2007年1月8日設置
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十二宮編に見る聖域の危機管理対応。第3回は天蠍宮から磨羯宮までを考えていきたいと思います。
■天蠍宮:ミロ
「お前にはカミュの気持ちがわからんのか!」。当人の気持ちを我がことのようにマスコミに語ってしまう関係者の友人登場。
善意からとはいえ報道を偏らせ、事態をややこしくする存在です。緘口令は末端まできっちり布かなければいけません。
それにしても、こんなど真ん中の位置にいながら一人だけ学部が違うかのようなこの部外者感は一体なんなのでしょうか。
深い事情を何も聞かされていなさそうだがやる気だけはやたらある。組織の人間というよりその近所のトンカツ屋のオヤジのような存在です。なぜそんな人間をこの位置に。
解せません。聖域の人事。
■人馬宮:アイオロス
「彼の指導は厳しかったが愛情があった。今の人とは違って・・・」などと語られる伝説のOBです。
本来、こうした傑物がいたということは組織にとってプラスのはずですが、現在の担当者がそれと比較され、過度に貶められる要因にもなりえます。
特に偉人が故人である場合は神格化されやすく、その伝説の人が悪人を見落としたから今の事態が生じてるんじゃないかといったことは問題にされません。
また、彼の書き残した遺志などがむしろ被害者側の名分として利用され、結束を強化させてしまう場合もあり、そうなると「あの遺言は遺した場所からしてもむしろ黄金聖闘士に宛てた物だったんじゃないのか」「聖衣が動いたのは本当に故人の遺志なのか。青銅をずっと見守ってたテレキネシスの強い人が何かしたんじゃないのか」といった夢の無い意見は封殺されます。
傑出した先人がいた場合、後任の立場は非常に難しいものになります。
しかし立場が難しいからとなんとなく先人の真似をしていては、未曾有の危機に陥った時に対処方法が考えられず、後手に回って自滅することになります。
先人がどんなに偉大であっても、後任者は常に自分をしっかり持って組織運営にあたりましょう。危機に陥る前の危機管理と言えます。
■磨羯宮:シュラ
通り抜けたと思って力を抜いたところを背後から急襲。いけません。危機管理と言うか、これ自体がもう危機の勃発です。誰もが言うでしょう「聖闘士でこんな反則は見た事がない!」と。それまで聖闘士など見た事も聞いた事も無かった人も千年前からルール知ってたと言わんばかりに言ってきます。山羊座は地味だからどうせ注目されていない等と油断していると痛い目にあうので気をつけて下さい。
また、蟹の宮でもそうでしたが、意味も無く余罪を披露して相手を挑発するのはやめましょう。
「俺は山羊座のシュラ!そして逆賊アイオロスを半殺しにした男よ!!」、なぜ名前で終わっておかないのか。
振り返ってみても、磨羯宮の闘いは実質話し合いで解決しているのです。無用な反則・挑発がなかったら、別に切ったりハッたりせず誰も死なずに済んでいたかもしれません。
簡単に挑発に乗る被害者サイドにも問題はありますが、紫龍がここまでに戦ったのは蟹なので、不意打ちをうけてこいつもあれと同じかと思わた可能性があります。危機管理対応は解決が延びれば延びるほど信頼を失うものです。だからこそ、ここにきて暴力先行は全くいただけません。
後を引き受ける人ほど慎重居士を心がけましょう。
ここまで対応がのびると、本来の問題から派生して要素が増え、統率が取れなくなってきました。もはや何を守りたいのか、目的を見失いつつあるようです。
<聖域の危機管理対応4へ続く>
■天蠍宮:ミロ
「お前にはカミュの気持ちがわからんのか!」。当人の気持ちを我がことのようにマスコミに語ってしまう関係者の友人登場。
善意からとはいえ報道を偏らせ、事態をややこしくする存在です。緘口令は末端まできっちり布かなければいけません。
それにしても、こんなど真ん中の位置にいながら一人だけ学部が違うかのようなこの部外者感は一体なんなのでしょうか。
深い事情を何も聞かされていなさそうだがやる気だけはやたらある。組織の人間というよりその近所のトンカツ屋のオヤジのような存在です。なぜそんな人間をこの位置に。
解せません。聖域の人事。
■人馬宮:アイオロス
「彼の指導は厳しかったが愛情があった。今の人とは違って・・・」などと語られる伝説のOBです。
本来、こうした傑物がいたということは組織にとってプラスのはずですが、現在の担当者がそれと比較され、過度に貶められる要因にもなりえます。
特に偉人が故人である場合は神格化されやすく、その伝説の人が悪人を見落としたから今の事態が生じてるんじゃないかといったことは問題にされません。
また、彼の書き残した遺志などがむしろ被害者側の名分として利用され、結束を強化させてしまう場合もあり、そうなると「あの遺言は遺した場所からしてもむしろ黄金聖闘士に宛てた物だったんじゃないのか」「聖衣が動いたのは本当に故人の遺志なのか。青銅をずっと見守ってたテレキネシスの強い人が何かしたんじゃないのか」といった夢の無い意見は封殺されます。
傑出した先人がいた場合、後任の立場は非常に難しいものになります。
しかし立場が難しいからとなんとなく先人の真似をしていては、未曾有の危機に陥った時に対処方法が考えられず、後手に回って自滅することになります。
先人がどんなに偉大であっても、後任者は常に自分をしっかり持って組織運営にあたりましょう。危機に陥る前の危機管理と言えます。
■磨羯宮:シュラ
通り抜けたと思って力を抜いたところを背後から急襲。いけません。危機管理と言うか、これ自体がもう危機の勃発です。誰もが言うでしょう「聖闘士でこんな反則は見た事がない!」と。それまで聖闘士など見た事も聞いた事も無かった人も千年前からルール知ってたと言わんばかりに言ってきます。山羊座は地味だからどうせ注目されていない等と油断していると痛い目にあうので気をつけて下さい。
また、蟹の宮でもそうでしたが、意味も無く余罪を披露して相手を挑発するのはやめましょう。
「俺は山羊座のシュラ!そして逆賊アイオロスを半殺しにした男よ!!」、なぜ名前で終わっておかないのか。
振り返ってみても、磨羯宮の闘いは実質話し合いで解決しているのです。無用な反則・挑発がなかったら、別に切ったりハッたりせず誰も死なずに済んでいたかもしれません。
簡単に挑発に乗る被害者サイドにも問題はありますが、紫龍がここまでに戦ったのは蟹なので、不意打ちをうけてこいつもあれと同じかと思わた可能性があります。危機管理対応は解決が延びれば延びるほど信頼を失うものです。だからこそ、ここにきて暴力先行は全くいただけません。
後を引き受ける人ほど慎重居士を心がけましょう。
ここまで対応がのびると、本来の問題から派生して要素が増え、統率が取れなくなってきました。もはや何を守りたいのか、目的を見失いつつあるようです。
<聖域の危機管理対応4へ続く>
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十二宮編に見る聖域の危機管理対応。第2回は獅子宮から天秤宮までを考えていきたいと思います。
■獅子宮:アイオリア
「日本でアテナに忠誠を誓ったはずじゃなかったのか!?」という被害者サイドの質問に対し、「オレはこの獅子宮を守る獅子座のアイオリア。ただそれだけだ」とシラを切るアイオリア。
一見悪手に見えますが、「言ってません」と答えるよりははるかにマシです。
問題を、言った・言わないの水掛け論にすることだけは絶対に避けましょう。
過去に言った言葉は無かった事にはできません。たとえ本当に言っていないとしても「無かった」という証拠を出すことは非常に難しいのでどのみち不利です。
記憶にございませんという態度は、無責任の批判は避けられないものの、嘘つきだと思われるよりかは良いのです。
「確かに言ったがこんなことになるとは思わなかった。申し訳ない」など、いったん相手の主張を認めてからしかし今になって己の浅はかさに気づいたので先の言動は再考させて欲しいという形を取るのも、相手にあきらめさせる手段としては有効です。
ただ、そもそも大前提として、精神的に不安定な人間を危機管理対応にあたらせるのはいただけません。ストレス度の高い仕事です。何をきっかけに暴走するかわかりません。
洗脳を完璧に施せていたとしても、一目で異常がある事がバレると逆に物議を醸します。アイオリアしかり、ワタミのバイトしかり。
この点が考慮されていなかったことは、聖域の危機管理体制の大きな問題かと思われます。
■処女宮:シャカ
1プレー目から潰しに来た被害者サイドを返り討ちにしてしまいました。いけません。リスクの高い行為です。
先に手を出したのは確かに被害者サイドですが、彼らは試合の直前アイオリアから「絶対にシャカの目をひらかせるな!」という指示を受けていました。アイオリアは思いっきりやってほしかっただけだったとしても、星矢達はこれまでに殴られたり蹴られたり氷河をスタメンから外されたりと言った圧迫を受けていたわけです。追い詰められた精神状態で指示を聞き、「会った瞬間シャカを殺れ」という意味だと誤認したとしてもそれは仕方が無かったでしょう。
このように、元をたどれば加害者サイドが原因だったという事実が後になって発覚すると、世間はそれまで被害者を叩いていた後ろめたさもあいまって、何倍にもして加害者に報復しようとします。
経緯がはっきりしない事象について安易に被害者サイドを反撃することはやめておきましょう。
また、自分の反撃だけが記録に残っていると正当防衛の主張が難しくなりますので、録音・録画装置は24時間起動しておけるものを設置しましょう。
暗黒聖闘士を退治に行ったりアイオリアを止めたりと、日頃から危機管理対応を行ってきたシャカですが、十二宮編ではいささか後手に回ったかの感がありました。
処女宮の戦いは、若年者との争いを徒に長引かせるとPTAが出てくるという良い例でもあります。愛する者を守りたい彼らは一度出てくると勝つまで退きません。PTAが公に登場する前に、当事者間で事を治めるよう心がけましょう。
■天秤宮:カミュ
「この程度の拳ではこの先通用しない。必ず殺される!」「ならばいっそのこと師である私が引導をわたしてやる!」。
仮定の話で極端な行動に走るのは控えましょう。まだ序盤です。後になって見込みが違った場合に信用を落とします。
また、「この無人の宮で永遠に・・・」などと中途半端に問題を保留するのもあまりよくありません。その保留を被害者サイドに見える形でその場に置きっぱなしにするのもいかがなものか。
愛弟子の為に少し焦ってしまったのでしょうが、危機管理に焦りは禁物。もう少しクールな対応を心がけても良かったのかもしれません。
■天秤宮:老師
五老峰に入院して対決を避けるという王道の一手を使ってきました。なまじ若い人間がこれをやると一層の批判を浴びることになりかねませんが、261歳という高齢と、仮に彼が天秤宮に登場した場合「最年長者のくせに今まで何をやっていたんだ」というバッシングを招くことが容易に予測できるため、今回に限ってはこの手段は最善手だったと考えられます。
さらに、保留されている氷河を目の当たりにして案の定逆上する被害者サイドへ向け、すぐに使える道具を自ら提供したこともポイントが高いです。味方の失敗をカバーしつつ、相手の怒りを和らげる事ができました。あくまで道具の提供だけで氷河を救い出すことまではしておらず、最も難しい作業は相手に委ねることで巧みに責任を回避しています。実にしたたかです。
巨蟹宮・獅子宮・処女宮と逆立つ一方だった被害者側の感情を、ここでいったん落ち着かせることに成功したのではないでしょうか。
伊達に261年生きてません。老師の面目躍如と言えるでしょう。
各宮で少しずつ対応ミスが目立ってきました。事態が紛糾すると、組織が一丸となって対処することも段々難しくなってくるものです。
果たしてこの先の面々はどのように対応するのか。
聖域の危機管理対応3へ続きます。
■獅子宮:アイオリア
「日本でアテナに忠誠を誓ったはずじゃなかったのか!?」という被害者サイドの質問に対し、「オレはこの獅子宮を守る獅子座のアイオリア。ただそれだけだ」とシラを切るアイオリア。
一見悪手に見えますが、「言ってません」と答えるよりははるかにマシです。
問題を、言った・言わないの水掛け論にすることだけは絶対に避けましょう。
過去に言った言葉は無かった事にはできません。たとえ本当に言っていないとしても「無かった」という証拠を出すことは非常に難しいのでどのみち不利です。
記憶にございませんという態度は、無責任の批判は避けられないものの、嘘つきだと思われるよりかは良いのです。
「確かに言ったがこんなことになるとは思わなかった。申し訳ない」など、いったん相手の主張を認めてからしかし今になって己の浅はかさに気づいたので先の言動は再考させて欲しいという形を取るのも、相手にあきらめさせる手段としては有効です。
ただ、そもそも大前提として、精神的に不安定な人間を危機管理対応にあたらせるのはいただけません。ストレス度の高い仕事です。何をきっかけに暴走するかわかりません。
洗脳を完璧に施せていたとしても、一目で異常がある事がバレると逆に物議を醸します。アイオリアしかり、ワタミのバイトしかり。
この点が考慮されていなかったことは、聖域の危機管理体制の大きな問題かと思われます。
■処女宮:シャカ
1プレー目から潰しに来た被害者サイドを返り討ちにしてしまいました。いけません。リスクの高い行為です。
先に手を出したのは確かに被害者サイドですが、彼らは試合の直前アイオリアから「絶対にシャカの目をひらかせるな!」という指示を受けていました。アイオリアは思いっきりやってほしかっただけだったとしても、星矢達はこれまでに殴られたり蹴られたり氷河をスタメンから外されたりと言った圧迫を受けていたわけです。追い詰められた精神状態で指示を聞き、「会った瞬間シャカを殺れ」という意味だと誤認したとしてもそれは仕方が無かったでしょう。
このように、元をたどれば加害者サイドが原因だったという事実が後になって発覚すると、世間はそれまで被害者を叩いていた後ろめたさもあいまって、何倍にもして加害者に報復しようとします。
経緯がはっきりしない事象について安易に被害者サイドを反撃することはやめておきましょう。
また、自分の反撃だけが記録に残っていると正当防衛の主張が難しくなりますので、録音・録画装置は24時間起動しておけるものを設置しましょう。
暗黒聖闘士を退治に行ったりアイオリアを止めたりと、日頃から危機管理対応を行ってきたシャカですが、十二宮編ではいささか後手に回ったかの感がありました。
処女宮の戦いは、若年者との争いを徒に長引かせるとPTAが出てくるという良い例でもあります。愛する者を守りたい彼らは一度出てくると勝つまで退きません。PTAが公に登場する前に、当事者間で事を治めるよう心がけましょう。
■天秤宮:カミュ
「この程度の拳ではこの先通用しない。必ず殺される!」「ならばいっそのこと師である私が引導をわたしてやる!」。
仮定の話で極端な行動に走るのは控えましょう。まだ序盤です。後になって見込みが違った場合に信用を落とします。
また、「この無人の宮で永遠に・・・」などと中途半端に問題を保留するのもあまりよくありません。その保留を被害者サイドに見える形でその場に置きっぱなしにするのもいかがなものか。
愛弟子の為に少し焦ってしまったのでしょうが、危機管理に焦りは禁物。もう少しクールな対応を心がけても良かったのかもしれません。
■天秤宮:老師
五老峰に入院して対決を避けるという王道の一手を使ってきました。なまじ若い人間がこれをやると一層の批判を浴びることになりかねませんが、261歳という高齢と、仮に彼が天秤宮に登場した場合「最年長者のくせに今まで何をやっていたんだ」というバッシングを招くことが容易に予測できるため、今回に限ってはこの手段は最善手だったと考えられます。
さらに、保留されている氷河を目の当たりにして案の定逆上する被害者サイドへ向け、すぐに使える道具を自ら提供したこともポイントが高いです。味方の失敗をカバーしつつ、相手の怒りを和らげる事ができました。あくまで道具の提供だけで氷河を救い出すことまではしておらず、最も難しい作業は相手に委ねることで巧みに責任を回避しています。実にしたたかです。
巨蟹宮・獅子宮・処女宮と逆立つ一方だった被害者側の感情を、ここでいったん落ち着かせることに成功したのではないでしょうか。
伊達に261年生きてません。老師の面目躍如と言えるでしょう。
各宮で少しずつ対応ミスが目立ってきました。事態が紛糾すると、組織が一丸となって対処することも段々難しくなってくるものです。
果たしてこの先の面々はどのように対応するのか。
聖域の危機管理対応3へ続きます。
聖域の危機管理対応について、十二宮編を振り返って考えてみたいと思います。
■白羊宮:ムウ
アテナの命を助けたい被害者サイドとアテナに死んでほしい加害者サイド。完全に間に立たされたムウですが、この時点での対応はベストと言えましょう。
被害者サイドがまだ加害者の真の姿を知らず、事態をいまいち把握できていない事を見越し、また自身には既に彼らからの信頼があるため、あえて最初から強い態度に出る事で会話の主導権を握りました。
さらに「聖衣を直す」という相手側にもメリットがある案を示すことで自分の得意分野に問題を引きこみ、結果的に1時間の足止めに成功。
聖域のブランドを落とすことなく、自分の信頼に至ってはむしろ上げたぐらいでしたたかにノルマを達成しました。
聖域の顔と言える第一の宮にこんな優秀な人材を配置できる。聖域の危機管理能力の高さを伺わせます。
■金牛宮:アルデバラン
彼の優れたところは、自分からは攻撃しないというところを最初からポーズによってわかり易く示した点です。彼としてはセキュリティ上、相手を跳ね返すという行動を取らざるを得ないわけですが、積極的に戦う意思を示さなければ、見る人は少なくとも彼を悪人だとは思いません。
「被害者サイドからの過剰な攻撃によりやむを得ず反撃せざるを得なかった」という流れを作りあげたことは高く評価されるべきでしょう。自分が正義の人であると先手を取って打ち出した結果、被害者側の話を聞こうともしていないという本質的な問題が上手く隠れました。
また、相手から「角を折ってやる」という脅迫的文言を引き出した事、それに動じず逆に利用して「角を折ったら負けを認めてやる」と実は聖域にとってどうでもいい条件を提示した事も特筆に値します。言った通り実行したことで、被害者サイドに根拠のない満足感を与え、自分を有言実行の良い人であると印象付けて聖域と黄金聖闘士のブランドを守る事に成功しました。
第二の宮として申し分のない危機管理対応であったと考えます。
■双児宮:教皇による遠隔操作
双子座の迷宮を作り出して言質を与えないままのらりくらりと時間を稼ぎ、最終的には異次元に飛ばして被害者勢力の存在自体を無に帰そうという極道か政治界だけが用いるタイプの危機管理対応を披露。自らは直接手を下しに行ってない事も含めてさすが教皇、色んな意味でレベルが違います。早い段階で無かった事にするというのは、実現できれば最強の危機管理ではありましょう。
しかし問題は、失敗したらダメージの跳ね返りが大きいと言うこと。
十二宮編ではものの見事に失敗したため、せっかく今まで落さずに保持されてきた聖域のブランドに疑いをもたれ、信頼を損なってしまいました。この程度で済んだのはむしろ幸運でした。
相手側にどんな能力者がいるのかよくよく調査する、外部からハッキングされるような通信インフラを使わないなど、事前にきちんとリスクマネジメントして必ず成功するという見込みが無い限り、使うべきではない手段だったと言えるでしょう。
■巨蟹宮:デスマスク
言いたかないが最悪です。危機管理を何だと思っているのか。
前任宮が失敗をして聖域の信頼を損なったのであれば、後任宮は少しでもそれを回復すべく、建前だけでも誠実な対応を心がけるべきです。
ところが彼は誠実どころかわざわざ死顔を見せつけ、「全て今までこのオレが殺したやつらよ」と相手を挑発。「よくみるとおさない子供たちの顔もいっぱいまじってる」という指摘に対しても「しらんな。まあ敵をおいつめる際にまきぞえになったガキが結構いたかもしれんが」と否定から入る居直りを決め込みました。
これは絶対にやってはいけない事です。危機管理において、子供と金と食い物の話は特に慎重に扱わなければなりません。そもそもここで相手を挑発する必要性が全くありません。
むしろ神妙に頭を下げ、「自分の未熟な腕では子供たちを避けきることができませんでした。謝って済む事ではございませんが、心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」と己の非を認め、一言詫びるべきだったでしょう。これだけで心象もキャラも全然違うものになったはずです。
さらに彼は、展開が自分に有利に運んでいるというのに、カンに触るという理由だけで被害者サイドの身内を滝壺に落としました。言語道断です。そんなことをする必要性がやはり全くありません。感情に任せた行動は厳に慎むべきでした。
こうした余計な挑発を繰り返した結果、彼は相手を激怒させ、亡者達にも怒りを拡散させてしまいます。聖闘士内の問題だったものを、不特定多数を巻き込む大騒動に発展させてしまったのです。
ここで平身低頭謝罪すればまだ何とかなったのかもしれませんが、彼はその後も亡者達に対して強硬姿勢を貫く愚を犯し、結局、資格剥奪処分という前代未聞の重い罰を受ける事になってしまいました。
デスマスクの失態によって聖域のブランドは地に落ちました。
被害者サイドの怒りはゆるぎないものとなり、どちらが正義でどちらが悪かという対外的イメージまで固まってしまったのです。
危機管理においては、それまでどんなに優れた対応を積み重ねていようと、1度の失敗で取り返しのつかないダメージを受ける事があります。
そのことを、本事例はよく表しているといえるでしょう。
(~聖域の危機管理対応2へ続く)
■白羊宮:ムウ
アテナの命を助けたい被害者サイドとアテナに死んでほしい加害者サイド。完全に間に立たされたムウですが、この時点での対応はベストと言えましょう。
被害者サイドがまだ加害者の真の姿を知らず、事態をいまいち把握できていない事を見越し、また自身には既に彼らからの信頼があるため、あえて最初から強い態度に出る事で会話の主導権を握りました。
さらに「聖衣を直す」という相手側にもメリットがある案を示すことで自分の得意分野に問題を引きこみ、結果的に1時間の足止めに成功。
聖域のブランドを落とすことなく、自分の信頼に至ってはむしろ上げたぐらいでしたたかにノルマを達成しました。
聖域の顔と言える第一の宮にこんな優秀な人材を配置できる。聖域の危機管理能力の高さを伺わせます。
■金牛宮:アルデバラン
彼の優れたところは、自分からは攻撃しないというところを最初からポーズによってわかり易く示した点です。彼としてはセキュリティ上、相手を跳ね返すという行動を取らざるを得ないわけですが、積極的に戦う意思を示さなければ、見る人は少なくとも彼を悪人だとは思いません。
「被害者サイドからの過剰な攻撃によりやむを得ず反撃せざるを得なかった」という流れを作りあげたことは高く評価されるべきでしょう。自分が正義の人であると先手を取って打ち出した結果、被害者側の話を聞こうともしていないという本質的な問題が上手く隠れました。
また、相手から「角を折ってやる」という脅迫的文言を引き出した事、それに動じず逆に利用して「角を折ったら負けを認めてやる」と実は聖域にとってどうでもいい条件を提示した事も特筆に値します。言った通り実行したことで、被害者サイドに根拠のない満足感を与え、自分を有言実行の良い人であると印象付けて聖域と黄金聖闘士のブランドを守る事に成功しました。
第二の宮として申し分のない危機管理対応であったと考えます。
■双児宮:教皇による遠隔操作
双子座の迷宮を作り出して言質を与えないままのらりくらりと時間を稼ぎ、最終的には異次元に飛ばして被害者勢力の存在自体を無に帰そうという極道か政治界だけが用いるタイプの危機管理対応を披露。自らは直接手を下しに行ってない事も含めてさすが教皇、色んな意味でレベルが違います。早い段階で無かった事にするというのは、実現できれば最強の危機管理ではありましょう。
しかし問題は、失敗したらダメージの跳ね返りが大きいと言うこと。
十二宮編ではものの見事に失敗したため、せっかく今まで落さずに保持されてきた聖域のブランドに疑いをもたれ、信頼を損なってしまいました。この程度で済んだのはむしろ幸運でした。
相手側にどんな能力者がいるのかよくよく調査する、外部からハッキングされるような通信インフラを使わないなど、事前にきちんとリスクマネジメントして必ず成功するという見込みが無い限り、使うべきではない手段だったと言えるでしょう。
■巨蟹宮:デスマスク
言いたかないが最悪です。危機管理を何だと思っているのか。
前任宮が失敗をして聖域の信頼を損なったのであれば、後任宮は少しでもそれを回復すべく、建前だけでも誠実な対応を心がけるべきです。
ところが彼は誠実どころかわざわざ死顔を見せつけ、「全て今までこのオレが殺したやつらよ」と相手を挑発。「よくみるとおさない子供たちの顔もいっぱいまじってる」という指摘に対しても「しらんな。まあ敵をおいつめる際にまきぞえになったガキが結構いたかもしれんが」と否定から入る居直りを決め込みました。
これは絶対にやってはいけない事です。危機管理において、子供と金と食い物の話は特に慎重に扱わなければなりません。そもそもここで相手を挑発する必要性が全くありません。
むしろ神妙に頭を下げ、「自分の未熟な腕では子供たちを避けきることができませんでした。謝って済む事ではございませんが、心からお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした」と己の非を認め、一言詫びるべきだったでしょう。これだけで心象もキャラも全然違うものになったはずです。
さらに彼は、展開が自分に有利に運んでいるというのに、カンに触るという理由だけで被害者サイドの身内を滝壺に落としました。言語道断です。そんなことをする必要性がやはり全くありません。感情に任せた行動は厳に慎むべきでした。
こうした余計な挑発を繰り返した結果、彼は相手を激怒させ、亡者達にも怒りを拡散させてしまいます。聖闘士内の問題だったものを、不特定多数を巻き込む大騒動に発展させてしまったのです。
ここで平身低頭謝罪すればまだ何とかなったのかもしれませんが、彼はその後も亡者達に対して強硬姿勢を貫く愚を犯し、結局、資格剥奪処分という前代未聞の重い罰を受ける事になってしまいました。
デスマスクの失態によって聖域のブランドは地に落ちました。
被害者サイドの怒りはゆるぎないものとなり、どちらが正義でどちらが悪かという対外的イメージまで固まってしまったのです。
危機管理においては、それまでどんなに優れた対応を積み重ねていようと、1度の失敗で取り返しのつかないダメージを受ける事があります。
そのことを、本事例はよく表しているといえるでしょう。
(~聖域の危機管理対応2へ続く)