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2007年1月8日設置 サイト→http://warakosu.syarasoujyu.com/
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インド料理の本を持って一週間が経ちました。
キーマカレー、チキンカレー、バターチキンと順調にカレーを作り続け、ジャガイモのクミン炒めやアップルスープといった副菜にも手を出し、一番作ったのは多分マンゴーラッシーと、在宅勤務を良いことに朝昼晩インディアな食生活をしておりました。
以前、フランス料理でこれをやったところ、3日か4日でおそらく日本人のバター値の限界を突破したのでしょう、身体に異常をきたして嘔吐症状に見舞われ終了したものでしたが、カレーは一週間経過しても大丈夫。
さすがアジア同士。日本とインドでやっぱどっか同じところがあるのね。


……などと思っていたのですが……


サーグチキンを作って晩に食ってあけた今朝から、突如、胃腸・ライブズ・マターが勃発。

長期にわたる食事的不平等への不満が爆発したのでしょう、臓器が暴力をもって抗議するに至りました。
スパイスはこの身体から出て行けみたいな感じなので、私としても臓意には逆らい難く、本日からは雑炊やむなし。

何事もやりすぎはよくないですね。
この状態で仕事するのも大変辛かったのですが、都内の感染者が3桁超えとか言ってる時に体調不良で早退しますとは言えない。
経緯を話さず冤罪を被るか、経緯を話してバカだと思われるか…どっちにしても良いこと一つも無いわ…

本当に、やりすぎはよくないです。
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■シチリアの晩祷
1282年、シチリア人が当時のフランス人支配に切れて起こした反乱の名。
シチリアではヒヨコ豆を「チチリ」と言うが、この発音がフランス人には難しいため、ヒヨコ豆を掲げて「これは何だ!」と問い、正しく発音できない者をフランス人としてぶっ殺したという。
(参考文献:世界のスープ図鑑)

あくまで逸話であり事実か否かはわからないということですけども、なんか色々納得してしまいたい要素が詰まったエピソードではある。
デスマスクとかいかにもヒヨコ豆持って調子乗ってそう。そして返り討ちにされてそう。

黙って格好良くしていればとっても格好良いはずなんだけどなあ・・・・・
さて、私がインド家庭料理の本と同時に購入した本がもう一冊ありまして。
それが「世界のスープ図鑑」です。

世界各国317種のスープが掲載されているスープレシピの図鑑。
自炊者の夢の一つに「毎日違うスープを作れたら捗るだろうなあ」というのがあると思います。正にそういう人に向けた365日分の実用レシピが載った本も世の中にはありますが、繰るページ繰るページ何か似たようなものばっかりが並んでいて作る前に飽きた人もいるでしょう。私のように。
だってさ、そんなんだったら結局、毎日味噌汁の具だけ変えとけばいいって話じゃん。

そう、長くつきあうためにはレシピ本と言えども面白さが無ければなりません。
まあ!そんなスープがあったなんて!という驚きが必要なのです。
そこへ行くとこの「世界のスープ図鑑」は、Amazonレビューで「材料が入手できないものが多く実用には不向きです」と太鼓判を押されており、驚きの宝庫といえるでしょう。
買いです。


というわけで手元に届いたこの一冊。
材料が入手できないとしても、世界中の美味しいスープを一望できるというだけで楽しいです。いくつかは作れるものもきっとあるはず。己のスープのレパートリーを広げて豊かなステイホームライフを送りましょう。

第一章は西ヨーロッパ、栄えあるトップを飾る国は!
















「イギリス」ブリティッシュ・オックステール・スープ















おまえかい!!





この本に対する私の期待が9割下がった瞬間でした。
いやもちろん、世界のスープ図鑑だもの、イギリスが入っててもおかしい事はないですよ?
しかしトップに出張らせるか普通。
そのまま立てつづけにイギリススープ8種も載ってるし。その後のアイルランドの2種入れたらあの島で10種だし。なんなの。

ちなみにアイルランドの2つめのスープは「ギネス・スープ」でその名の通りギネスビールに具材を入れて作るスープなんですが、次のページからドイツのターンが始まりまして、開始早々「アイルランドにギネスのスープがあるのだから、当然ドイツにもビールを使ったスープがある」スープ本来の足場を完全に踏み外した世界で張り合っています。
まだ317分の11ページ目でこの有様よ。なんなんだお前ら。

筆者は米国在住の日本人。改めて「まえがき」に戻ってその述懐を読み直します。

「この本を書くにあたって350種を超えるスープを作り、食べた。一口食べて『うまい!』と一言発し、気が付くと食べきっていたと言う時もあれば、『こんなもんかなぁ』とか『ちょっと変わってるなぁ』とか思いながら数回スプーンを口に運んで終わってしまったものもないわけではない。でも『これはまずいわ』と顔をしかめたものは、正直ひとつもなかった

その『こんなもんかなぁ』の方の感想と行動、私が以前アイリッシュシチューを作ったときと完全に一致するんですがそれは。
私が躊躇なく「まずい」に分類したあの感じを、この人はただ心優しい性格だったから言葉を差し控えただけなのではないでしょうか。

待て。それとも私がイギリスへの偏見を持ちすぎなのか。かつてイギリス料理の本で二つ三つ酷い目にあったからといって、それがイギリスの全てでは無いはずだ。
ここに載ってるスープは本当に美味しいのかもしれん。
ブリティッシュ・オックステール・スープは、大して煮出してもいなさそうな野菜を途中で全部廃棄するあたりに疑惑を覚えるが、他のレシピ、そう他のレシピを見てみよう。


■ロンドン・パティキュラー
「ロンドンを舞台にした映画を見ると、霧に包まれた幻想的な光景に目を奪われる。でも実はそんな美しいものなどではなくて、工場などの煙突から噴き出す煙が充満したスモッグなのだ。このどんよりしたスモッグまみれの霧をロンドン・パティキュラーと呼ぶ。ひどい名前がついたスープだとは思うが、実際に作ってみるとその色といい濃度といい、この名前がぴったりのスープなのである」


なのである、じゃないよ。

このまるで不味そうな説明からなんの逆転も無く決着しといて、どのあたりを得意げに「なのである」だよ。
不味いんじゃないのか?不味いよねこれ?


「でも、ロンドンの人が愛するおいしいスープであることは保証つきである」


誰の保証よ。
ロンドンの人の保証か?
前もそうだったけど、イギリス料理ってイギリス人の保証しかついてきてない気がする。気のせいか?


大丈夫なのかこの本。ちゃんと美味しいレシピ載ってるのか?
西ヨーロッパ章は他に・・・ドイツの次にオーストリア、ベルギー、オランダ、スイス、あとはフランスか。
フランスはさすがの貫録で初っ端の栗のポタージュからだいぶ美味しそう。「うちはビールを鍋にぶちまけるようなことはしませんが?」と言わんばかりに控えめなコニャックで具材を炒めブイヨンで煮込んでいる。作るの大変そうだけども正直これは食べてみたい。

なるほど。出だしイギリスで読者をひるませておいてから真打フランス登場で一転安心度を高めると言う、そういう流れね?確かにトップかトリかと言ったらフランスは断然トリに置く方が良・・・


と思ったらその後に大トリでジャージーいたよ。
※ジャージー:イギリス海峡に浮かぶイギリス王室属領の島。


なに・・・?
この本はガチでイギリス推しなの・・・?
ジャージー1種しかないけど、なんでこれイギリスやアイルランドの次に入れないでフランスの後に入れたの・・・?

ジャージーからのスープは「ラ・スップ・ダンジュール」。大型アナゴを使ったスープです。
この魚自体は美味しいものだというので、そんな大間違いはしなさそうな気はするんですが、レシピを気をつけて読んでみると、材料として用意したはずの塩・適量を入れた形跡が一切無く、これそのまま作ると味無いぞ。大丈夫か。
塩は食卓で入れろと言うことなんですかね・・・イギリス式・・・・?


「本当に美味いしい料理なのか」「レシピは本当に正確なのか」。二重の致命的な不安を抱えた「世界のスープ図鑑」。
第一章西ヨーロッパだけでもだいぶ読み込み甲斐があります。お薦めです。
本格カレーを志してから5日、玉ねぎを「飴色になるまで」炒めるという苦行で貧血を起こしたりミキサーを破壊したり塩を入れすぎたりしながら、私はキーマカレーとチキンカレーを作って美味しくいただきました。
本格カレーが美味いというよりは、どちらかというと自分が作った物はなんだかんだ美味いの法則による美味さな気がしますが、きっと家庭料理とはどこの国もそういう物なのでしょう。

こうして異国の料理を作ってみてなんとなくわかってくるのは、「スパイスを調合して使う」というのは日本では手間としてカウントされますが、現地ではこれむしろ手抜き手段なのだろうなと。
使うスパイス変えるだけで味が変わりますからね。亭主の弁当の一角は毎日ジャガイモ炒めでOKみたいなことができるわけだ。なるほど。
晩御飯の残り物にスパイスを加投入して味変えて詰めたりできそうですし、インドの主婦うまいことやってるもんですよ。

インド式弁当箱欲しいな・・・
金属の皿にカレーを小分けに盛って並べてみるの、やりたいですねえ・・・

本が来ました!

・・・・・

・・・よし、「はじめに」を読む限り、筆者がインド料理に取り憑かれている事は明らかだ。
料理のできる私を見てvではない、私の向こうにインドの叡智を見よぐらいの迫力を感じる。この人は本当にインドが好きなのだ。

私の職場でもかつて、どうしてもつのる衝動が抑えきれず突然仕事を辞めてインドへ放浪の旅に行ってしまった部長がいました。本当に。文字通り。
インドには一部の人を虜にする何かがあるのでしょうね。

それはともかく、こういう愛ある人が書いた本なら間違いないです。絶対美味しいはずです。
似た感じの愛に溢れたイギリス紳士による料理本を元に作ってみたアイリッシュシチューが壊滅的に不味かった記憶がありますが、あれはあれです。これとは違う。

映画の中ではね、ダッバの中に色んなおかずが詰まってたんですよね。
私なんかインドと言ったらカレーしか思いつかないですから、カレーじゃなさそうなあのおかずは何だろう、世界昆虫食大全に乗ってた写真に似てる気がする、みたいなもやもやで胸いっぱいだったわけです。

ちなみにその大全はインドについては次のように記載しています。
「インドはベジタリアンが多いので、昆虫を食べる人は限られている」
ベジタリアンが少なければ昆虫を食べる人は限られないとでも・・・?

とにかく、映画のあのおかずは虫では無かった。あれが何だったのかはこのインド料理の本を読んで行けばわかるかもしれない。
インド=カレーのイメージとは今日でおさらばだ。よし!

そして私は読みました。


・・・・・・




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・・・・・・・・・・・






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どう考えてもカレーが美味そう。


ごめん、確かにサブジ(野菜の惣菜)とかダール(豆のシチュー)とか色々あるんだけども、カレーが他を圧倒して作りたい。バターチキン超美味そう。
それにそもそもまだスパイスの神秘に目覚めていないこちらとしては、サブジやダールのレシピを見ても、要するに全部カレー味なんじゃないかと思ってしまう

作ってみたら多分変わるのだと思いますよ、この認識は。でも!カレーが作りたいし!


インドはやはりカレーだった。
そんな認識を新たに、明日はスパイスでも買ってこようと思います。

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