいえ、いいえ。もう終わるところでした。カエンタケからでしたから大丈夫ですよ」
カラ「あれ?カエンタケ留守?どこに行ったの?」
ベニ「今はまだ病院に」
カラ「病院!?」
ベニ「はい・・・」
カラ「な、何があったんだベニちゃん!!カエンタケは昨日はあんなに元気で!!」
ベニ「え?あ、あの、カエンタケは別になんともな・・・・」
カラ「カエンタケはなんともない・・・?じゃあ・・・・シロちゃん!?シロちゃんに何かあったんだねっ!!?」
ベニ「!」
カラ「もしかしてお酒のせいで具合悪くしたんじゃないかい!?俺思ったんだよ昨日、いくらなんでも飲みすぎだって!カエンタケが病院に連れてくなんてそんなよっぽどひどいんじゃないか!?ひどいのかい!?」
ベニ「お、落ち着いて下さい、カラカサタケさん・・・!」
カラ「ベニちゃん話してくれ!一体、俺の知らない間に何があったのか!」
ベニ「は、話します、話しますから落ち着いて・・・・!おねが・・・・!」
ベニ「・・・・・ということがあったのです」
カラ「スギヒラタケにドクツルくんが・・・・なんてことだ・・・」
ベニ「この家に運ばれてきた時には意識がありませんでしたが、ここから病院に運ばれて手術をされて、一命は取り留められたそうです。傷も思ったほど深くなく、菌床をあたたかくして少し湿らせておけばまたお元気に生えられるでしょうとのこと。本当に、不幸中の幸いでございました。ほんとうによかった・・・!」
カラ「そうだね、大事にならなくてほんっっとうに良かったね!シロちゃんもほっとしてるだろうな。いや、心配してるのかな?両方か!とにかくもう大変だったねベニちゃんも!」
ベニ「私は何もできませんでした。カエンタケが・・・カエンタケがいなければどうなっていたことか。ドクツルタケさんを運んだのも、傷口の液止めも、救急茸を呼ばせたのも、全てカエンタケなのです。彼がみんなしてくれたのです。私はただ見ているだけで・・・怖くて動くことすらできずに・・・・」
カラ「普通はそうだよ。カエンタケが怖いもの知らずなんだよ。あいつは昔っから頼りになるキノコだし、かっこつけてるけど何だかんだでキノコの面倒見るの嫌いじゃないし」
ベニ「ええ、ええ」
カラ「俺だってショウジョウバエから助けてもらったし、ベニちゃんだって山から出てきたとこ拾われたし。そういうとこまったく変わってないんだな。きっと変わらないもんなんだろうね、キノコの良いところって」
ベニ「ええ・・・・」
カラ「ああいう奴だからちょっとわかりづらいところもあるけどね。あはは。でもいい奴だよ本当に」
ベニ「・・・・・・・」
カラ「まだ病院かあ。ケーキ3つ買ってきたんだけどどうしよう。あいつ遅くなるって言ってた?ベニちゃん」
ベニ「!あ、いいえ、もうすぐ帰るからと」
カラ「じゃあ待ってようかな。いい?俺ここ居て」
ベニ「もちろんです。すぐにお茶をおいれしますから、どうぞお楽になさってください」
ぽつ。
カラ「ん?」
ぽつ。ぽつ。
カラ「雨だ」
ベニ「!・・・雨・・・・」
カラ「梅雨に入ったからね。よく降るなあ」
ベニ「・・・・・・わたくし」
カラ「ん?」
ベニ「私・・・カエンタケに傘を持っていかなければ」
カラ「あ!俺行ってこようか?」
ベニ「いいえ、いいえ、カラカサタケさんはここに居てください。私が参ります」
カラ「そう?」
ベニ「はい」
カラ「・・・そっか。じゃあひどくならないうちに行ってきたほうがいい。お茶は俺、自分でいれられるからさ」
ベニ「・・・申し訳ありません」
カラ「いいんだよ、そんなの。気をつけて行って来て。カエンタケをよろしく」
ベニ「はい。行ってまいります」
